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僕をさりげなく弱らせる方法  作者: 降井田むさし
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文字と僕

文字はどれも、形が美しくて好きだ。独特の形や複雑な形など、とても興味をそそられる。文字を使ったものはほとんどが大好きで、比喩も駄洒落もとても大好きだ。


今から、大好きな比喩について書こうと思う。僕のなかでは、直喩より隠喩の方が今はブームになっている。やっぱり直接よりは、隠した方がカッコよさが出てくる。


次は大好きな駄洒落について書こうと思う。駄洒落は大好きなのだが、少し困ったことがある。それは、常に日常会話に駄洒落を探してしまう【駄洒落センサー】が発動していることだ。僕の会話は駄洒落中心に回ってしまっているのだ。


大好きな倒置法について書こうと思う。終わった、僕の倒置法ブームは結構前に。でも好きだ、今でも結構。文章を倒置法に変えてみたが、なんかカッコいい、倒置法に置き換えるだけで。


直線だけの文字も好きだが、『ぬ』のような、ほぼ曲線だけで構成された文字の方が好きだ。なんか優しい気持ちになれるから。もちろん、直線文字も好きだ。凹凸っていう文字は、漢字ではなくて記号のように見えてくる。そんなところが最高にいい。


凹と凸という漢字を、デジタルな画面上で、どうにか向かい合わせて、指でポンッと押すだけで縦長の長方形が完成するその前段階にまで持ち込みたいと思ったりしている。あのままでは一生交わることがないのだから。


凹の窪み部分は上を向いていて、凸の突起部分も上を向いているので、今のままでは一生無理だ。どっちかに下を向いてもらいたい、みたいことばかり考えていたら、僕の気分が下を向き始めていた。


僕が凸だったとしたら、今は下を向いているので、凹と向かい合わせになれたかもしれない。凹という漢字には、そのまま凸という漢字は入らない。でも、門という漢字になら凸がきっちり入りそうな気がする。それを見つけたときは、かなり胸が高鳴った。


僕をさりげなく弱らせるとしたら、駄洒落という言葉をお題にした駄洒落を作って僕の前で披露すればいい。僕が長い間考えても見つからなかった駄洒落の駄洒落をサラッと言われたら確実に弱る。あと、「凸っていう漢字がピタリとハマる漢字を見つけたよ、門以外にね!」と言われたら弱る。凸がピッタリとハマる漢字は、今の僕が一番探しているもので、それを見つけた宣言的なことを倒置法でされたのだから、弱らないはずがない。

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