紫と僕
村崎という名字の知り合いはいない。崎村という名字の知り合いもいない。紫という漢字が入った名字の知り合いもいない。だから、紫というものはあまり近くにない気がする。
紫いもは他のいも類と味の種類がなんか違うので好き。あの色のインパクトと同じくらいの、味のインパクトがある。牛乳と同じようなパッケージに包まれているのに低脂肪乳は牛乳とは別物だ。だから紫いもは乳製品でいうところの低脂肪乳のような感じなのだろう。
紫の野菜ジュースが好きだ。紫いもチップスとか紫いもアイスとかも好きだ。紫ってだけで買ってしまうことがある。でも僕はもしかしたら、紅いもと紫いもを勘違いしてしまっているのかもしれない。
頭の中で紅いもと紫いもがごちゃ混ぜになっている気がする。そもそも何が違うのかが分からない。同じ種類で、これは赤っぽいから紅いも!これは紫っぽいから紫いも!みたいに分けていることは無いと思うが、そう想像を膨らませることしか出来ない僕がいる。
紫色の薄手のパーカーを持っている。そのパーカーを人生で一番着た上着じゃないかと思うくらい着ている。とにかくちょうどいい。紫の濃さも、生地の薄さも、とにかくちょうどいいのだ。
少し前にカラオケで紫式部の歌を歌った。気持ち良かった。田村さんより、村が先の村田さんの方が多いのかなみたいに思ってる。どうだろうか。紫って漢字がなんか好き。なんかカッコイイ。
パープルは、『パ』と『プ』という半濁音の文字2つと、しりとりで苦戦を強いられることが多い『ル』という文字1つと、単体では発音のしようがなくて『伸ばし棒』という別の呼び名まで存在する『ー』という文字1つという、特殊な文字だけを使用して構成されている特殊な単語である。それに気付いてから、ゾクゾクとなって、さらに好きになった。
僕をさりげなく弱らせるとしたら、僕の目の前に現れて、村崎と名乗ればいい。そして、大量の紫いもや紫いもで出来た商品を持ち歩いて、これは紅いもだとずっと押し通せばいい。混乱して弱ることだろう。僕に話し掛けるときに、紫色の薄手のパーカーを着ていくと完璧に弱ることだろう。




