23/23
エピローグ
―――
担任は朝の会で、いつもより低い声で言った。
「今日から来るはずだった転校生が……亡くなりました」
教室がざわめき出す。そんな中、私は何故か冷静にはいられなかった。
* * *
「いつか会いに行くよ。―――ほのか」
笑顔の素敵なあの子が優しく笑いかける。
その穏やかな口調が私の過去をえぐるようにして思い出させる。
私はあの子を知っている。今ならわかる。それが誰で今までどんな関係だったのか。
「……会いに、来るって言ってたのに」
静かな教室の中で呟く。
だけど、あの子は約束を破ったのではない。
ただ――生きて会うことが、できなかったんだ。
春の光が差し込むたび、ほのかは心の中でそっと答える。
「うん。覚えてるよ。だから、もう会ったんだよね」
名前だけが残ったその人と、確かに、私は――。




