第68話 ドラゴンハート
ー ドゴオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
破壊神の強力な一撃がブエルに直撃した! 血しぶきが飛び散る。
「グハッ! ・・・ハア・・・ハア・・・」
だが、ブエルは倒れなかった。傷だらけの翼を羽ばたかせて再び上空へと飛ぶ。
― バサッ・・・バサッ・・・バサッ・・・・・・
ブエルは上空からフェンの様子をうかがった。剣が碧色に輝いている。
「ハア・・・ハア・・・・ハア・・・。フェ、フェン・・・何とか耐えきったよ・・・あとはお願い・・・」
「破壊神!!」
フェンの呼びかけに破壊神が反応し身体を反転させた。
「!!!!」
不思議な力を感じた破壊神が、動きをピタリと止める・・・。
「キ、貴様・・・そ、その剣はまさか・・・ヤ、ヤメロ・・・撃つな・・・撃つなアアアアアアア!!」
破壊神が顔を歪める。フェンは再び目を閉じた。
「ふうぅぅぅぅぅ! 集中! 集中!!!」
― ギュン、ギュン、ギュン、ギュン、ギュン、ギュン、ギュン、ギュン・・・・・・
アナザーエデンが大気から力を吸収し輝いている。
― カッ!!!
フェンは目を開いた!
「たあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」
フェンがアナザーエデンを抜いた!
超エネルギーがアナザーエデンの刀身からほとばしる。
ユピより速く! そして力強く!
フェンは渾身の斬撃を放った!!!
碧色の閃光が破壊神に向かって一直線に飛んでいく。
― プシュン!! ピシィ―――――――――――ン・・・
刹那、閃光が破壊神の身体を貫いた!!!
― ピシ、ピシ、ピシ、ピシ、ビキキキキキキ・・・バキ、バキ、バキ、バキーーーン!!
破壊神の巨大角が粉々に砕け散る!
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
フェンはアナザーエデンを鞘に納めた!
― カシン!!!
「奥義『竜王一閃』」
破壊神の身体に『種』が埋まっている・・・。
すると突然、種が光り樹木が芽吹いた!
そして瞬く間に破壊神を呑み込んでいった。
― バキ、バキ、バキ、バキ、バキ、バキ、バキ、バキ、バキ、バキ、バキ、バキ、バキキキキキキキキキキ・・・
破壊神は樹木を破壊しようと必死で抗った。
だが、凄まじいスピードで成長する樹木が破壊神をより強い力でからめとっていく。
「ギ・・・ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
断末魔がオルベル島全域に響きわたった。
樹木は破壊神の莫大なエネルギーを吸収し続け、勢いを緩めることなく成長していった。
・・・やがてオルペア島を覆いつくし、天空の浮島に届くほど高くなった樹木はピタリと成長を止めた。
葉は生い茂り、果実がいたるところに実を結んでいる。
― 竜王剣『アナザーエデン』、その能力は『命の創造』。
善きもの悪しきもの全てに隔たりなく与えられる命。
世界最強の剣は使い手の思うまま、ものに命をふきこむ。
だが、その神に等しい力はこの世界の真の創造主により古代から使用を制限されてきたのだ。
真の創造主・・・初代竜王がアナザーエデンにかけた『竜王の妻以外、手にすることができない』という誓約によって。
こうして五千年間ギルティア大陸を支配した破壊神は、フェンが手にした力によって別の命が与えられ、『魔界樹』に生まれ変わったのだった。
・・・フェンはふらふらと倒れそうになった。
気づいたカエデが猛ダッシュでフェンに駆け寄る。
そして間一髪、フェンを抱きとめた。
「ふう・・・」
カエデはフェンを抱きしめた。フェンがうっすらと目を開き、小さく笑みをこぼした。カエデが笑顔で返す・・・。
「フェン・・・目を閉じて・・・」
二人の鼓動が高鳴る。
そしてカエデの言うがまま、フェンはゆっくり目を閉じた・・・。
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