来訪者 弐
伏屋と縄渡はシェアハウスに直行する。
見知らぬ車がシェアハウスの前に停まっている。
シェアハウスにはすでに先ほどの集団の仲間が侵入していたようだった。
ガラスが割れ土足で入られた後がある。
伏屋も慌てて入り込む。
すると真横からパンチが振りかかる。
伏屋は焦ってパンチを右手で受け止め、同時にナイフを取り出す。
(パンチが重い...!今止めなければ...!)
「痛ててっ...!」
鯖木の声だった。
「鯖木さん?!」
ちゃんと顔を見ると攻撃してきたのは鯖木だった。
「伏屋?!」
「侵入者の仲間かと思ったじゃねえか。」
「すみませんつい焦ってしまいました。」
伏屋はナイフをしまう。
「それより全員無事なんですか?」
「あぁ、警察舐めんな。」
室内には徹底的に殴られたであろう侵入者三人が床に倒れている。
「お前らー!伏屋が来たからもう出てきていいぞー!」
「いやー、びっくりしましたね~。」
「ね~。」
「とんだ迷惑な奴らだったな。」
全員が上の階から降りてきた。
全員の無事を確認し、ホッとした。
「...何があったんですか?」
「あいつらが急に家ん中入ってきたから俺がボコった。」
「もう少し詳しくお願いします。」
伏屋は食い気味に鯖木から話を聞き出す。
「まずリビングでテレビ見てたら急に窓の割れる音がしてよ。」
「いつ頃ですか?」
「...夜中の1時...です。」
「...まあいいでしょう。それで?」
「この三人が押し掛けて来た。」
「何か言ってましたか?」
「ナイフを見せつけてから動くなって言ってたましたよ。」
「だから俺がボコった。」
「.....。」
(武装した三人を相手に無傷...)
「警察ってそんな強いものでした?」
「俺は教えて貰ったこと全部覚えれたからな。」
「ところで、伏屋君の隣の方は誰?」
深海は鯖木の後ろに隠れながら聞く。
「あぁ、申し遅れました。
僕は伏屋の同僚、国笠流通の縄渡陽水と言います。」
「流通会社?伏屋の仕事は私達の管理と言っていましたが...。」
熊面は首をかしげていた。
「まあ、そんなことはどうでもいいじゃないですか。」
「ところでこの人達は何がしたかったのか分かりませんね。」
縄渡はへらへらと話を逸らす。
「僕のほうで預からせて頂きます。」
縄渡は三人を回収し、シェアハウスの前の車の中を漁る。
「通信機か?」
縄渡が見つけたのは小型のインカムだった。
『奴らの誘拐できたか?』
「.....。」
伏屋と縄渡が目を合わせる。
『.....。』
インカムの向こうにも沈黙が流れる。
『なるほど.....期待外れだったようだな。』
『ならばこれだけ伝えよう。
隠したい闇なんてそう簡単には隠せないよ。』
ブチッと通信を途絶えさせる音がした。
「敵の狙いは....」
「あぁ、間違いなくあの四人だ。」




