ケダマ退治
少し書き直しました。
ケダマ退治の為に僕はゆーちゃんと王都の西にある森へと足を運んだ。
綺麗な森だなー。こんなところに本当に魔物なんているんだろうか?
そう思えるくらい自然豊かで、ここで昼寝できそうなほど平和な森だ。
一応、魔物らしき気配は感じるけど、村周辺の森に比べて威圧感を持った魔物はいないようだ。
ケダマを探して森を進んで行く。ん? あそこから魔物の気配を感じる。ケダマかな? よく考えたら僕はケダマの姿が分からない。
「ゆーちゃん。ケダマって見たことある?」
「ない」
そうだよね。こんな小さい子が魔物なんて見たことあるわけないよね。
しかし、本当に静かな森だ。長閑な時間が流れる……。草の茂みに魔物がいなければの話だけど。
僕は石を拾って茂みに投げると魔物が飛び出してきた。こいつはゴブリンか!
僕は、一撃で仕留めるために首を狙う。ゴブリンの首はアッサリと落ちる。きっとゴブリンには何が起こったのかもわからないままに絶命しただろう。
魔大陸のゴブリンよりも弱いか? と思ったが、ゴブリンならこんなものだろう。
僕は、浄化の灰をゴブリンにかけてみた。どうなるのかと思って見ていたら、ゴブリンの死体が燃え始めた。燃えつきたあとには小さい魔石とゴブリンの骨? らしきものが残ってあった。
なるほど、これが素材ってやつか。こうやって残るのか、なんて便利なんだ。うちの村なら魔物の肉も利用してたから、なにか新鮮だな。
でもゴブリンは肉も役に立たないから、燃やしていたからゴブリンはただの邪魔な魔物だったんだよね。
「みーちゃん。なんでまものわかったの?」
「ん? 生体感知だよ。人間なら使えるでしょ?」
「ゆーちゃんつかえない。つかってるひとみたことない」
え!? 嘘でしょ? 僕の村ではみんな使っていたよ?
「みーちゃんとくべつ?」
「違うよ。ゆーちゃんもいつか使えるようになるよ」
む。また茂みに魔物がいるな。出てくる前に倒させてもらうかな。
僕は茂みを切りつけると全身毛まみれの魔物が、小さなうめき声をあげて絶命した。
なるほど、これがケダマか。ちょっとかわいいね。
強さはゴブリン以下かな? こいつに浄化の灰を使ったら魔石以外残らないんじゃないのかな?
ケダマにも浄化の灰を使ってみたら、魔石となぜか燃え尽きずに毛皮が後に残されていた。
「よかった。毛皮が残ってくれなかったら、死体をもって帰らなきゃいけないところだったよ」
あれ? ゆーちゃんは?
ゆーちゃんがいないので探してみると、木の麓でもたれかかって寝ていた。
「……まぁ、起きて僕にひーるを使われるよりは、寝てもらってる方がましかな?」
ゆーちゃんの寝顔を見ながら考える、この子はどうして僕とパーティーを組んだのだろう?
……まぁ、いいか。ゆーちゃんの寝顔が可愛いので、僕は考えるのをやめた。
僕は他にケダマがいないか気配を探っていた。何か魔物じゃない気配を感じる。人間だ。しかも、知ってる奴等だ……。
ゆーちゃんが寝ているのに鬱陶しい奴等だ。
「出てきなよ。本当にしつこい連中だね」
木の裏から、ギルドで2回も絡んでくれていたアホ共が、また現れた。
こいつら以外にもう一人いるけど、そっちはまぁいいや。
「ねぇ、あんたら、何回返り討ちにすれば勝てないって理解してくれるの?」
代表して剣士が僕に迫ってきながら怒鳴る。
「てめぇが泣いて土下座すれば許してやるよ! 今回は、殺すつもりでやってやるよ!」
許す? 何を許してくれるつもりなの? 絡んできてるのはあんたらでしょ?
「殺すのは惜しいから、たっぷり可愛がってやろう!」
ゲスは所詮ゲスってことか。こいつとは、会話する価値すらないな。
「ここなら、魔法が使える。お前みたいな小娘に負けるわけがない!」
確かに僕は、魔法には詳しくないし、使えないから魔法の種類によっては、苦戦するかもしれない。けれど、こいつらには負ける気がしない。だって、弱いもん。
まぁ、こいつらはこの場所でなら僕に勝てると思ってるんだね。全く、前に村に来たバカ魔族を思い出す。でも、あのバカ魔族はこいつらよりは強かった。
どっちにしても、ゆーちゃんを起こしたくないからさっさと返り討ちにするか。
剣士の剣を蹴り砕き、重戦士の鎧も完全に蹴り砕く。魔術師は砕くものがないので徹底的に痛め付けておいた。
なんともアッサリと返り討ちにしてしまった。流石にもう絡んでこないだろう。
三人は顔が腫れて、涙と鼻水で顔面がぐしゃぐしゃになっていたが、ここに放置しておくことにした。仮にも、元ゴールドランクらしいから、死にはしないだろう。
例えもう戦えなくても、もう一人の人がどうにかしてくれるだろう。
さて、僕にはケダマを探すという仕事があるんだ。こんな雑魚に構ってる暇はない。
僕は、人が隠れている場所にお辞儀をしてケダマを探しに行った。
残りの4匹は簡単に見つかったので討伐した後、素材を確認していたら、寝ていたはずのゆーちゃんがゴブリンを見つけて、ひーるをかけて遊び始めた。どうせ毒か回復するだけだと思っていたが、今回のひーるは違った。
止めておけばよかった。
最初は、ひーるをかけられたゴブリンが苦しみ出したから、毒にでもかかったかな? と思っていたが、急に悪寒が走った、ゴブリンの方をみるとゴブリンが立ち上がり「ぐがぁあああああ!!!」と叫び出した。
明らかにさっきのゴブリンとは眼光が違う。目が真っ赤に染まって、体が震え出したと思ったら、いきなり三倍くらいの大きさに膨れ上がった。
僕は、慌ててゆーちゃんを抱え込みゴブリンから離れる。
「ゆーちゃん? 一体何をしたの?」
僕が恐る恐る聞いてみると、笑顔で「ひーるできょうか?した」と言っていた。マジか? ゆーちゃんのひーるにはそんな効果まであったのか。
ゴブリンの叫び声が止むころにはゴブリンの強化が終わっていたようだ。
魔大陸にも、滅多にいない強力そうな魔物になってらっしゃいますが? これどうするの?
僕がそんな風に悩んでいるのもお構いなしに、ゴブリンが僕に向かって猛スピードで迫ってきた。
速い!?
でも、対処出来ないスピードじゃない!! 僕は、ゴブリンの腕を叩き斬るために振り下ろした。
ガキィッ
「な! 弾かれた!?」
硬い、貰ったばかりの剣がいきなり欠けちゃう。でも、本気で斬れば切り落とせそうだ、次は、本気で斬る!
僕はゴブリンの腕を、今度は本気で斬り落とした。よし、斬れた! このまま、首も落とす!!
そう思っていたが、ゴブリンが急に後ろに下がった。僕の剣が空を斬る。
「ちょっと、これ本当に強くない?」
魔物は知能がなく本能で戦うから、死角から来る連続攻撃に弱い。そのためどれ程強力な魔物でもアッサリ倒せることがある。
だからこそ僕みたいな村娘にも魔物が倒せるんだけど。
こいつは僕の死角からの連続攻撃に反応した。いや、逆に本能で避けたのか?……どっちにしても、厄介だなぁ。
「ねぇ、ゆーちゃん? こんなの今までどうしてたの?」
「そのうちよわる……か……」
時間経過か……最後の方にぼそぼそ何か言ってたみたいだけど、まぁ、それはいいか。
ゆーちゃんの言うそのうちが、すぐだったらいいけど、一晩以上だった場合を考えると……。
倒すしかないかな……。
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