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後輩にライダーにされた俺は異世界に召喚されて熱中症になりそうです。  作者: ふうらいぼう


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大惨事世界大戦ーアンナさんはドン引きするー

『ああ、やっぱり貴女だったんですね……? あの醜悪極まる愛を感じない汚物の様な改造は......貴女の、貴女の作品だったんですか......やっぱり......』


……佐枝後輩の声が、テツヲの口から放たれた瞬間、あたしは瞬時に周りの空気が音を立てて軋んだように感じた。インモラルデカの愛人と名乗る迷野森夜という少女に関しても、正直に言えばあたしは死ぬほど怖かった。いや、怖かったという表現は生温い。


フォレストの防人としてあってはならない事だけれど、今までの戦士として培った感が全て吹っ飛び、金切り声と同時に炎で彼女を焼こうとしてしまおうと体が本当に動きかけたのだ。恐らくそれをやった場合、死ぬよりも酷い目に遭ったであろう事が理屈ではなく、魂で理解できた。


でも、これが存在している事がもはや我慢ならなかったし、これがフォレスト領の皆やフィーナやミリアに害をなすのであれば、あたしは助からないでも、せめてここで命の全てをぶつけて火葬してしまいたい......そんな衝動が恐ろしい勢いで脳を焼いた。


ただ、幸いにもテツヲが面倒くさいお客コントを始めて、相手もそれに乗ってからは、あたしにそうさせようと思った気配が極端に減っていき辛うじて足で立っていられるレベルになり、そこからは何だかんだで会話自体は出来ていた。


迷野も……間違いなくあたしの動揺は気づいていたけど、例のインモラルデカ発言以降、あたしを気に入ってくれたというのは嘘ではなかったのだろう。


テツヲは何度もジェスチャーを入れていたし、実際ここで彼女を倒すのは無理だからこそ、無事で帰れそうな選択肢があるなら、そっちに行くべきだ。あたしもそれに同意したから、そのまま会話を繋げつつ、上でお腹壊しているという、おじさんの討伐……というか逮捕に行きかけた。


シャロン王女の救出も成功すると……そう思いかけたのに。佐枝後輩の声が全てを台無しにした。佐枝後輩は……ハッキリ言って、魔女だ。深刻な魔女だと思う。ミリアも魔女だと言っていたけど、最初はテツヲの愛人か何かだと思っていたわ。


でも、実際はライダースーツを制作した事とかもそうだけど、あの良く分からない超空間を生み出す能力だったり、人の何手も先も全てを読み切ってしまうとか……あのインモラルなんだかコズミックホラーなんだか分からない価値観を有している事だったり、挙句に、ひ、人まで巻き込んでお嫁にいけない有様にしようとするとか、空前絶後にも程があった!


ぶ、ぶっちゃけ今だって正直に言えば、非常にお説教かましたい気分で一杯よ。あたしは義務とかが無くて仮に自分が結婚するとしたら、相手とは相思相愛で、結婚式には身内と家族だけで行って、生涯相手だけを愛して最後にはどっちかに看取られ、子供はたくさんほしいなぁ……みたいなそういう価値観なわけだし。


間違っても晴れた草原で、2人で全裸で手を取り合いつつ、「あの御方がー!あの御方の声の元にー!あたし達幸せになりましょうー(゜∀゜)アヒャヒャヒャ!」とか、やるはノーサンキューっ!!


(……しばしの沈黙。テツヲに謎空間で錯乱状況だったとはいえ全裸を目撃された事を思いだし、羞恥心&ノーカウントノーカウントと必死に言い放つ事で、なんか泣きそうな自分を保っている。)


でも、迷野との決定的な違いが1つだけあって、あの佐枝後輩って……


――『人間の都合を聞いてくれるのよね』――


訳が分からない人間卒業の罠はかけてくるけど、拒否しようと思えばできる感じ……。人間の事が、なんか、好きなんだなぁって感じ自体は伝わる。だから、とんでもなく迷惑で大被害を出すけど、邪悪と呼びきっちゃうのはなんか違う様子がある。


迷野だって、「プレゼンしてみせて」とか言ってきたわけだし、人の話を聞かないというわけじゃない。でも、迷野からはそれを感じない。人間が好きなのは実際にそうに違いない。でも、トンボの足ってこんな簡単に捥げるんだと子供が遊ぶのによく似た……関わちゃった時点で、もう何もかも本当に取り返しのつかなくなっちゃうような怖さを感じてしまう。


だから、どっちが良いかと言えば、間違いなく佐枝後輩の方と言わざるを得ないのだけど、でも、今そんな感想は完全に間違っていたと悟った。いつも、あたしやテツヲの前に現れてクスクス笑っている時の様な声なのだ。怒り狂ってるとかそんな事は全くない。


でも……佐枝後輩は目の前の、迷野森夜に対しあらん限りの底が知れない感情を抱いていた。迷野が人間を取り返しのつかない場所に連れていく存在であるなら、佐枝後輩も同じなのだ。というか、テツヲはなんだって、こんなのにゾッコンラブされているわけさ!?(涙)


「俺のシックスパックが……シックスパックが年下の心を溶かしてしまうようなんだ! しかも何れもレイティングさんに喧嘩を売ろうとするような誘惑をするんだ! この世界では気にしないので良いのだろうか!」


……とか、世迷言を言っていたけどさ!? んなわけねえだろう!? 昔話に女性を誘惑する黒子とか、見ただけで男性を魅了する顔の女性がいたとか、そういう話があったけどさ! なに魔女特攻の腹筋ってその新シリーズなわけか!


ようし、だったらあたしも腹筋を鍛えてやんよ! それでフィーナとミリアをあたしの虜にしてやるんだ! 半分錯乱して、あたしは状況を注視していた。すると迷野が心外なみたいな顔で、テツヲ……というか、テツヲの口で喋っている佐枝後輩へ返事をした。


「あれぇ☆ 改造処女君じゃあないかっ☆ しかも……ああ、あれぇ! 僕誤解してたかなあ? 君、こっち来てた……おっと、それぞれの趣向に声を掛けちゃうのは、流石に品が無いかなあ☆ ごめんねっ♪


んー......そうだなあ、呼び名に関しては、手術途中という事で処女ならぬ「改造お楽しみ真っ最中」とでも言い直した方が良い?


でもさあ......専門の君には歪に見えるかもしれないけど、僕には僕の言い分があるんだぜ? だってあの王子様ときたら、魔王怪異の視線を1人締めにしている巫女姫さんを手籠めにするくらいだったら、徹頭徹尾やっちまえば良いじゃん。


これまた『空気? 何それ喰えんの』で定評のあるおじさんにクラッシュされちゃったけど、まあ、それは良いよっ? あれは彼の味だもの。でも、その後がねえ……?


只管退廃じみて、アンニュイな午後ーで欠片も動かないんだもんっ☆ しかも何を考えてるかと思いきや……自分もきっと死んじゃうに違いない、とかお母さんに約束した王様になれなかったなあとか......昔語り昔語り。


こりゃあ、もうダメでしょっ♡ こんだけ魔王怪異大発生中にそんな事やってた日には、結局どっかの魔王怪異に魅入られて同じような事になっちゃったよっ☆


で、挙句の果てに舞台上で面白おかしい戦いをしている演者さんを横合から、興ざめするタイミングで刺しちゃったりするわけさっ! アムロとシャアの最終決戦始まるでみんな、ワクワク劇場に出かけていったら、アムロは半月板損傷でお休みで、シャアは忌引きで欠場とか出てた……みたいなっ?


そんなんなるくらいだったら、ラスボス不在の塔のてっぺん、本人が望んでいた安心に包んであげて、なおかつボスも確保できるという段取りの方が良いと思わないっ?」


そういって、迷野は「てへぺろ☆」という感じに、サムズアップした。すると内部からは時々テツヲの......


「佐枝後輩! 中と内で時間の速さが違うとはどういう事だろうか!? え、誤解なく分かり合える事こそがNTだというなら、此処で私が先輩に私のパッツンパッツンへの愛が分かるまで、何万時間でもネットリと語ってあげますね……だと!?


ああ、後輩! 分かり合おうにも……君の大きく開いたワイシャツの胸元に視線が吸い寄せられ、初心毛まで見えている時点で、男子が学校で見る事等あり得ない……本来はブラがあるはずなのに、それがない……真ん中が見えている時点で、俺はもうおかしくなってしまいそうなんだが……! 


犯罪ではない! 犯罪ではないのに! なのに何故君は机の上にランドセルをおいているんだ!? やめてくれ! インテリアにしては山田先生もいる以上危険すぎるんだ! 絵面がもうアウトなんだよ!


見てはいけない! 肉体以前に本人にこそ価値があるという事で、淑女に対し男は紳士でなければならないのは承知もしている......! しかし、普段仲良しのあの子だからこそ、時々女の子を意識してしまいドキっとしてしまうあの子の……あんな場所が、こんな場所が見えてしまったら! 目に入ってしまったなら!?


男子高校生は脳内フォルダに焼き付けようとしてしまうんだよ! 男子高校生であるからこそ、これは逆らえない性でもあるんだ! このアンビバレンツな感覚! なんという……なんという天国と地獄!


詳しく語るなら、素敵な物が見えて天国かと思ったならば、その瞬間地獄の門が開いてしまう! 仲がいい子だからこそ、艶姿をついチラ見してしまうけど、見ている事に気づかれてしまい、「そういう目で見てたんだ。へえ……胸とか......そうなんだ」とか、こう……潔癖な目で弾劾されてしまったら! 俺は……俺達男子高校生は立ち上がれないんだ! 


ちなみに、女子側の苦悩も機会があれば、佐藤敦子同輩あたりに熱く語ってもらいたい&有識者の皆さんの「うん☆気持ち悪いね♡」という声なんかも聞いてみたいです!


それはそうと、俺は目の前の恐るべき強敵と便意の狭間で、どうして佐枝後輩に切ない男子高校生の癖を暴露させられているのだろうか!? 


書いてる人もさっさと本題に入ろうと思ったら、俺と迷野女史の謎語りで、恐ろしく文章量を取る羽目になって愕然としているぞ!? 衝動的に自動書記状態で作品の執筆始めたくせに今更何を言っているのだろうな!?


まずはトイレに……! トイレに行かせてくれないだろうかっ!?」


……という声が聞こえてくるのが、カオスを極まらせているが、佐枝後輩が操るテツヲは嘆かわしいとばかりに宙を仰いだ。


『......貴女は何1つ分かっていないのですね。安心を求める人物に安心を強引に渡してしまい……そのまま閉じ込めてしまう。ええ、ある種の救いが確かにソコにはあるでしょうね。でも、話はそこでお終い。閉じてしまう。


後に残るのは品性の欠片も無い、己が夢を見続ける為だけに周囲をむさぼり続ける言うなれば、世界を貪るシロアリに過ぎません。そして、シロアリはやがて『あだしぎり』だの、勇者だの......いわゆる、英雄様に駆逐されて終わるのみ。


なんですかそれ......? 改造とは……改造とは人を新たな境地へ導く崇高なものでなければなりません......! 貴女のやってしまった行為とは、まさに昆虫が適当な獲物に対し、己が卵を産み付けて増やした程度の愚行に過ぎない……!


淑女が殿方を……そして、同じく淑女を導くには……(ちら)』


こっち見んな!?(泣)


『本当はもう溺れてしまいそうなんでしょう……? 溢れてしまいそうなんでしょう……? ああ、なんてイケナイ人。貴女も深山先輩を見つめながら、同時に貴女が愛を捧げる人たちを見つめながら……理解しているのでしょう……? 自分自身も改造されてみたいと……! 己を解き放って下さい! エッチであるのと同時に気高い感じに……あ、勿論、エッチなのは殿方には分からない様に……手術しますよ♡』



……とか、相手と話しながら、同時にこっちの脳内にも話しかけてくんなぁぁぁ!


同時に、あたしも何で……なんで、心の一部が……! 下腹が熱くなんか蕩けるとか……ああ、なんでもないなんでもない!? そんな、あたしの苦悩すら見透かした声で、佐枝後輩は天を仰ぐ……!


『......愛ですよ……! 愛こそが必要なのです! この深山先輩の腹筋を包むパッツンパッツンのライダースーツ然り……! 私はこれにより深山先輩に私の全てを躊躇いと恥じらいの中曝け出し、深山先輩はそれに応えるように、私にあんな姿やこんな姿を見せてくれている......! 


表に出してはいけない。あの子は大事な人なのだから、こんな感情を向けてはいけない……! 今の深山先輩が体感している懊悩をごらんなさい! これこそが全ての答えなんです! 美しいでしょうっ!? ええ、私だって恥ずかしいのです。けど、深山先輩にそんな私の全てをパッツンパッツンを愛する私の全てを、躊躇いつつも開示していく。


2人はこれにより更なる高みへと至る……! 私達は無限に見せ合い続ける間柄……! 唯一の難敵でありつつも、私の友人でもある遠藤先輩が対抗馬足り得たのも今や昔の事......! あ、当然油断はしていませんけどね?


ええ、勿論恋愛だけに限りませんよ……? 届いてはいけない、しかしどうしても手を伸ばしてしまう、そんなアンビバレンツな感情を抱いた人にそっと手を差し伸べてあげるんですよ……!


曝け出しても良い……! 目の前でアラレもない姿を出して? 貴方の最も恥ずかしい癖を見せて下さいなと告げるのです。これには互いの愛が必要です。愛があるからこそ、そんな行為に及ぶ事が出来るんです。


しかし……ここで、あっさり下ってしまう様な人を私は認める事は出来ない。愛は通じ合った……! お互いに愛し合っているんだ、それは間違いない!


でも、愛しているからこそ軽蔑されてしまったらどうしよう……! この愛を失ってしまったら、愛している人にこそカッコイイ姿を見せたいというのに! あの人は私の見せたくない部分を、それこそを見たいという! 見せて良いのかなそれともイケナイのかな......!?


ああ、まさにパッツンパッツンになったその時に、とうとう泣いてしまうようなタイミングで限界を超え、思わず見せてしまった時に、涙と一緒に感じるであろう......罪悪感と恍惚と、そしてそれでも愛していると抱擁してくれる存在の愛しさ……!


私は、改造とはそんな果てのない愛を育む行為であるべきと考えます。貴女はかの王子を改造するのであれば、安心を安易に与えるべきではなかった......!


母の胎内へ還れそうで還れない。でも、ちょっと手を伸ばせば目の前の手術者の手を取ってしまえば、それが手に入るのに……そんなギリギリの線でどんどん人が花開く姿を愛でるべきだったのに。


そういった愛があるならば、あの様なキューピー達磨クッキングちゃかっちゃっちゃっちゃみたいな、惨めな有様にはならなかったはずです……。私は深山先輩と育み、永遠の時を絶賛過ごし、改造処女→改造お楽しみ真っ最中→改造やりまくりへとメタモルフォーゼする予定ですが。


もしも私が彼を改造するのであれば、私は彼を改造人間バブミスキーへと変貌させたことでしょうね!

恥を知りなさい……!』


……佐枝後輩が何を言っているのか、あたしにはサッパリ分からなかった。同時にでも、佐枝後輩に突っ込める事が1つあるとしたら、その......ええと、アンタがその劣情とか憧憬とか向けているテツヲ。心なしか、声が本格的に死に始めているみたいだし。パッツンパッツンなお腹を抱えているその姿は、流石に可哀そうになってきたぞ!?


やがて、迷野は感嘆したように頬の汗をぬぐった。


「いや、恐れ入ったね……☆ そうか、ギリのギリを敢えて責める……♪ 君は……君はまさに、愛を知って、いよいよ改造やりまくりへと一歩足を進めるつもりって言う事なんだね……♡


ゴアスクリーミング至上主義者の僕としては、放っといてもどのみち魔王怪異に喰われてしまう程度の人間ならば、慈悲の意味も兼ねて、これからも改造し続けるだろうけど……☆


というか、あの王子君には君が言うほどの愛とか、別になかったしなあ……?」


『愛が無かった......?』


「うーん。残念ながらっ☆ つまんないっていうのと、ボス調達しなきゃって義務感だけかなあ☆」


『じゃあ、仕方ないですね』


「仕方ない」


「「はははははは☆\(^o^)/」」


……あれ、お互い分かり合えた!? ちなみに、この間まだテツヲは苦悩を続けている。あ、ねえ、本当に大丈夫……? しかし、次の瞬間、両者凄まじい勢いで飛びのいた。え、今更戦うの!?


「どっちにしろ改造お楽しみ真っ最中君は、僕とは根本的な所で相容れる事は無いわけだしっ☆ 君の哲学は哲学として胸に刻んでおくから、此処で始めちゃおうか☆ 大惨事世界大戦っ♡」


同時に、何処からかドラム缶の様な形をしたメカ後輩とマジックで書いてある、クラシックロボットがワラワラと出現した。やがてテツヲそっちのけで、佐枝後輩が微笑んだ。


『それはこっちも同感ですね。探偵もたまには死んでみるというのも良いかもしれませんよ♡ 私と深山先輩の愛の力を……愛が世界を救う様に膝を折るがいい魔物風情……♡』


ドラム缶型メカ後輩が、あたしを担ぎ上げ、すごい勢いで最上階へ向かう。ついでにテツヲの「おいてかないでくれぇぇ!?」という声が、ドップラー効果で聞こえた。ここに魔女同士の決戦が便意を抱えたテツヲと、私も最後には改造されちゃうんだろうかという苦悩そっちのけで開始された……!










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