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轟き照らすは金の龍  作者: 火蛍
アルケミック・アライバル
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118/118

熾烈

 アルムとアルジェはホワイトレオキメラと相対し、にらみ合う。

 アルムは拳を強く握りしめ、力が戻っていることを確信すると全身から電気を放出して即座に強化形態へと移行した。

 青白い電気がバチバチと音を立てて弾け、右足に溶け込んだ銀色の鱗がキラリと光る。


 アルムは瞬間的に加速をかけてホワイトレオキメラへ飛びかかった。

 その巨体はまるでワープしたかのような挙動でホワイトレオキメラに肉薄し、膝蹴りがホワイトレオキメラの真芯を捉えて軽々と吹き飛ばす。

 アルジェはその隙に冷気を放出して周囲を冷却し、ホワイトレオキメラの放つ熱気に備えた。


 アスファルトに叩きつけられたホワイトレオキメラは勢いよく立ち上がるとそのままアルムに組みついた。

 アルムの放電による接近拒否をものともせず、ホワイトレオキメラはアルムの首筋へと牙を突き立てた。

 牙は鱗の守りを突き破り、アルムの首の肉へと食い込んだ。

 アルムは全身を電気化して組み付きから抜けるとホワイトレオキメラの背後に回って肉体を再構築し、尻尾の一振りでその背中を切りつけた。

 反撃こそ喰らわせたもののアルムの負った傷は深く、首筋から血が滴り落ちる。


 ホワイトレオキメラは手負であることを意にも介さずアルムへと襲いかかった。

 そこへアルジェがすかさずカバーに入り、肩からの体当たりでホワイトレオキメラを弾き飛ばす。

 アルジェはそのまま氷の槍を無数に生成するとそれをホワイトレオキメラの背中に付いた傷を狙うように射出した。

 ホワイトレオキメラは熱気を放って氷の槍を蒸発させ、アルジェの追撃を打ち消すがアルムとアルジェの二体はすでに眼前まで迫ってきていた。


 アルムが先行してホワイトレオキメラの眼前で上に垂直上昇し、視界を引きつけると立て続けにアルジェがホワイトレオキメラの死角から打撃を浴びせかける。

 そのまま流れるように冷気を浴びせかけて鬣を凍らせると背後からアルムが急襲を仕掛け、打撃の衝撃で凍った鬣が粉々に砕け散った。


 『アルム、今が狙い所』


 アルジェはホワイトレオキメラに肉薄したまま頭を押さえつけ、背中の傷がむき出しになるようにするとアルムにサインを出した。

 その間もホワイトレオキメラは容赦のない殴打をアルジェに浴びせかけて抵抗した。

 鱗が凹み、ひび割れ、削げ落ちようともアルジェは決してその手を緩めない。


 アルムは空中に移行すると電気を溜め、それを解き放つようにホワイトレオキメラの背中に目掛けて体当たりを仕掛けた。

 閃光の如き一撃はホワイトレオキメラの身体を貫き、胸部から腹部の真芯に大穴を開けた。

 アルジェが追い討ちの如く大穴から冷気を吹き込み、ホワイトレオキメラの肉体を凍らせるとそのまま一撃を加えて木っ端微塵に粉砕した。


 アルムは戦闘が終わると同時に強化形態を解除し、膝をついて崩れ落ちた。

 ホワイトレオキメラに負わされた傷の位置が悪かったことに加え、強化形態を使用したことによる負荷がこれまで以上に大きくなっていたのである。

 現状では飛んでこの場を去る余力がなかった。


 事態を察知したアルジェはアルムに合流すると周囲を確認し、人の気配があることを察知すると冷気を霧状に放出して視界を遮った。

 雲隠れしたアルジェは霧の中で人間の姿を取ると同時に人間体となったアルムを回収し、速やかにその場を後にしたのであった。

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