プロローグ
現在、午後9時55分。俺はPCを起動させオリンポス専用ゲーム機を出し、運営の発表広場-はじまりの木-に来ていた。
もちろん二人も一緒だ。
「発表って何かな!?」
キラキラした顔でこっちにアヤが話題をふっていた。
「わかんねぇけどよ、明日の朝8時にゲーム一般ダウンロード開始だぜ?それ関係だよな、普通。」
「確かに、でもなんか違う気がするな…」
シンが呟く。
ゴーンゴーン
大きな鐘が鳴り響く、いよいよ発表だ。
『プレイヤー諸君、よく集まってくれた。では、本題に入ろう』
機械音が耳に流れてくる。
『メニューアイコンを開きたまえ。』
プレイヤーが次々にメニューアイコンを開く、もちろん俺もその一人だ。
特に変わったところは、ない…?
『次にメールを見てくれたまえ。』
メールBoxを見ると運営からのメールが来てた。
『ここのボタンをクリックして!』
と、ロり声で可愛い妖精が言っている。
これは…おそらくクリックしないとストーリーが進まないのであろう。
俺は一切の迷いなくクリックした。
意識が持っていかれた感覚がした。
―――ここは…?バッと顔を上げ見渡す。
〔落ち着け、冷静に辺りを見回すんだ。俺の体に異変は無いよ…〕
「って、俺こんな服着てなかったぞ!?」
まさか…これ……俺のアバターの服…なのか…?
「ユウ!いたのか。」
この声は…シン…?
振り返るとシン…のアバターがいた。
〔もしかして、ゲームの世界に引き込まれたのか…?〕
よくよく周りを見てみると、大勢の人々がパニック状態になっている。
メニューアイコンを開き、確認する。
―――セーブがなかった。ログアウトも、なかった。
「嘘だろ…。」
脳内が絶望で埋め尽くされる。
「…ウ…ユウ!どうしたんだ?」
シンの声で目が冴えた。
「シン!セーブもログアウトも、できなくなってる!」
シンから返ってきた言葉はいつも通りの声音で返ってきた。
「そんなことは、もう知っている。あとレベル1に戻ってるぞ、初期装備だしな。」
ホントだ…。唐突に通知音が鳴り響いた。
ピロリン♪運営からのお知らせです。
急いで、開くと驚く文章が書かれていた。
『どうも、運営です。プレイヤーは、このゲームをクリアしてください。出ないと現実世界にかえれません。攻略するには、冥王ハデスを倒してください。健闘をお祈りします。』
「シン…」
「ん?」
俺は現実世界に帰りたい。だから…
「倒そう、ハデスを!!」
「当たり前だ、さっさとこんな世界からおさらばだ。」
そーいや今更だけどアヤは?
「シン、アヤについてなにか知ってる?」
「それがこっちもまったくわからない、データも初期化されたからな。」
くそっ…アヤと一刻も早く連絡を取りたい。そうしたら、パーティー組んでさっさとバトルに行くのに…。
「はぁ、仕方ない。アヤを探しつつレベル上げの旅に出よう。行くぞ、ユウ。」
「おう!行くぞ、アヤを探す旅へ!」
-――こうして俺らの旅は始まった。―――




