62話『文化祭前日』
今日はもう文化祭前日だ。あれから毎日問題なく準備が進み僕達がやる恋愛迷路は組み立て段階に入った。
組み立ては簡単だし、長嶺さんもしっかり見てくれているので問題なく行きそうだ。お題の方もカップル達へ面白いものを提供出来そうだ。
明日から2日間土曜日と日曜日に文化祭が開催される。初日は生徒と家族、親族の方が中心だ。翌日には一般公開となる。
僕の両親は明後日の一般公開で来るらしい。
「相澤君、明日の休憩時間一緒に回らない?」
誘ってきてくれたのは麻那辺さんだった。
特に用事も・・・あ、一つだけあるけどそれ以外はないから多分大丈夫なはず、見回りも僕らは初日にはそこまで多くないので平気だ。
「明日なら大丈夫だよ」
「よかった、明日はお願いね」
麻那辺さんは返事を聞くとそのまま作業に戻って行った。
その後僕と長嶺さんは文実としての方のミーティングに向かう。
「いよいよ明日から文化祭が始まる、みんなも文化祭を楽しみたいだろうがよい文化祭になる為にも協力してください」
生徒会長が皆を鼓舞する。初日は自分たちの時間が確保しやすくなっている。その分2日目は頑張ろうと思ってる。
僕達の見回り時間は初日が開始直後から昼まで、次の日がお昼少し前から2時くらいまでだ。
その他にもクラスの方にも行かないといけないので結構忙しいかもしれない。
ミーティングを終えて教室に戻って来たらクラスの外でみんなが盛り上がっているところだった、どうやら完成したようだ。入り口には看板で恋愛迷路の看板があるしいいものが出来た。
「完成したし試しに入って見てくれ」
「おうよ、相澤と長嶺は是非とも試して見てくれ当日は忙しいだろうしな」
大樹やその他クラスメイト達が胸を張って言ってきたので入ってみる。
ちなみに恋愛迷路と書いてあるからカップルのみかと思うが1人でももちろん入れる。
長嶺さんを連れて入ってみる。入って見てわかったが凄いピンクだ。語彙力がないけど気にしない。だって入った瞬間に左右の壁がピンクで花が咲いてるんだもん。秋のはずなのに春が訪れたかのようだ。
「凄いな〜こうやって1つの壁となるといい感じだ」
「そうだね、所々好き勝手書いてあるから面白いしね」
そうやって長嶺さんが見てるのは相合傘。このクラスのカップルの名前が書いてある。随分すごいことを書くもんだ。
それから迷路を進んでいくと行き止まりにぶつかった。お題箱があるのでそれを引く。
中身は『手を繋いでゴールする』だった。
「しゃーないな、相澤ほら」
長嶺さんは手を出してくるので僕もそれを取り出てきた道を引き返してゴールした。
出る直前に手は離した。
「おかえり、玲央どうやった?」
「凄かったよ」
僕達の出し物『恋愛迷路』完成!!
「みんなおつかれ、明日から2日間楽しんで行こな~!」
「「「おおー!!」」」
みんなのやる気は充分だ。明日の本番しっかりやり遂げよう。
その日の夜、僕と携帯に2通のメールが来てた。
麻那辺さんと長嶺さんからだ。
麻那辺さん
内容:明日の文化祭の放課後に答えを聞かせてください。場所は・・・。
長嶺さん
内容:明日の文化祭の放課後に返事聞かせてくれへんか?場所は・・・。
明日が全ての本番だ。まだ2年始まったばかりの頃に起きた出来事から半年しか経ってない。それでもその半年は凄い濃い時間だった。
明日の放課後に全てが決まる。僕の中で答えは出てる。あとは伝えるだけだ・・・明日。
明日は2本連続で投稿予定です。




