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黒峰美樹ーff《フォルティッシモ》、より良い未来を

最終話。

みんなに幸せを。

 ヒロインである彼女が去り、学園はいつも通りの平常にもどった。


 実はあのあと、これまで出したCDを送りまして。その後もCDが出るたびに彼女に贈るのが習慣になりました。ファンレターも届きます。

 なんでも、お世話になった家のお兄さんと結婚したそうですよ。

 ……幸せに暮らしてるようで、安心しました。


 もともと、このゲームのヒロインは不明だった。ゲームでのデフォルト名すらなかったためだ。……だから、彼女が来るまで紙透を調べることも出来なかった。


 彼女の転入から、志貴が彰や駿先輩と連携して調べたところ……出るわ出るわ。紙透の悪行の数々……。

 私は志貴からの又聞きだけど、思いっきり呆れてた。お陰で潰すのが楽だったって……。ちょっと怖いよ?


 まあ、その悪行についても原因は私たちにもあるようで……。


 赤月は彰と姉さんの婚約により、姉さんがはっきりと赤月の後継者として認められたことから、意見が通りやすくなり業績が伸びた。

 黒峰は志貴自身の能力で、同じく業績が伸び、青海も駿先輩がひねくれず、詩との婚約により発言力を増したことで、上がっていっていたらしい。

 それに対抗しようとしてのことだそうだけれど。まあ、同情はできないかな? 自業自得でもあるし。




 まあ、こうして平穏が訪れ、ゲームも終了し、私たちは未来へ進む。

 その後について、すこし触れたいと思う。



 まずは彰。

 18の誕生日に姉さんと籍を入れ、式は卒業後に盛大に行った。ちなみにこの時、すでに3児の親となっていたーー。

 ま、まあ、これについては、赤月および藍川の両親の希望もあったせいなので、おいておきましょう。

 それで、姉さんは正式に赤月の後継者として認知され、彰は自身の作曲家としての道を邁進した。

 私がすぐに曲を奏でることができなくなったので、自分でもピアノを少し弾くようになったんだけれど、やっぱり私を呼びつけて、姉さんのための曲を弾かせるクセみたいなものは変わらなかった……。

 もう、私も忙しいのに!

 ただ、ふたりとも忙しくても仲がいいのはよかったかな。


 次に冬弥くん。

 彼は彰と同じ音大にすすみ、ずっと彰のそばにありました。

 うん。私たちが契約しているプロデューサーさんのところで基本は働いていますが、実質は彰の秘書、マネージャーという役割です。

 彰は私たち用の曲だけでなく、依頼によっていろいろな曲を創るようになったので、そのサポートを中学から変わらずに続けている、ということです。もっとも、彰が創った曲を演奏するときに、パーカッション担当で呼ばれることもしばしば。

 好きなだけ音楽に関われると、楽しそうにしています。

 もっとも、最近はそちら関係で仲の良い子ができたとか?

 そのうち紹介してくれるでしょう。


 続いて駿先輩。

 先輩は卒業後、海外留学にむかいました。

 そして、2年で卒業すると、戻ってきてすぐに高校卒業した詩と結婚しました。

 詩は彰たちと同じ音大に通い、その後も駿先輩の補佐をしながら、作詞も続けています。

 こちらも変わらず、駿先輩のために創った詩を、志貴に歌わせることがよくあったり。

 ……もちろん伴奏は私です。まあ、いいけどね……。

 ふたりとも幸せそうでなによりです。


 夏李くんは、卒業を待たずに留学しました。

 アディが卒業と同時に向こうに戻ったので、一緒に留学という名目でついていきまして。アディの家にホームステイしながら、向こうの学校に通っていました。

 卒業後、こんどはアディのお爺さんの会社と、青海との繋ぎ役をしているようです。

 ちょくちょく日本には戻ってきているんだけど、基本は向こうでの生活になっているようです。

 もちろん、フォルトゥーナやフォルティッシモも活動の時は、大張りきりで演奏してますが。

 ……いまだにアディには勝てないようです。


 ……そして、私と志貴。

 高校卒業後、ふたりで留学しました。

 2年で卒業、日本に戻ってすぐに式をあげまして、今はふたりの子持ちです。

 前世で叶わなかった願い。愛する人と子供たちと、幸せになること。それがようやく叶いました。

 一番最初に彰と創った曲。CDのタイトルにもなったこの曲。

 『愛しき人へ』

 この曲を、私の大切な人たちに捧げよう。


ーー家族に

ーー友人に

ーーそして、私の曲を聞いてくれる、すべての人に


ーーそう、ただ、みんなが幸せでありますように、願いを込めて……

これにて、この物語は終わらせていただきます。

お読みいただいた皆様に、感謝を。

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