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空ノ要  作者: ハレノチ秋
6/6

第6話 シャッフル ディザスター

SCセレクションシリーズが始まり、覚醒したシラデラと学園都市ランキング5位のチトセが猛威を振るう中、安全エリアの縮小が進み、戦場はさらなる混迷を極めていく。

 連戦による消耗の中、感覚で『星還』をモノにし始めるシラデラや、自身の能力を最適化させていくカナメなど、それぞれが最上層トップレイヤーへの怪物の片鱗を見せ始めていた。

 しかし、そんな彼らの休息は一瞬にして奪われる。

学園都市ランキング18位・板橋ニイナが仕掛けた広範囲の空間転移『シャッフルディザスター』によって、生存者たちは強制的に分断され、孤独な戦いへと引きずり込まれるのだった。

 視界を欺く位置入れ替えの術式に翻弄されるシラデラ。

そして遠く離れた別の戦区では、ピンチに陥ったショウマに凶刃が迫る――。

 予測不能のシャッフルデスマッチ。

この理不尽な試練を、カナメたちは生き残ることができるのか……。

【SC 進行状況 4】

生存ユニット: カナメ、ショウマ、ナナネ、チトセ

獲得ポイント: 327pt

生存ユニット、人数: 30ユニット / 199名

現在順位:2位

第2回エリア縮小開始まで1分(安全エリア外でのポイント減少率 -2/2s -100ポイントで強制脱落)



 僕らは次の安全エリアに入っている雪月花第四通常訓練エリアに向かった。


 雪月花第四通常訓練エリア――――


 安全エリアも少しずつ狭まり敵生徒の人口密度が高くなり頻繁に戦闘音が聞こえるようになってきた。


 (チトセさんが1キルしました、ポイント+10pt)

(チトセさんが2連続キルしました、ポイント+12pt)

 (チトセさんが3連続キルしました、ポイント+14pt)


 配布端末からポイント獲得のアナウンスが止まらない、チトセが猛威振っているがユニットの順位は今だ2位のままだった。


「にしてもチトセのやつエグすぎだろ!もうすぐ20キル行けるんじゃないか!?」


「透明化と銃声、マズルフラッシュの100パーセントカットの相性が良すぎるわね」


「ショウマ、お前がボトム(チーム内最下の戦績)だぞ笑」


「おいおい!俺はまだ本気だしてねぇぞ!こっから無双してやる!」


 僕はショウマはからかい笑いの雰囲気を作った、CSが始まってもう1時間経っていた、そろそろみんなも消耗し始めていたため安全な所を探し休憩をしようとしてた。


「いやぁ連戦の後にまた安全へ向かうために歩いて、疲れるよなぁ」


「僕は何故かもう疲れとんだかな」


 普通はみんな疲れるところ僕はすぐに疲れが飛んでいた。


「私はアズールで筋肉の細胞を復元して疲れを無くすことができたわ」


「…ナナネちゃん…それって星還じゃ…」


 チトセが声を震わせそういった。


「あら、そういえばマモルさんとの戦いの傷も治ってたわ、使い方感覚で覚えれたわ、でもまだあまり完璧ではないの傷だって治るのは結構時間かかるみたい」


 天使のハーフを超えるアズール量に加え、星還をセンスで会得するという怪物さ、ここまで来るとシラデラが最上層(トップレイヤー)《学園都市ランキングTOP10を指す》になるのもそう遠くないだろう。


「実は僕も小さい頃から傷とか治ったり、疲労を回復させたりできるんだ、しかも無意識に、もしかしてこれも…」


「…星還ですね……それも極めて出来上がった…」


 僕が持ってた治癒の能力は熟練された星還だったようで、特に無意識に使える者はほんのひと握りだとか。


「さーて!もういっぺんがんばるか…」


 ショウマが立ち上がった瞬間、周りが真っ白になった。

 光はすぐ止み辺りを見渡すとユニットじゃない生徒が4人いた。


「誰や己ら!?」


「あんたら誰!?」


「なんだこれ?なんで平戸がここにいるんだ!」


「こっちのセリフだ、お前敵だろ!」


「なるほど、こんなスカイを使ったやつの目的は強制的に戦闘行為を行わさせ人数を減らすてわけか」


 僕はそう予測した。


「まぁええわ!!ワイのとっておきのワザここで出したるわ」


「そこのオレンジの髪のあんたも使えるわけね、メイも最近覚えたんだから!」


「おい、嘘だろ!?お前ら2人使えるのかよ、俺は使えねぇよ!」


「平戸、ごめん俺も使えるんだわ。」


 (僕も使うしかないみたいだな、空気を読む…いやみんなとまた会うために……)


「フィールドスカイ!《一同》※平戸 ユウマは除く」


 《炎舞!溶鉄灼炎山!》 堺 ワカト

 学園都市ランキング108位


 《カライドスコープフィールド!》 伊奈町 ノノハ

 学園都市ランキング163位


 《ブリンキンクブラインド》松浦 ライト

 学園都市ランキング203位



 《エンド・オブ・ザ・ディメンション》 鶯谷 カナメ

 学園都市ランキング31位


 4人のフィールドスカイが同時に展開される、こういう場合フィールドスカイの強さの比率が高い者のフィールドスカイがだけが残る、しかし本来のフィールドスカイの火力が出る訳ではなく例えば6:1:1:1の場合6の方のフィールドスカイの効果が顕現されるが効果も本来の6割しかでない。


 そして今回は……5:2:2:1僕が5だった、他のフィールドスカイはあまり完成されきったフィールドスカイとは言えないものだった、しかし比率で1番上だったが他のフィールドスカイの比率の合計も5の為中和され誰のフィールドスカイも開くことはなかった。


「中和やと!?」


「マズイわ!なんの意味もなくアズールを大量消費したわ!」


「やっぱこれキツイな…」


 皆フィールドスカイの使用により大量のアズールを消費し一気に消耗したようだ、僕にはまだ1回だけ使用できる余裕があった。


「フィールドスカイ、エンド・オブ・ザ・ディメンション!」


「なっ!」


「2連続使用!?」


 今回の使用は誰一人もフィールドスカイを使用しなかったため僕のフィールドがこの辺りを制した、そして周りの空間が不安定になりゆがみ始めた。

 10秒ほど経ち見えない斬撃が次元を諸共斬りフィールド内にいたものは全員脱落になった。


 (カナメさんが3連続キルしました、ポイント+36pt)


「あと一人は…逃げたか」


 あと一人は多分フィールドスカイを使えなかった平戸だろう、他3人はフィールドスカイを使用して大量のアズールを消費したことで逃げる余裕がなかった。

 僕はアズール量が多いというわけではないが、フィールドの広さ、火力を最適に調整してアズールのロスを減らしたのだ。


 (恐らく、他の生徒も僕みたいに5人同士でやり合ってる感じか…みんな頑張って生き残ってくれ、とりあえず通信で連絡を…クソなんだこれ、通信障害のセットか)


 一方シラデラは…


「…ここは?」


「ひぃ…知らない人…いやあなたは知ってます」

 銚子 ヒヨリ 学園都市ランキング94位


「なんでヒヨリここにいるの?」

 美浜 シナ 学園都市ランキング90位


「おいおい!なんでミーの周りにウーメンが!?ハーレムてやつか!?」

 日立 ナオヒト 学園都市ランキング402位


「さて、仲間抜きの戦いといきましょうか」

 


 1人だけオーラが違う女子生徒が物騒な事を言った。


「へいへーい怖いぜそこの嬢ちゃん!あんた何者だい!」


「実は私がやったんです、この入れ替えは」

 板橋 ニイナ 学園都市ランキング18位


 この入れ替えの災害の原因はこの人、板橋ニイナによるものだった。


「何が目的な訳?」


「それはもちろん強制的に生存者を減らすことよ」


「ヘイヘイ!こんな広範囲な技結構アズール使うんじゃないかい!」


 みんなの警戒な視線がニイナに集まる。


「もう話はやめにして戦いましょう、仲間達が待ってるの」


「そうだね、ヒヨリも遠慮なくかかってきなさい」


「わかりました…負けた方はスイーツ奢りね」


「じゃあミーが勝ったらキミらはミーのガールフレンドだ!」


 1人だけテンションが場違いなやつがいる、しかしそんな事聞いてる者はいなかった


「まずは、あなたニイナさんからやらせてもらうわ」


 シラデラ自慢のフィジカルで瞬時にニイナに近づきアサルトライフルのストックで叩きめそうとした瞬間シラデラは違う場所にいた、そこはシナがいたところだった、そしてシナはニイナの目の前、シラデラが居た場所にいた。


「なっ!?なんで目の前に!」


「お腹が無防備だよ」


 瞬時の出来事に理解が追いつかないシナに間近でニイナはサブマシンガンをシナに向かって撃った


「きゃぁ!!いきなりなによこれ!スカイ《クラスターラプチャー》」


 シナは攻撃を避けることはできなかったが、スカイを使用し周囲に爆発が起こりなんとか距離をとった。


「み、ミーはやっぱ逃げさせてもらうわ!アディオース!」


「逃げるのはつまらないですよ…」


 スカイ《フレイムタワー》 ヒヨリ


 ヒヨリが逃げるナオヒトに手のひらで触れると、ナオヒトの真下から火柱が生成され高温度の炎がナオヒトを襲った!


「ヴぁぁ!!あっちぇ!!!」


「これで…10ポイント…」


「たくよ!熱いじゃねぇか!ミーの肌が黒くなっちゃうじゃないか!」


 火柱の中心温度は200℃を超える、しかしナオヒトはほんのちょっとの火傷ですんでいた。


「え、あなた何者ですか」


「へへん!ミーのスカイは《ビューティフルアンドミー》!自分の美しさとかっこよさの為なら無理してでも保って見せるぜ!」


 ナオヒトのスカイ《ビューティフルアンドミー》は自分の容姿の為ならそれを保つ為に圧倒的な身体強度の向上を行うもの、特に火傷や顔に対する攻撃といったものの攻撃手段は容姿を汚すような攻撃に打たれ強くなる。


「ミーはキミみたいな強くて冷静なガール好きだぜ!ミーと付き合ってくれ」


「な、なんですかあなたは…!怖いですよ!少し本気でいかせて貰いますよ」


 スカイ《ボルケーノナイン》


 ナオヒトの周囲9方向に火柱が出る前兆の火の粉が舞い始めた。


 「痛みは感じるだぜ……!?あっちぇぇぇぇ!!!ベリーホット!!!」


 9つの火柱が合わさり中心温度はあ1000℃越え、ビューティフルアンドミーの身体強化と回復は追いつかずそのまま消し炭になったナオヒト。


「全く…変な人でした」


「そうね変な人だったわね、また会わせてあげるわよ、あの人のためにも」


 シラデラはヒヨリがナオヒトを仕留めた途端に目の前近づき囁いた、そしてすぐに蹴りを飛ばしヒヨリを一撃で仕留めかえした。


「グゥ…!?」


 ヒヨリは吹き飛ばされ先の森へ吹っ飛ばされた、そして配布端末からキルポイントのアナウンスが流れた。 、あっけなく一撃で仕留められた。


「ヒヨリちゃんがやられたのね」


「次はニイナさん、あなたよ」


 再びシラデラはニイナに襲いかかる、しかしまた場所が変わる。


 次に変わったのはニイナとシナの場所、シラデラの拳は入れ替わったシナにヒットした。


「ま、またぁ…!?」


 シナも森の方に吹き飛ばされ一撃ノックアウトだった。


 (シラデラさんが1キルしました、ポイント+10pt)


「やっとタイマンね」


「やっぱりシラデラ先輩は強いですね、ずっと見てた中で1番強いです♡」


「は、はぁ…?」

 

 突然ニイナの態度が変わり始めていた。


「覚えてないんですか?あの時私が男子に絡まれて助けたことを」


「えーと…あ、もしかしてニイナさんこの前エルの時の……」


「はい!覚えててくれたんですね、この広範囲の入れ替えだってわざと私と先輩と同じ場所になるように仕組んだんですよ」


 ニイナの気のしれないシラデラは銃を構えアズールを込め撃った。


「本気で来てくれるんですね!」


 しかし撃った瞬間ニイナがいたところに入れ替わりシラデラが撃った自分自身の銃弾にヒットした。


 「クッ…」


「あまりこの手段で先輩を倒したくないですよ、ポイントも入らないし…何より自分の手で倒したいので♡」


「あなた、広範囲の入れ替えしてすぐの時とは随分態度が違うわね」


「それは他の人にこんな醜態見せたくないですから」


「この試合が全国中継てこと知らないのかしら」


 ●REC――視聴者数 82万人


 今の視聴者多く見えるが、普通よりちょっと多い方だ、82万人の視線が注目生徒が映るカメラ視点に向けられる。


「別に観戦客の有象無象はどうでもいいんです、さてシラデラ先輩戦いましょうよ♡」


 シラデラは地面を強く蹴り再びニイナに攻撃を仕掛ける、銃では撃っても入れ替えられ自分が自分で攻撃をすることになる、シラデラは肉弾戦のみで戦うことにした、元々覚醒したシラデラはそっちの方が得意だ。


「やぁっ!」


 殴り掛かる瞬間またもや場所を入れ替えられる。


「全く、その入れ替えどういう仕組みなのかしら」


「それは秘密ですよ、スカイの持ち主にとって一番の脅威はその詳細がバレることですから」


 上位帯の生徒は言うまでもなくほか生徒よりスカイの大まかな情報が広まってるが発動条件といった詳細な情報はあまり知られてないことが多い。


「まぁキリがないなら逃げるまでよ」


「えぇー!!ダメです!戦ってくれないと!」


「もう仕方ない…あら、ニイナさん後ろの狙撃銃から狙われてるわよ」


 ニイナはシラデラの言葉に気を逸らされシラデラが指さした方を見た、その瞬間に足にアズールを集中させさっき脱落させた2人が飛んでった森へ瞬時に逃げ込んだ。


「ちょっと先輩!どこ行くんですか!……深い足跡ですね、森に逃げたのバレバレです……森ですか…」


 ニイナは少し嫌そうだが愛情が勝り渋々森へ足を運んだ。




「せんぱーい、どこですかー?」


「入れ替えてみればいいんじゃないかしら?」


「とりあえず顔は合わせましょうよー!」


 シラデラはニイナの近くにある木の上に隠れ会話をしていた、試しにバレないように銃を撃ちすぐに隠れた。


「キャッ!?もうどこですか!」


 さっきのように撃っても入れ替わることはなかった。

 ここでシラデラは1つの仮説が思いついた、それはニイナの視界に映らなければ近くにいても入れ替わることがないということを。


 (バレずに一撃で仕留める!)


 シラデラは静かに木から飛び降り渾身の蹴りをお見舞いしようとした、しかしタイミング悪くニイナはアレを使用した。


「もうでて来ないなら無理やり入れ替えるまでです!フィールドスカイ!《パラノマ・ランデヴー》」


 ニイナが手を上げ地につける、その瞬間半径約60mに薄いピンク色のフィールドが形成された。


「さて、もうどこに隠れても無駄です、入れ替え《ロケーション・エクスチェンジ》」


 パラノマ・ランデヴー、これはニイナのフィールドスカイであり入れ替えのための条件"視界内"のみ対象という条件無くし無条件でフィールド内なら入れ替えることができる。


「はっ!?入れ替わった」


「なるほどーここにいたんですね!」


「全く執拗なのね」


「えぇ!多分バレてると思うですけど私のスカイは視界に写っている者の位置を入れ替えることなんです、でもフィールドスカイで無条件でできるようになったんです!」


 シラデラの予想はあっていたようだ、しかしフィールドスカイの中ではどうしても展開者の優位からは逃れられない。


「あなた結構フィールドスカイに長けてるタイプなのね、入れ替え災害シャッフルディザスターも含めこれも」


「褒めてくださるんですね!ありがとうございます!!」


 シラデラはこのフィールドにいて気づいた、今いるフィールドはかなりの出来の良い物だと。

 フィールド内では何重にもアズールの壁があり展開地点に近ければその壁は厚く強度が増すがその強度自体もその人次第。

 ニイナはずっとシラデラの攻撃を入れ替えで避けつつ攻撃をする、シラデラの星還では回復が追いつかないほどの攻撃だった。


「くっ、まずいわね……」


「わわわ!ごめんなさい先輩!痛いですよね、そろそろ終わらせるので♡」


 何度も入れ替えられダメージを受けそろそろあのシラデラでも少し消耗してきた。


「やっぱり私、ひとりじゃ無力なのね……私はひとり…」


シラデラが弱音を零した瞬間だった。


 (そんなことはない!!僕がいるし、みんなもいる!)


 1本の刀がシラデラの近くの地に刺さる、その瞬間ニイナのフィールドスカイは崩壊した。


「この刀は…カナメくん!」


「ごめん遅くなって」


 何とか僕はシラデラと合流することができた。


「だ、誰ですかあなたは先輩とどういう関係ですか!!!??」


 ニイナが人差し指を僕に向け大声を出した。


「シラデラ、この子誰なんだ?」


「前に助けた後輩よ、少し私に対する愛が重いのよ……ちなみに彼女のスカイは視界に写る者の位置入れ替えよ(小声)」


 僕の打ち消しのスカイは入れ替えのような即時的なスカイをある程度の間があるようなもの以外は打ち消すことはできない。


「刺さったままだとしたら?」


「……実質的にスカイ使用不可…………もしかして、シラデラさん?」


「その刀、私でもスカイは打ち消せるかしら?」


「……あぁ、刀そのものがスカイを持ってるようなもんだから……」


 そういうとシラデラは僕の刀を取りニイナの方へ駆け寄った。


「先輩!近寄ってくださるんですね!!無駄ですけどね!」


 ニイナが入れ替えをしようとする、その瞬間シラデラは自分自身に僕の刀を突き刺す。


「くっ…」


「何をしてるんですか!?先輩…あれ入れ替わらない……!?」


「あら?どうしたのかしら?」


「やばっ…」


 そのまま入れ替わらずシラデラはそのままニイナに拳を振ろうとしていた。


「勝てる……!」


 自分の体に僕の刀を突き刺し、スカイを強制的に『不発』にされたニイナは、完全に虚を突かれた顔で硬直していた。


「嘘……入れ替わら、ない……っ!?」


「これで、おしまいよ!!」


 ドゴォォォンッ!!!


 シラデラ先輩の自慢のフィジカルから繰り出される、容赦のないストレートがニイナさんの腹部にクリーンヒットした。凄まじい衝撃波が周囲の木々を揺らし、ニイナさんの身体は木の葉のように遥か後方へと吹き飛んでいく。


 (シラデラさんが1キルしました、ポイント+10pt)


「結構手こずったわ…ありがとうカナメくん」


「それより刺した傷大丈夫か!?」


 自ら刀を刺した部位からは大量の出血をしていた。


「くっ・・・」


 そんな状況で無理にシラデラは刀を抜いた。


「おい、無理に抜いたら…」


「……よし、止血されたわ、傷ももう大丈夫」


 シラデラの傷は刀を抜いてすぐ塞がっていた、確かにシラデラはいつの間にか星還を会得していたのは聞いていたが、ここまでの再生速度は滅多にいない、僕も一応星還を会得しているらしいが意識して回復したとしてもあれほどの傷はかなりの時間を要する。


「それより見て、第2回のエリア縮小がとっくに終わっていて次の縮小までは3分後よ」


「そうだな、脱落通知はまだ来てないし二人ともなんとか生きてるぽいな」


 【SC 進行状況5】

生存ユニット: カナメ、ショウマ、ナナネ、チトセ

獲得ポイント: 409pt

生存ユニット、人数: 21ユニット / 138名

現在順位:2位

第3回エリア縮小開始まで3分(現在安全エリア外でのポイント減少率 -5/2s -100ポイントで強制脱落)


 『墨田 リンさんがハットトリックを達成しました(単独3ユニット壊滅)ポイント+300pt※この通知は全生徒の配布端末に届いてます。』


 その通知に僕は唖然とした、ユニット系の公式戦で3ユニット単独壊滅はこの競技ではハットトリックと呼ばれており、これを達成できる者は滅多にいない。


 画面に表示された『ハットトリック達成』の文字が、じわじわと僕の脳を侵食していく。

 3ユニット単独壊滅。言葉にするのは簡単だが、この競技においてそれは、12人以上の猛者たちをたった一人で、それも文字通り『塵一つ残さず殲滅した』ことを意味する。


「……900、いや、キルポイントを合わせれば大台の1000ポイントを超えているかもしれないわね」


 ナナネちゃんが、止血されたばかりの脇腹を押さえながら、苦い表情で僕の端末を覗き込んできた。


「仮に墨田会長のユニットが全滅したとしてもUCS出場は確定ね」


「どうする?これからは」


 僕とシラデラは向かい合いながら考えた。


「チトセちゃんは多分大丈夫、心配なのはショウマくんのほうね」


「ショウマもきっと生きてるはずだ、あれでも学園都市ランキング17位なんだぜ」


「そう、私にはそうは見えないけど…」


 確かに何十万人もいる生徒がいる中あれで17位なのも疑ってしまうのも無理もない、でも実はアイツには隠された過去と能力があるんだ。


「実はアイツな、今と違って昔はあんなに明るくもないし優しくもなかったんだ」


 (神田ショウマさんが脱落しま……⛌⛌⛌⛌⛌⛌……無効……)





 


「こいつ確かあの二年で有名の神田ショウマじゃない、倒せてラッキー」


 (鳩山 カエさんが1キルしましたポイント+10pt)


「さて、チームのみんなに再開するのよ私」


 《10…9…8》


 そこに倒れていたのは槍で貫かれた、ショウマだった、ピンクリもせず完全に死んでいるように見えた。


 (そろそろボトムは卒業しようかな…こういう場ぐらい本気で行ってもいいだろ)


 《7…6…5…4…》


「あ、みんなに会う前にマップの確認と…」


(足を引っ張りぱなしじゃカッコつかないしな、俺は決めたんだあいつらでUCSに出るって、俺の選択は…)


 《3…2…1……》


(あぁ…復活だ!!)


 【スカイ ノーデッド・ノーデッドライン】


 急速にショウマの傷跡が塞がり、体の細胞が蘇る。


 (……鳩山 カエさんのキルポイントが無効になりました、ポイント-10pt)


「ちょっと、何よ!これ!」


「…ヘヘッ、カエさんよ、おはよう」


 カエが先程いた所を振り返ると、自ら葬ったはずの亡霊がそこに立っていた。


「どういうことなの、あんた何者」


「俺は、雪月花の亡霊だ……!」




 第7話に続く……

読んでくださりありがとうございます!

一応高校時代に書いてたやつを何とか書いてみました。

代表作とは全く違うジャンルですが個人的に好きな一作です!

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