第1話 ようこそ学園都市"霜華"へ
ここはJ国学園都市"霜華"、この都市には60校の学園がありそれぞれその学園特有の風潮や才能を備えている。
自分の極めたい道の為に学業や、技術向上の為に勤勉の道に行くのもよし、人生一度きりの高校生活の青春を楽しむのもよし、趣味、部活、課外活動を嗜むのもよし。
だけどみんな共通している目指しているものがあるんだ。それは、UCSまたはTCSの優勝です。そして最終的にはWUCS、WTCSに出るということが世界全体の生徒の夢である。
この物語は僕、"鶯谷カナメ"が送る、霜華内にある学園のひとつ雪月花総合学園での物語。
今日もこの学園都市は平和……という訳でもない、他の学園生との問題は多々あったり、ルールに反し生徒を傷つけようとする者だっている。
「よぉカナメ、またサボりか?」
ぶらぶら学園都市を歩き回っていた僕に声掛けたのは同じ雪月花総合学園の友達"ショウマ"だった。
こいつは入学した日からの友達で恐らく雪月花の中で1番長い仲だ。
「こう見えて都市の平和を守るためにぶらぶらしてるだけだよ」
「はいはい、平和維持活動という名のサボりなんだな」
平和維持活動という言葉自体にサボりと言うのはやや無礼だとは思ったが、サボりに見えるにも無理は無い。
「てか、平和維持活動だとしてその刀だと銃使う相手には不利なんじゃないか」
愛用してる刀を舐めて見ているようだ、サボりの邪魔をしてくるしそろそろ斬ろうか迷った、冗談だ。
「うるっさいな、斬るぞ」
「ひぃ〜怖ぇ〜、まぁいいそんなお前が酷い目に合わないように俺も平和維持活動に参加するわ」
また小馬鹿にされつつも僕に同行するようだ。
でも本当は僕自身平和維持活動として歩き回っている。
「実はお前、力を隠してたりしてるか?」
ショウマは意味深なことを聞いてきた、理由は僕が通う高校"雪月花総合学園"はこの学園都市の中でも名門であり学園ランキングは60校中2位という猛威を奮っている。
(…てください……)
どこからか女の子が助けを求める声が聞こえた。
「やめてください…」
僕とショウマは声の方向へ走る。
公共エリアの片隅で、他校の男子生徒が雪月花の女子生徒の腕を掴みナンパしているように見えた。
「……面倒くさそうだな」
僕はつぶやきながら刀の柄に手をかける。近接で挑むのは少数派だが、こういう状況を見過ごすわけにはいかない。
「おい、カナメ、行くのか?」
ショウマが眉をひそめる。
男子は僕たちに気づき、にやりと笑った。
「お、雪月花の奴らか。手伝いでもするのか?」
無言で刀を握り直す。妖刀・空殺の冷たい輝きが微かに震える。
それを見た男子生徒達は銃を構え僕に躊躇なく撃ってきた。
まず零次元を発動。銃弾の軌道を微かにずらし、女子の体に当たらないようにする。弾丸はそのまま空中で逸れ、無傷で安全圏に入った。
そして空殺しで刀を軽く振るい、男子の腕を払い、拳銃を制圧する。力は最小限に抑え、女子を守ることだけに集中した。
「……やめなさい」
淡々と告げると、男子は諦め、逃げるように去っていった。
女子は膝をつき、涙目で僕を見上げる。
「ありがとうございます……怖かったです」
「大丈夫、もう安全だよ」
僕は刀を背中に戻し、周囲を見渡す。怪我はないようだ。
「……お前、やっぱ強いな」
ショウマがにやりと笑った。
「あれ、君は同じクラスの白寺さん?」
「あなたは…もしかして鶯谷くんですか?」
よく顔を見てみると同じクラスの白寺 奈々音だった、シラデラはクラスではあまり目立った存在ではなく無口で少し近寄り難いオーラを出しているが故に誰かと話している所を見たことがない。
「経緯は知らないけど、とりあえず怪我しなくて良かった、じゃ」
僕はそう言い残し再び歩き回ろうとした。
(……ありがとう、カナメくん…)
「何か、聞こえたか?」
「いーや別に、遠くの銃声じゃないのか?」
何か人の声みたいのが聞こえたが勘違いに終わらせた。
「俺、三限から授業でるけどどうする?」
「じゃあ僕もそろそろ戻ろうか、てか今更なんだけどシラデラも、サボりだったのかなこの時間に出歩いてるてことは」
僕はさっきのことを思いだした。
「いやシラデラに限ってそれは無いだろ、多分用事か通院じゃね?」
そんな会話をし、僕らは学園に登校した。
学園に着いて、すぐには教室に行くことは出来なかった。
「たく、お前らは入学して1ヶ月で何回遅刻してるんだ!」
生徒指導部の嘉出先生に呼び出され、僕とショウマは並んで正座させられていた。
「いや〜先生、僕らはサボってたわけじゃなくてですね。学園都市の平和維持を――」
「言い訳するなショウマ!お前らの“平和維持”とやらが本物なら、もっと上位にランクインしてみせろ!」
「ごもっともです……」
僕たちは小声で謝りつつ、心の中で同時にため息をついた。
――怒られて当然だとは思う。
でも、あの場面を見逃すわけにはいかなかった。それだけは間違っていない。
嘉出先生の説教が終わった頃には、すっかり三限の開始時間ギリギリになっていた。
「ほら、さっさと行け!あとで担任には俺から言っとくからな!」
「はい!!」
僕とショウマは職員室を飛び出し、廊下を走った。
「はぁ……今日も色々あったな」
「お前の“色々”のせいで遅刻なんだけどな」
ショウマは呆れたように笑い、僕の肩を軽く叩いた。
教室前まで来ると、扉の前にひっそりと立つ影があった。
長い黒髪が肩に落ち、小さな姿勢でノートを抱えている。
白寺 奈々音。
シラデラは僕らに気づくと、ほんの一瞬だけ目を合わせ、
すぐ視線を落として教室へ戻っていった。
何らかの理由でシラデラも僕ら同様遅刻だったらしい。
教室に入り、途中から三限の授業に参加し適当にノートを取りながらすぐに三限は終わった。
チャイムがなり僕は自販機で飲み物を買おうと机を立とうとしが、なんと、目の前にシラデラが居た。
「な、何か…用かな、?」
少しびっくりした僕は上手く声を発せなかった。
「さっきは…ありがとう、これ…お礼」
そう言って渡してくれたのは僕が自販機で買おうとしていたココアだった。
「別に、困っていた人が居たから助けただけだよ、それにしてもこのココア、僕が好きなやつだ」
「良かった…私もコレ好きで」
シラデラはそう言って、ぎこちなく笑った。
クラスで滅多に見せない、ほんのわずかな微笑み。
……近くで見ると、思っていたよりずっと小柄だ。
表情もいつもより柔らかい。
「あ、えっと……その、無理して買ってこなくてもよかったのに」
「無理してないよ。どうしても、ちゃんと…お礼がしたくて」
声は小さいけど、言葉はまっすぐだった。
少し黙ったあと、シラデラはもじもじと指を合わせながら続ける。
「私……今日、見られたくなくて……外に出てたの。授業、サボってたって思われるの嫌だから……」
「いや、別にサボりだなんて思ってないよ」
「……本当に?」
「うん。むしろ真面目すぎて心配されるタイプだろ、シラデラは」
そう言うと、シラデラは少しだけ目を丸くして、それから俯いた。
耳までほんのり赤い。
「……ふふ……そんなこと、言われたの初めて」
その瞬間、ショウマが後ろからニヤつきながら近づいてきた。
「ほほう?これはこれは、珍しく会話が成立してるじゃねぇのカナメ~?」
「お前黙れ」
「はいはい。青春の邪魔するの悪いしな〜?」
「殺すぞ」
ショウマを軽く追い払うと、シラデラはくすっと小さく笑った。
「あの……鶯谷くんって、いつもあんな感じなの?」
「いつもあんな感じ。慣れたら可愛いよ、あれでも」
「そ、そうなんだ……」
シラデラは少し肩の力を抜き、ココアを僕の手に押し返した。
「ほんとに、ありがとう。カナメくんが来てくれなかったら……どうなってたか、分からないから」
「気にすんな。困ってるやつがいたら助ける――ただそれだけだよ」
「……うん」
シラデラはココアの缶をぎゅっと握りしめながら、小さく頭を下げた。
その仕草が妙に印象に残る。
チャイムが鳴り、四限の準備で教室がざわつき始めた。
「じゃあ……また、あとで」
シラデラは小さく手を振って、席へと戻っていった。
その背中を見送りながら、ショウマが後ろからぼそっと囁く。
「お前ら、お似合いだぞ」
「うっせー」
何度も冗談を言ってくるショウマ、その後は休み時間が終わり四限を終わらせ、昼休みショウマと一緒に使われてない教室で飯を食べながら会話をした。
「最近、都市三大武闘派団体の銃撃戦多くないか?」
ショウマはそんな話題をいきなり提示してきた。
都市三大武闘派はここ雪月花総合学園のある人が率いる白蓮、ラプラス科学専門高等学校(学園ランキング2位)の天命演算会、空峰総合学院(学園ランキング1位)の夜空連盟のことを指す。
この団体の目的、どの学園が本当の1位かを暴力という手段で証明することだ。学園ランキングは公式に出ているものの、その差は微々たるものである。
しかし雪月花の白蓮は正直そこまで強い訳ではない。
表向きはTCSやUCSの公式大会でポイントを稼ぎ、健全にランキングを競うことになっている。だが、血の気の多い連中にとって、そんなスポーツライクな競争は生ぬるいらしい。
「特に最近、ウチの学園の『白蓮』がピリついてるらしいぜ。ラプラスの『天命演算会』が開発した新型の自律兵器が、白蓮のシマを荒らしたとかで」
ショウマがパンをかじりながら、仕入れたばかりの情報を語る。
「……くだらないな。順位なんて大会で決めればいいのに」
僕は窓の外、広大な学園都市の景色を眺めながらため息をついた。
『白蓮』のトップは、この雪月花総合学園の3年生だと言われている。生徒会ですら手を出せないアンタッチャブルな存在。
「ま、俺たち一般生徒には関係のない話――と言いたいところだが、お前のその『平和維持活動』とやらを続けてる限り、いつか目をつけられるんじゃねぇか?」
「僕はただ、目の前で困ってる人を助けてるだけだよ。派閥争いには興味ない」
「出た出た、その事なかれ主義。……でもよカナメ、お前がランキング圏外にいるのって、まさかその三大勢力に目をつけられないためのカモフラージュだったりしてな?」
ショウマが探るような視線を向けてくる。勘のいいこいつのことだ、どこまで本気で言っているのか分からない。
「まさか。僕はただのサボり魔だよ」
「はいはい、そうでしたねー」
その時だった。
ドォォォンッ!!
重低音と共に、校舎が微かに揺れた。
僕とショウマは顔を見合わせ、すぐに窓へ駆け寄る。
視線の先、学園の敷地内にある旧体育館の方角から、黒い煙が上がっていた。
「……おいおい、マジかよ」
ショウマが引きつった笑みを浮かべる。
「校内抗争か? 教師たちは何やってんだよ」
「嘉出先生たちが飛んでいくのが見えるな。……でも、あれはただのボヤ騒ぎじゃなさそうだ」
煙の中に、青白い閃光が見えた。銃撃のエフェクトか、あるいは魔法的な何かか。
平穏な昼休みは、終わりを告げたようだ。
「カナメ、どうする? 昼休みはあと20分あるけど」
ショウマが試すように僕を見る。
僕は飲み干したココアの缶をゴミ箱に投げ入れると、愛刀『空殺』の感触を背中で確かめた。
「……おいあれ、誰かがシラデラを連れ去ってるぞ」
「は?」
「食後の運動だ。行くぞ、ショウマ」
「へいへい、結局そうなるわけね!」
僕たちは無人の教室を飛び出し、黒煙の上がる現場へと駆け出した。
サボり魔の平和維持活動、本日二度目の出動だ。
この作品は僕が高校初期の時に描いたやつです。
正直今連載してるものよりも酷いです笑
今書いてるアオとハルが過ぎ去った夢のジャンルと違い
青春、銃、学園、能力、競技、が混ざったジャンルとなってます。
ん?なんか聞いた事あるジャンルの組み合わせだな〜笑
とりあえず気分次第で書き直したり続き書きます!




