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旅する探偵もの  作者: スーパー天邪鬼
海賊戦?
54/55

上の立場ってこう言う事か?

海賊船との距離は、既に60m程だろうか。


先程は見てみたいと思ったが、

やっぱり見たくないと思ってしまった。


目を凝らして見ると海賊船の先頭に、

デガラズが立っている。


「お前らああああ!

今すぐそっち行くから待ってやがれ!」

「うわぁ!大きい声!」


シャラがびっくりするほどの大声だ。

海賊なのに、しっかりとした発声ができるのか。


「全員戦闘配備!

砲弾は何発ある!?」

「球が4。アレイが6」

「ならアレイ弾を込めろ!

マストを潰せ!」


慌ただしく動き始める。


「マズイな。俺の武器がないのに」

「この前銃買ったんじゃないの?」

「実砲があれば使うけど、今使うのは難しいな」


実砲自体高価で買える場所も限られている。

なるべく節約がしたい。


手持ち武器も街の戦争で全て潰れたか、

人に譲ってしまった。


「おい!俺も戦うから武器くれないか?」

「ダメだ!あんた客人だろ!

それに余ってる武器も無いんだよ!」

「弾準備!ぅてえええ!」


『ゴオオォォゥゥン!』


大砲が発射される。


しかし、相手の船はうまく軌道を変える。

アレイ弾をしっかりと回避した。


「なんだと!」


船長が驚く。

アレイ弾は風の流れ通りに曲がる。

海賊船も風と同じ方向に進む。


つまり弾も船も同じ方向に進むのだ。

まして今敵船との距離は30m程。

風も無風。


普通は弾が当たるはずだったのだ。

それを避けたって事は、

敵の強さが一瞬でわかるやりとりだ。


「てめえらよくもやりやがったな!撃ち返せ!」


『ゴオオオォォゥウン!!』


船に弾が飛んでくる。


だが弾が当たる前に船が揺れる。

操縦士が慌てて船を動かしたようだ。


俺は渋々ウェブリーリボルバーを取り出す。


「うわっっと!」


だが俺はよろめいて、

船の端に立ってしまう。


『バアアアァァァン!』

「あ、やば!」


着弾の衝撃で船が揺れる。

俺の体が吹き飛んで海に投げ捨てられた。

銃が海の底に沈む。


刀は別の荷物と一緒に軍船内だ。

外してて正解だった。


『ドボオォォン』

「あ・・・」


銃を手放した感覚がある。

そう思って落ちた銃を目で追った。

だがそこには、大小様々な魚が見えるだけ。


仕方なく海面に顔を出す。

瞬間。海賊船から縄を投げられる。


「お前らじゃ話になんねぇ!こいつはもらっていくぜ!

返して欲しけりゃ、でけえ軍船を用意しとけ!」


上でデガラズが叫ぶ。

俺は他の海賊に縄をかけられ、

引っ張り上げられる。


「ケレーン!」


シャラが手を振りながら俺の名前を叫ぶ。

あの馬鹿!


後で覚えとけよ!


「ふーん。あんたケレンって言うんだ」

「ふん。餌なしで魚。いや、肴が釣れた」


白と青。

アリッサとドギーだったか。


「俺を人質にしても、

あまり効果はないと思うぞ?」

「まあ、お仲間は未だに手を振ってるし、

あんまり信用無いのかしら・・・?」

「だが今回はこれくらいでいいだろう」


縄でくくられたまま船の中を進む。

海水に服ごと浸かって、正直ベトベトする。


しばらく進むと操舵室のような場所に連れてこられた。


「よう兄ちゃん。俺はデガラズってもんだ。

兄ちゃんにはしばらく、大人しくしててもらおうか」

「あんたのことはデガルズから聞いてる。

邪魔はしないからこれ解いてくれないか?」

「あん?デガルズ?誰だっけそいつ」


やっぱり聞く耳なしか。

こう言う人はそういう対応取るよな。


「おい緑!こいつを見張っとけ」

「えぇ俺?船の操縦もあるのに!」

「つべこべ言うんじゃねえ!

あとこいつ磯くせえ!

後で風呂の場所案内しとけ!」


この緑の人が先程の砲撃を回避したのか。

緑のバンダナで名前も緑って適当な・・・。

だが名前はともかく凄腕だな。


ん?風呂?


「おい、俺を風呂に案内してどうすんだ?」

「あん?風呂に入れるに決まってんだろ?」


いやいや。


「俺が逃げたらどうするんだ?

そうでなくとも暴れるかもよ?」

「・・・俺と話をしたいんだろ?さっきそんな雰囲気だった。

なら暴れたりしねえだろ」


さすが海賊。思い切りがいい。

しかも図星を突かれた。


「それとな。おめえまだ20くらいだろ」

「え?年齢?」

「ああ。俺は32だ。ガキが一人暴れたくらいじゃ、

どうってことねえんだよ」

「そうなんですか」


俺27歳・・・まあいいか。


それにしても・・・このデガラズが持ってる銛だが、

長さが5m程ありそうだ。


人間がこんなに長い武器を持てるとは・・・。

俺が持ってる槍でも4m程の長さが限界だ。


この人はかなり手ごわそうだ。

素直にそう思った。


ならば、色々情報を聞き出すか。


「それにしても俺を捕まえて、

一体何が目的なんですか?」

「・・・」

「このままじゃ不安で、

夜も眠れないですぅ」


わざとらしく言った。

するとデガラズが溜め息を吐いて、

俺の方を向いた。


「俺はな。奪った宝を返しに来たんだよ」

「奪った宝を?」


海賊が宝を返す?

どういうことだ?


「金にならなかったとか?」

「ちげえ。ありゃ金になるぜ」


ふむ。

しっかりと価値はあるようだ。


「趣味じゃなかった?」

「お前ふざけてんのか?」

「真面目だ」


高圧的な表情で俺の顔をジッと見る。

だからって引く気にはならない。


俺も顔を見返す。


「お前好奇心が強いって言うより、人の都合に突っ込みたがる奴か。

そう言う奴は人から信用も得られずに下っ端で終わるぜ?」

「あいにく、これでも有名人なんですよ」

「ほお?名前は?」

「探偵のケレン」


年齢も隠す気はないし直球に話す。

すると、操舵手の緑が食いついた。


「知ってる・・・『相棒のケレン』だっけ?

実物に会うの初めて。

あれ?でも引退したんじゃ?」

「ほう。引退したのか?」


緑はそこまで知ってるのか。

なら話は早い。


目的もわかったし、

後は過去の事件を調べれば済む。

こちらが敵だと言う事も教えた。


これで戦う口実と状況を揃え終えた。

ここを脱出しよう。


「復帰したんだよ。

ちゃんと探偵の身分証も持ってる」


縄を解いて証明証を見せる。

予め縄の結び目を緩めておいたのだ。


シャラ達は恐らく、

まだあの海域にいるだろう。


泳いで戻るなら早くすべきだ。


「帰るつもりか?」

「ああ。お前らは後でしっかりと捕まえる」


そう言って走る


『ブウウゥゥン』


例の銛が目の前で止まる。

間近で見ると重くて頑丈そうな銛だ。


「甘いんだよ。

逃すわけねえだろ」


この長さの武器を、

ここまで的確に操るとは・・・。


「おいおい。ヤバイな」

「誰に言ってんだてめえ?」


デガラズが銛を持ち上げて、

俺の眼前からどかす。


「だが気に入った。おい緑!一旦近くの島に行け!」

「えぇこの海域で!?」

「最近陸が広がったろ!適当に探せ」

「はいはい」


デガラズが緑に指示を出して、

渋々緑が従う。


そこまで強い上下関係は無いようだ。


「お前はこっちだ。着いてこい」

「・・・ああ」


今更逃げるのも難しいだろう。

素直に着いて行って、

チャンスを伺おう。

忍びの時:ハッタリくんおもしろすぎるだろ!コメディアンかよ!

龍鏡の時:お前らの愛が重すぎるんですけど・・・

時の王:人間に戻れて良かった。でも時の王が将来死んだら力が戻って、小説版みたいな未来に続くのかな

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