↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

7話

 


「ヒヒーーーン!!」


 目的地であるウィルク山に到着した途端、ビエリはカルダモンを背中から振り落とし、そのまま走り去ってしまった。


「ビエリーーーー!! 戻って来ーーーーい!!!」


 カルダモンは闇に向かって力の限り叫んだが、仔馬の頃から知っているビエリの姿は、すでに見えなくなっていた。


「くそっ、どうしてこんなことに……。帰りは歩きだな、はぁ……」


 溜め息をつく目尻には、微かに涙が滲んでいた。


「それにしても良い馬ですな。一度も休まずに、これほどの長距離を走り抜けるとは」


 右手の甲に浮かび上がったスタンリーが、感心したように言う。


「カスケードは普通の馬よりスピードもパワーもあるからね。その分、気性が荒くて扱いづらいんだけど……」


「この山に、月光茶花とかいう植物があるわけですか。それにしても、こんなに暗い中で見つかるのですか?」


「暗いから見つけられるんだよ。月光茶花は月光を浴びると光る性質を持っているんだ」


「なるほど、だからこの時間に来たのですか」


「そういうこと」


「だったら急いだ方が良いのでは? 段々と雲が増えてきましたな」


「え!?」


 カルダモンが慌てて空を見上げると、まさに言葉通り、雲が月を覆い始めていた。


「さっきまでは雲一つなかったのに……急ごう!」


 リュックを背負い直したカルダモンは、さっそく登山を開始した。一度だけ振り返ってビエリが戻ってきていないか確認したが、そこに主人を愛する愛馬の姿は影も形も無かった。







最後まで読んでいただきありがとうございました。


「ブックマーク」と「いいね」を頂ければ大層喜びます。


評価を頂ければさらに喜びます。


☆5なら踊ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。