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王妃様プレゼンツ「王都満喫ツアー」の日がやってきた。「ちょっと裕福な商人風」の逆ドレスコードでは隠しきれない気品と所作が母と叔母にはあったため、王妃様よりレクチャーを命じられた。
「どこから攻めて行こうかしら。」
「私はリリィのお店を外からしか見たことがありませんの」
とお母様がおっしゃるので、まずはリリィ商会に向かうことにした。近くで馬車を降り、てくてく歩いていると、叔母から、こそりと
「王妃様、私どもの領地の物も置いていただきありがとうございます。」
うん。王都は内陸にあるため、川魚か王妃様開発の缶詰や干した物が主体。冷凍技術が確立してるのだけど、一領地で行うには敷居が高いものだったらしい。
「こちらこそよ。やはり、新鮮な魚はいいわね。伯爵領で扱うようになったウニも時々いただくの。王子たちは苦手みたいだけど、陛下は白ワインに合うな!ってお喜びよ。私は日本酒がいただきたいのだけど、まだ輸入に頼っているので、普段使いできないのよ。」
ふう、と困った様に私をご覧になる。いやいや、酒造りは流石に無理ですって!
店に到着。いつもバックヤードや事務室ばかりだったため、お客さんとしてくるのは嬉しいな。
「いらっしゃいませ。ようこそお越し頂き恐悦至極」貸切か。そうよね。
店内もこだわってこちら風と前世の良いとこどりのディスプレイになっている。しかし、食だなぁ。
お母様と伯母様は領地の品物が「〇〇さん自慢のパンチェッタ。香りがいい」などのポップをみながら、この生ハムはどうとかチーズにも2人で伯爵領の名産物である魚介類とどう合うかなど真剣に話す。晩餐会などでお披露目したいのだそうだ。
私は、可愛らしいものや、刺繍のされたハンカチや、ちょっとした小物が欲しいな。2号店かな。どちらにせよ、この店はちょっと裕福な庶民が訪れる。貴族は通販笑笑。
「お母様、伯母様、学園で使用するちょっとした文房具なども見たいのですが、後で寄らせていただいても大丈夫ですか?自分で色々みたいのです!」ふふ、2号店の参考にもなるし。クズ貴石とかでパヴェみたいにして髪飾りとか。
お母様や伯母様は大ぶりの宝石をつけてるけど、私はまだ子どもだしね!
「あら、リリィいたわね。気配なくてうっかり忘れてたわ。」
もう存在忘れられてた。




