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第3章:最後となったカーニバルの夜

いつも読んでいただき、ありがとうございます!

第3章は、あの日……世界が止まってしまう前の「最後の一日」のお話です。

ガブリエルの家族がどんな人たちだったのか、そして何が起きたのか。

少し切ないですが、物語の核心に触れる大切なエピソードになります。

楽しんでいただければ幸いです!

マーゴット・D・レジェンドは、ただの教師ではなかった。深い緑色の髪を持つ彼女は、村では「知恵の妖精」と呼ばれていた。だが、カーニバルの時期だけは違う。彼女は情熱的な指揮官へと変貌するのだ。

 今年のカーニバルは特別だった。長女のソフィアが、別の学校の責任者としてライバルになったからだ。


「お母さん、私の方がいいものを作るよ」


 ソフィアは母の背中を見て育った。新米教師としての初仕事、彼女はレジェンド家の血筋を証明したかった。同僚たちは彼女の才能に驚いた。ソフィアが作った山車だしは、伝説の『斉天大聖・孫悟空』だった。


「これ、なんの生き物?」

 同僚のりセットが、黄金の雲に乗った不思議な像を見て聞いた。


「孫悟空よ」とソフィアは笑った。「おばあちゃん曰く、カーニバルの守護霊なんですって。……本当はね、弟のガブリエルをモデルにしたの。彼が悟空の生まれ変わりだって、おばあちゃんが言い張るから」


 準備が終わり、家族での夕食。だが、椅子が一つ空いていた。


「ガブリエルは?」


「おばあちゃんが聖域へ連れて行ったよ」と父が答えた。「回復魔法を教えるんだって。あの子はこの世代で唯一の『緑髪』だからね」


「お母さんもその魔法、使えるの?」


「少しだけね」とマーゴットは苦笑した。「緑髪は一世代に一人しか生まれない。そしてガブリエルの才能は、私を不安にさせるほどよ」


 そこへ、五歳の少年が走り込んできた。後ろには、圧倒的な威圧感を放つ女性――**エスメラルダ**が立っていた。同じ緑の髪だが、その瞳は獲物を狙う猛獣のように鋭い。


「お帰りなさい、お母様」

 マーゴットが慌てて立ち上がる。エスメラルダは、家族の中でも絶対的な存在だった。


 翌日、カーニバルは最高潮に達した。マーゴットとソフィアの山車は街を彩り、太鼓の音が響き渡る。だが、広場で結果発表を待っている時、ガブリエルがピタリと動きを止めた。母の手を強く握る。


「ママ……変な匂いがする。体が重いよ」


 マーゴットが空気を嗅いだ瞬間、顔色が変わった。瞳から輝きが消える。


「ソフィア、ガブリエルを連れて帰りなさい。今すぐよ!」


「えっ? でも優勝発表は?」


「そんなことはどうでもいい! 行きなさい!」


 ソフィアは困惑しながらも従った。帰り道、ガブリエルは震えていた。匂いは朝からしていたが、今は耐えられないほど強くなっているという。

 家に着き、弟を寝かせたソフィアは窓から星空を見上げた。


「純粋な血筋……特別な子供……」と彼女は呟く。「ライトノベルなら、これは世界が変わる前兆よね」


 遠くで打ち上げ花火が上がり、夜空を照らした。ソフィアはやっと息をついた。だがその直後、不自然なほど真っ白な光が天を覆い尽くした。

 それは火薬の光ではなかった。もっと、恐ろしい何かだ。


 ソフィアは空を見上げ、不敵な笑みを浮かべて呟いた。


「なるほどね……そういうこと。ここからが――出発点スタートラインか」


 翌朝、太鼓の音は止んでいた。笑い声は沈黙へと変わり、人間たちの姿はどこにもなかった。

 たった一人を除いて。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ついに、平和な日常が崩れ去ってしまいました……。

ソフィアが最後に見たあの光、そしてガブリエルだけが気づいた「匂い」。

ここから、ガブリエルの孤独な戦いが本格的に始まります。

次回はまた現在の時間軸に戻り、しゃべる猫のニーニャと一緒に冒険が進んでいきます!

続きが気になった方は、ぜひブックマークや評価をお願いします!

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