第2章:しゃべる猫の「ニーニャ」
お待たせしました! 第2章です。
無事におばあちゃんの家にたどり着いたガブリエルですが、そこには予想もしなかった「再会」が待っていました。
新しく登場する猫のニーニャとガブリエルのやり取りを楽しんでいただけたら嬉しいです。
少しずつ明かされていく世界の謎に、ぜひ注目してください!
おばあちゃんの家に無事にたどり着いたものの、ガブリエルの胸のざわつきは収まらなかった。嫌な予感がお腹の奥で渦巻いている。
「おばあちゃん! おばあちゃん!」
ドアが開くことを期待して叫んだが、返事はない。ガブリエルは必死だった。おばあちゃん、叔父さん、従兄弟……誰の名前を呼んでも、広い屋敷からは何の反応もなかった。どうすればいいのか、どこへ行けばいいのか。この家も、ここに来るまで見てきた家と同じように静まり返っている。彼はウィルメを抱きしめ、泣き出すのをこらえながら門の前を右往左往するしかなかった。
「……もう、うるさいわね、この子は!」
不意に、背後から女の人の声がした。
「なんて日かしら。人間たちが急に動かなくなったと思ったら、残されたのは叫ぶことしかできないチビ助一人なんてね」
ガブリエルは叫ぶのをやめてあたりを見回したが、誰もいない。すると、またすぐ頭の上から声がした。
「やれやれ、お腹が空いて死にそうだわ。あんた、何か食べるもの持ってない? ……ニャお」
ガブリエルは勢いよく振り向いた。やっと誰かの声が聞けて嬉しかったが、目の前の光景に目を見開いた。そこにいたのは人間ではなく、おばあちゃんの飼い猫の「ニーニャ」だった。彼女は門の柱の上に座り、当たり前のような顔で彼を見下ろしている。
「なによ、その顔。幽霊でも見たみたいじゃない」
「ニーニャ! しゃべれるの?!」
「なによ、私はずっと……ちょっと待ちなさい」
ニーニャは何かを考え込み、そして彼女も驚愕の声をあげた。
「ニャお?! あんた、私の言葉が分かるの?!」
驚きすぎて後ろに飛びのいたニーニャは、そのまま柱から滑り落ちてしまった。
「ニーニャ!」
ガブリエルが心配して叫ぶと、金属の擦れる音がした。スライド式の門が開き始めている。ニーニャが小さな体で壁を蹴り、必死に門を押し開けていたのだ。彼女は興奮してガブリエルに詰め寄った。
「ニャお! 人間に私の言葉が通じるなんて信じられないわ! 銀河系一、お腹がぺこぺこなのよ!」
「あの……ケガしてない?」
ガブリエルはかがみ込み、ニーニャの頭にできたたんこぶを覗き込んだ。
「私はあの『鬼のエスメラルダ』の飼い猫よ。界隈で一番強いんだから、なめないで。さあ、中に入って私の食料を探しなさい!」
ニーニャは屋敷の中へ走っていった。ガブリエルも急いで後を追ったが、自分の体を通すために門をもう少し押し開けなければならなかった。中に入って庭を見渡したが、やはり親戚たちの姿はない。
「ちょっと、ぼんやりしないで!」
ニーニャが玄関の前で鍵をくわえて待っていた。彼女はそれをガブリエルの足元に落とした。
「ほら、これでキッチンに入って、棚の鍵を開けなさい。昨日はコオロギやネズミで我慢したけど、飼い猫があんな生活送るのは無理があるわ!」
ガブリエルは鍵を拾い、不安そうに彼女を見た。
「ニーニャ……おばあちゃんはどこ?」
「ニャお? おばあちゃん? ああ、エスメラルダのことね。そういえばあんた、飼い主の孫だったわね」
「本当に僕のこと忘れてたの?」
「ごめんなさいね。昨日から動いてる人間を一人も見てなかったから。あんたが動けるのを見て、ご飯のことしか頭になかったわ」
ガブリエルは鍵でドアを開け、真っ暗な玄関ホールに入った。照明のスイッチを探している間、ニーニャの言葉が頭の中で繰り返される。『人間が急に動かなくなった』『あんたが動けるのを見て』。
「ねえ、ニーニャ。『僕なら動ける』ってどういう意味? みんなはどこにいるの?」
「まさか、ここに来るまで気づかなかったの?」
「え……?」
「どこにだっているわよ。あの日、空が光り輝いた夜から……」
ガブリエルはやっとスイッチを見つけ、明かりをつけた。そして振り返った瞬間、恐怖に凍りついた。
「あの夜から、人間はみんな『石像』になったのよ。あんた以外、全員ね」
第2章を読んでいただき、ありがとうございます!
衝撃の事実が明らかになりましたが、ガブリエルの冒険はまだ始まったばかりです。
「石像」になってしまった人々、そして姿を消したおばあちゃん……。
ガブリエルはニーニャと一緒に、この過酷な世界をどう生き抜いていくのでしょうか。
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それでは、第3章でお会いしましょう。




