ポージング命
登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。
ご注意のほどよろしくお願いします。
「私は瑞獣の鳳凰だ。敬いたまえよ」
ある日、縁側に腰掛けお茶を飲んでいた時ド派手な羽を広げたてて孔雀が庭に舞い降り、とてつもなく尊大な態度で名乗りを上げた。どう反応して良いものか、思考までもが全てストップしてしまった様になる。黙ったままでいると、広げたてられた羽の後ろから見覚えのある鹿が恐る恐るといったふうに、そろりと顔を出す。
「お久し振りです。麒麟です」
鳳凰とは全くの正反対な控えめな態度で麒麟が頭を下げる。俺は軽く手を上げ挨拶を返し、ついでに麒麟を手招きで呼び寄せる。それに対し、首をかしげながらも俺に従い側に来てくれる麒麟は優しい奴だ。ちらりと孔雀の方に視線をやると、相変わらず羽を広げ自分が一番美しく見えるだろうポーズを取って、それに自分自身で酔いしれている様に見えた。
「どうかされましたか、弥勒殿?」
麒麟があいかわらず不思議そうに首をかしげ俺に尋ねてくる。俺は今現在の最大の謎を麒麟に問いただす。
「あの孔雀・・・何!?」
俺の疑問に麒麟はさも当然だとでも言う様に答える。
「鳳凰ですが。聞いたことありませんか?」
鳳凰なら聞いたこともあるし、もちろんアプリ開発時に萌えキャラとして登場させるつもりだったので歴史的な言われや見た目のことも調べた。でも、性格までは調べてない。それが、まさか自己紹介だけでこんなにも癖のあるキャラクターだと分かるほどの奴だとは誰が思うだろうか。麒麟越しにそっと鳳凰の方を覗き見てみると、鳳凰は未だにポーズを崩してはいなかった。もしや、俺が声を掛けるまでずっとあのポーズでいるのだろうか。それはそれで試してみたい気もするのだが、仮にも瑞獣。吉兆の目印にそんなことをさせ続けるのも申し訳ない。
俺は雪駄をつっかけ、縁側から立ち上がると鳳凰の方へ歩いて行く。近くまでよると鳳凰が俺を見上げるような形になる。俺は鳳凰の前でしゃがみ込み、鳳凰と目線を合わせた。
「俺は弥勒だ。これからよろしくな」
俺は挨拶しながら、鳳凰と言うより孔雀のトサカの下、首の辺りを撫でる。
「うむ、苦しゅうない」
気持ち良さげに鳳凰は顔を上に反らせ、もっと撫でろとばかりに首を伸ばす。たっぷり待たせたお詫びに俺は鳳凰の望むままに撫でてやる。すると、麒麟が俺と鳳凰をちらちらと交互に見る。そういえば麒麟は撫でてやっていない、という事を俺は思い出した。
「麒麟、こっち来い」
鳳凰を撫でる手はそのままに、空いた手で麒麟を手の届く範囲に呼び寄せる。
「何でしょう、弥勒さん?」
二、三歩俺に近付いた麒麟に俺は手を伸ばし撫でてやる。そんな俺の行動に麒麟は一瞬目を見開くも、すぐにリラックスしたような表情になり、頭をすり寄せてくる。
四神や妖怪もそうだが、どうしてみんなこんなにも撫でられるのが好きなんだろうか。不思議な習性だ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ネタ切れ感が最近読まれている方にも伝わっていたと思いますが、本格的にネタが無くなってしまいました。
この先無理やり続けるのも辛いのと、最近新しく書き始めたものが楽しいという事もあり、呼んでないですよ!?はしばらくお休みさせて頂こうと思います。
そのまま終わってしまうかも知れませんが。
とりあえず、ここまで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。読んでくれている方がいると分かるだけでもとても作品を書くための元気を貰いました。
新作につきましては、活動報告の方でさせていただきます。
それでは、別の作品でお会い出来ることを楽しみにしております。
*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。




