村2
ミリの視点
――ようこそ韓神女様 祝・御降臨 熱烈歓迎 崇韓村村民一同――
空港(富士山静岡空港)でこれでもか、と目立つようにデカデカと大書された横断幕を掲げて、その集団が私たちをお出迎えしてくれました。
日本の地を踏んだ私たち9人の、空の旅の疲れも消し飛ぶくらい―もっとも飛行機は仁川からの直行便だったのでほとんど疲れはなかったけれど―、文字通りの熱烈歓迎です。
お出迎えの集団は、全部でざっと20人くらいはいたでしょうか。
前列の奴は土下座(日本名物!)、後列の奴は立っていて、横断幕を持つ手以外は太極旗の小旗を振っていました。
私たちを空港までお出迎えできるのは、きっと村民の中でも選ばれた者たちなのでしょう(ちなみに崇韓村の村民はいま絶賛増殖中で、なんと800人くらいまで増えているそうです)。前日は私たちの『御降臨』に立ち会うのに緊張して、テンションが上がりすぎてうまく寝付けなかった奴もいるに違いありません。あるいはただ単にいろんな準備で寝る間もなかったのかも知れません。お出迎えの半分くらいは、目の下にクマを作っていましたが、私たちの姿が目に入ると顔全体に喜びの色を漲らせて『ファニョンハムニダ(ようこそおいで下さいました)!』と、大きな声でご挨拶が始まりました。
日本の小さな地方空港の到着ロビーに響き渡る韓国語の大合唱。
さらに前列の奴らは『ファニョンハムニダ』と叫ぶときだけ顔を上げて、言った勢いそのまま土下座して、また顔を上げて叫んでまた土下座して・・・を繰り返していて、おもちゃの水飲み鳥みたいで楽しかったです。みんな思わず笑ってしまいました。
こういう細かい演出(?)にも、私たち韓国人に対する心のこもった『お・も・て・な・し』が感じられて高評価◎です。
荷物を持たせて、私たちは空港の出口正面に停めさせてあったリムジン・バスに乗り込みました。
二階建ての豪華な韓国仕様のリムジン・バスで、一階は私たちの荷物とお出迎えしてくれた倭奴たちをギュウギュウ積めに載せるスペース、二階が私たちの乗るスペースでした。二階は一人一人のシートが超巨大で、飛行機のファーストクラスよりも大きかったかも? 私たちが快適に日本国内を移動できるよう、ゆったりとしたトイレやワインクーラーなんかも付いていましたが、けっきょくトイレもワインクーラーも使う間もなく、30分くらいで目的地の『村』に到着しました。途中ジョンファとの会話が盛り上がりすぎて、空港の名前にもなっているフジヤマの絶景ポイントをうっかり見逃してしまったのは残念だったけれど。。
私たちは村に隣接するホテルで宿泊です。
荷物持ちとホテルの案内をしてくれたベルボーイのヘッドは、日本人らしく背の小さい奴でしたが、キビキビしていて礼儀正しくて―いささか私たちに対して礼儀正し過ぎるくらいでしたが(笑)―よく訓練された小型犬みたいでした。それで私たちはそのホテルの滞在中、彼のことを『小犬ちゃん』って呼んでいました。韓国に帰るとき、私たちがひとりひとり握手してあげたら、泣いて喜んでましたね。ほんとの犬だったら尻尾ガン振り状態だったと思います(笑)。そんな感じで、その村で出会った日本人たちは、総じてラブリーで可愛い子たちばかりでした。(その『秘訣』は後で判明することになります)
通された部屋は、欧米タイプの個室で、広くて豪華ではあったんですが、東京とかによくある韓国人専用の高級ホテルとよく似た感じで、もっとこう『日本の田舎に遺された純倭風オールドファッション』的なのを期待していた私としてはちょっと残念。ま、このあたりは好みが分かれると思います。
ただ、ウェルカム・フルーツは掛け値なしに美味でした!
全部日本産とのことです。やっぱり食べ物は地産地消に限りますね!
この、『食べ物がビックリするほどおいしい』というのはみんな同意見で、私は前々から考えていた韓日分業論―韓国の高価な労働力は知識集約型のコア・コンピテンスに集中して、日本の安い労働力を農業・アニメや単純手工業といった労働集約型産業に特化させて韓国産業を補完させる―が正しそうだなぁとしみじみ実感。
黙々と仕事をする職人気質の日本人は、私たち韓国人の資本の下で果物やお米を汗水流してひたすら作るのが理に適っているに違いない―と、大粒の葡萄や瑞瑞しい白桃なんかを口に運びながら考えられたのも、今回の素敵な旅の『収穫』の一つですね。




