北の独裁国家ノウスタリアの第二王子と宰相マルクス
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「……何呼んでもいないのにこのパーティーに参加していらっしゃるのでしょうか、ノール王子」
隣から今までに聞いたこともない低い声が発せられた。
「やだな〜。どっかの腹黒が僕を呼んでくれないから新王に直談判したんじゃないか!」
パチンとウィンクをするノール王子は、正直そこらにいる令嬢達よりも愛らしい外見である。
「ぶりっ子してんじゃないですよ、私と同い年の癖に」
「え!?」
確かマルクスは今年で23歳になったはずだ。
しかしながら、目の前に立っているノール王子はどう見ても14.5にしか見えない。
あれで私よりも年上だと?
「それは世のご婦人方が羨ましがるだろう…」
婦人方というのは美の追求には貪欲だ。
「そうなんだ。だから、年上は怖くってね…だからと言って結婚しないわけにはいかないし」
どうやら見た目美少年の彼にも悩みはあるらしい。
「そんな事、どうでも良いのですよ。さっさと自国に帰って少年好きの貴婦人と結婚なさいませ」
「これだから腹黒は。僕はちゃんとこの国の王に参加許可を貰ったんだよ。つまり僕も正式な客人だよ?礼儀をわきまえなよ、ペンネ国宰相殿」
「それは失礼致しました、北の独裁国ノウスタリアの第二王子ノール様。遠路はるばるこのペンネ国へ新たなる少年好きの令嬢を探しに参ったのですね?残念ですが、我が国にはそういった方は少ないので婚姻関係を結ぶのは些か難しいと。あ、いえ別に貴方様が悪いわけではございません。少年好きの令嬢が少ない我が国が悪いのでございます」
威張るノール王子にこれが正しく慇懃無礼というものかと言わんばかりに綺麗な笑顔とお辞儀で返すマルクスを見て、この二人の相性の悪さが伺えた。
「お嬢様、このショタだけは絶対に結婚相手になさらないで下さい!」
「はあ!?何言っちゃってんのたかが一国の宰相が!選ぶのは姫ちゃんだろ!!」
私に飛び火する。
ところでマルクス、ショタとは何だ?
「お前にやるぐらいだったら、俺がお嬢様を貰うわ!」
「「「え!?」」」
マルクスの崩れた敬語にも驚きだが、その発言にも驚く。
私の他にも、ノール王子といつの間に近づいていたのか、父が驚きの声を出した。
「マルクス、お前…」
「いえ、違うのですよ王、私は別にそんな」
父に気付いたマルクスが顔を赤くして慌てている。
「そんなに娘の事を心配してくれてありがとう。お前は私よりも立派な父親だな」
はっはっはと朗らかに笑う父にマルクスは一瞬唖然として、肩を落とした。
「お嬢様が鈍感なのは父親譲りだったのですか…」
何か言ったようだったが、小声で聞き取ることは出来なかった。
しかし未だにこの場にいたシシオ王子には聞こえたようで、「不憫や…」と呟いていた。
次の事を全く考えずに書いてしまった。
反省はしているけど、後悔はない(`・ω・´)キリッ