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第5話「ドローン襲来!緊急合体ギアキング・ウイングカスタム!」

俺の名はブルーウィング。最高速度マッハ2.5を誇る、ギアファイブの制空権を担う戦闘機メカだ。相棒のブルーギアも冷静で仕事が早く助かっている。

……問題は、この組織の杜撰な運行管理と、現場のバカどもだ。


「くそっブルー聞いてくれよ! 修理すぐできないから今日中にサーキットに戻れないだってよ!」


セントラルラボの整備ドック。ジャッキアップされ、シリンダーを丸裸にされたレッドビークルが憤慨している。俺に言われてもどうにもならんのだが……。

前回の強引な現地集合のオートパイロットと砂塵を受けすぎた影響で、バンパー周辺に複数の故障が出ているらしい。


『……あれは仕方ないだろう。砂嵐もだが、オートパイロット状態まではどうにも出来ん』


そこへ、缶コーヒーを片手にしたギア博士が通りかかり、どこか他人事に告げた。


『あ、レッドビークル? 君の修理今日明日じゃ絶対に間に合わないから今日どころか当面お休みね〜。面倒だし、君の所属チームにも自分で連絡入れておいてよ』


「俺の扱い雑すぎない!?」


不満をぶちまけるレッドビークルだったが、直後に基地内にけたたましい警報が鳴り響いた。


『警告! 街上空に多数の未確認飛行物体が出現! 』


画面に映し出されたのは、無数の小型飛行物体。

群れをなすように飛ぶ姿はまさに虫の大群のそれである。


『近隣の街から通信です! 街上空に多数の未確認飛行物体が出現、突撃して自滅、また爆弾を投下している模様です! ただちにギアファイブは出撃を!!』


映し出される現場の状況、そしてその姿は……。


『小型ドローンだねぇ、奥の方にいる大きなやつからどんどん生成されている感じなのかなぁ〜』


高高度から街へ向けて特攻や爆撃を仕掛けてきている。


「メカの修理がまだ途中でも出撃だ! ギアファイブ、行くぞ!」


(天の声)

説明しよう! ギアファイブの彼らはこの基地に所属する戦闘員である!

有事に備えてメカ自体が生活に溶け込んでいる間は、割り振られた相棒の近隣で待機をしているが、前回の戦闘の修復作業のため全メカが基地に集まっていたので、そのまま揃って出動するのである!


レッドビークルを出撃不能で残したまま、5人のメンバーは現場へ急行!

レッドギアはブルーギアとともに、複座仕様であるブルーウィングに便乗して現場へ向かう。


「なんて数だ! これじゃあキリがない!」

「数だけいたところで! どりゃあ!」


上空から襲いかかる無数の自爆ドローンに対し、標準兵装の『ギアガン』で遠距離射撃を浴びせる。さらに急降下して接近してくる敵には『ギアソード』で手際よく叩き斬り、取り巻きのドローン群を次々と撃破していく。


各ギアも応戦し、ついに小型ドローンの打ち止めに至るまで撃破した。


「チッ、コソコソ隠れてないで出てきやがれ!」


取り巻きをすべて掃討され、逃げ場を失ったドローン怪人が空中から地上に降り、怒りに震えながらついに姿を現した。


「おのれギアファイブ……! よくも私の自爆ドローンたちを!」

「くっ、妙なことをされる前に片付けるぞ、レッド!」

「わかった! 今だ! 全員で合わせるぞ!」


5人は『ギアガン』を連結させ、ターゲットを照準に固定!


『ギアガン・ハイパーブラスト!!』


極大のエネルギー波が直撃し、ドローン怪人は派手に爆散!

……だが、勝利の余韻も束の間。煙の向こうから怪しい影が現れた。秘密結社ディスラプトの総帥・デス博士だ。


「フハハハ! たかだか通常形態を倒したところで勝った気になっておるのか! ほれ、お約束だ。受け取れ! 巨大化ビーム!!」


怪人の残骸に向けて放たれたビームにより、ドローン怪人が街を見下ろす超巨大サイズへと巨大化復活を遂げてしまう!


「レッド以外は各ギアマシンへ搭乗だ!」

「ちょ! 置いていくなって! ブルーもう一人乗れるだろ!? もう一回乗せてくれって!」

『仕方ない……さっさとしろ! いくぞ!』


(※レッドビークルがないため地上に残ると危険なレッドギアを、複数搭乗可能なブルーウィングのコクピットへ再び回収!)


出撃可能な4機(ブルーウィング、イエローシャベル、グリーンライナー、ピンクラダー)が、巨大ドローン怪人へ応戦を開始。しかし、空中を素早く動き回る高高度の敵に対し、地上機の攻撃は虚しく空を切るばかり。


「今度こそは! そら、小型ドローンも出撃、いくぞギアファイブ!」

『チッ、地上組じゃ埒が明かない。俺とレッドのブルーウィングで上空の母機を叩く!』


単機で超高高度へ急上昇。完璧なドッグファイトでドローン群を次々と撃ち落としていく。

だが追い詰められた自爆ドローン群は、黒い雲のように一箇所に集結すると、巨大な重爆撃ドローン怪人へと合体した!


「ぬははは! 束になれば巨大ロボ同然! 高高度からの爆撃で全滅させてやるわ!」


巨大化により火力を増した空中爆撃が襲いかかり、単機での空戦に限界が見え始める。


「相手が巨大化した! ここは合体して対抗するぞ!」

『おい待て相棒! 合体用フレームの中核を担うレッドビークルがいないんだぞ!?』


焦るコクピットのモニタに、缶コーヒーを持ったギア博士の顔がヌッと映し出された。


『あー、聞こえる? 大丈夫大丈夫。レッドがいない時用に、ブルーウィングが胸部と頭部を担当する「空中戦特化型4機合体」の裏コマンド組み込んであるから。まあ説明書読む暇ないだろうし現場のノリで合体だね〜。大丈夫そこまでシビアじゃない……はず。それじゃあデータ採取もあるし……頼んだよ〜』

『聞いてないぞそんな突貫仕様ーーッ!!』


「よし! やっつけだが……緊急合体だーーッ!!」

『だ、だいじょうぶよね!? ぐぬぬぬ……や、やってやるわよ!』


ガコン! ガコン! 4つのギアが変則的に噛み合い、俺(ブルーウィング)を胸部と頭部、両翼を背中に展開したスマートな飛行型形態へ緊急変形!


『完成! ギアキング・ウイングカスタム!!』


その瞬間、コクピットのメインモニターに赤字で不穏な警告メッセージが点滅した。


【警告:不完全フレームによるエネルギー過剰消費。空中稼働限界時間:15分00秒】


『……おいマッドサイエンティスト! この「稼働限界15分」という表記は何だ!?』

『あ、言い忘れてた〜。地上機を含めた4機を強引にホバリングさせてるから超燃費悪いの。15分過ぎたら最低限の燃料しか残らないから強制分離して落っこちるよ〜。地上組はそのまま落下するから無事じゃ済まないかもだけど、サクッと倒してね〜』

『無事じゃ済まないで済ませるなバカ野郎ーーッ!!』


レッドがいないためパワーや強引さに欠ける上、15分を過ぎれば仲間が地上へ叩きつけられるという超シビアなタイムリミットまで背負わされた。だが、圧倒的な「機動力」と「旋回性能」が全身に満ちる!


「ハッハッハ! 4機足らずの不完全な合体ロボで、この上空の覇者に勝てると思うなよ!」


残り時間を示すデジタルタイマーが刻々と削られる中、急降下しながら極大の爆雷を投下してくるドローン怪人。


【残り時間:02分15秒】


『チッ、あの巨体で上空を押さえられると時間切れになる……!』

すると再びモニタにギア博士が映る。


『あ、そうだ。ちょうど今日、試作の巨大ロボ用近接武器「ギアキングソード」が完成しててね。転送するから、空中旋回からの回転力で両断しちゃって〜、いいデータが取れるぞぉ〜』

『転送の手際だけは無駄に良いな!』


ギアキングの右腕に、超高振動の大型実体剣「ギアキングソード」が転送・装着される!


「一気に決めるぞ、ブルーウィング!」

『言われなくても……一撃で終わらせる!』


【残り時間:00分45秒】


背中のメインスラスターを限界まで逆噴射&全開!

超高高度の寒気を切り裂き、ギアキングはドローン怪人の懐深くへと超音速ダイブ!


「な、なんだその速度はーーッ!?」


すれ違いざま、急激な空中旋回を敢行!

超Gによる遠心力と機体の回転力を限界まで乗せ、ギアキングソードを一閃!!


『ギアキング・ソニックシュラッシュ!!』


ズバァァァンッ!!


一瞬の静寂の後、すれ違ったドローン怪人の巨体が真っ二つに両断され、空中でド派手な大爆発を起こした!


【エネルギー残量限界:安全装置作動 — 強制分離】


「うわああああっ!? 燃料切れだーーッ!?」


ドカン!!と爆発する光を背景に、タイマーがゼロになった瞬間に合体が強制解除!

上空数千メートルで分解される4機。俺(ブルーウィング)は滑空体制に入ったが、地上組の3機(イエロー、グリーン、ピンク)は真っ逆さまに自由落下!


「うわああーっ! マジで無事じゃ済まねぇぇぇ!!」

「絶対助からない〜〜〜っ!」

「ワシがただの鉄の塊にーーッ!?」


死を覚悟して叫び散らかす地上組。

……とその時。


ポコン! ポコン! ポコン!


地上組の3機の天井から、カラフルな大型緊急パラシュートが一斉に展開した。

ふんわりと減速し、ユラユラと優雅に下降していく3機。


「……あれ? 助かった?」

「パラシュート付いてたの!?」


ドシン、ドシン、と少し衝撃はあったものの、拍子抜けするほど安全に地上へ着陸する地上組。遅れて俺も滑空して隣に着陸した。


プシュー……。


安堵の溜息をつく俺たちの通信コンソールに、缶コーヒーをすするギア博士が能天気に映し出された。


『あ、言わなかったっけ? 落下安全用に緊急パラシュート仕込んでおいたんだよね。聞かれなかったから言ってなかったけど〜』


「「「言えよーーッ!!!!」」」


全員の怒号が荒野に響き渡る。

……そこへ、ジャッキアップされたままのレッドビークルとビデオ通話状態にしたタブレットを片手にしたギア博士が直接歩いてやってきた。


ボロボロになり刃が刃こぼれしまくった『ギアキングソード』をコンコンと突っつきながら、博士はどこか楽しそうに呟く。


『ふむふむ、なるほどねぇ。強引な空中旋回でG負荷がかかると、ここの振動軸がこう歪むわけか……。ま、所詮は試作品だしね。でも良いデータが取れたよ。近いうちにバージョンアップした完璧な「ギアキングソード」を作れそうかなぁ〜』


「呑気なこと言ってんじゃねぇ! 4機合体の負荷で全機のフレーム歪んでんだぞ!?」と叫ぶギアファイブの5人。


『あ、そうそう。部品取り寄せに1ヶ月かかるから、全員しばらく出撃不可ね〜』


『……おい相棒。動けるイエローのアームを使って、今すぐあのマッドサイエンティストをブチのめせ』

「おいイエロー! アーム動かせ! 博士を捕まえろ!」

「ガハハ! 任せろ! どりゃあーーッ!」


追いかけ回されているのに余裕で回避する博士と、煙を吹く俺たちの怒りが夕空に響き渡るのだった。

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