大吾とアジト④
●前回のあらすじ●
ヴィヴィは監視が得意で可愛かった。
堕天使、とは。
主神から離反した天使。
天使が堕落した理由は様々で、高慢によるもの、嫉妬によるもの、自らすすんで堕落するもの、など。
堕落した天使は天界から追放され天使としての力が失われていく。
しかし堕天使の力の源は天使とは異なり嫉妬や怒り、憎悪となる。
その力を取り入れた天使の羽はやがて黒色に染まっていき完全な堕天使となる。
「マール、知ってる天使か?」
「い、いえ…、知らない方です。それに黒い羽を持つ天使は、見た事が、ありま、せん」
俺の問いに苦しそうに答えるマール。
以前もあったが負の感情である黒い霧、それを吸収した黒い翼は純粋な天使であるマールには毒なんだ。
今は黒い霧は出ていないが、今日も吸収してきたのだろう黒い翼を持っているちっぱい天使も相当に消耗しているらしく息切れをしているのでその翼を見るだけでも苦しいのかもしれない。
俺はマールの背中をサスサスするが、マールは大丈夫です、と目で答えた。
「アタシが天使かどうかは‶視れば″わかるでしょ? 天使のアンタなら視れるよね?」
「視る…? あっ。天使の目のスキル…」
「そっ。アタシは別に気にしないから視てもいいよ」
ちっぱい天使の言葉を受けてマールは俺にどうしましょう? とハテ? してきた。
苦しそうなマールちゃんだけどいちいち可愛いちっぱい天使たまらん、ってそんな事言ってる場合じゃねぇから俺はコクンと頷いた。
そしてマールは擦れるような声で相手のステータスを視た。
チハ(20/人間換算)【堕天使】
レベル:72
HP…525
MP…268
STR…881
DEF…403
INT…250
MND…250
DEX…692
AGI…411
LUK…79
スキル/
天使の目…相手のステータスを見る事が出来る。モンスター相手ならドロップアイテムを見る事も出来る。
堕天使の羽…毎秒5のMPを消費して飛ぶことが出来る。飛ぶスピードはAGIに比例する。
堕天使の輪…闇属性のモンスターからのヘイトを0にする。
イービル・グラント…闇属性、炎属性を自身に付与する。消費MP30/五分間。
フレア…自身周辺に炎の壁を出現させ防御するスキル。消費MP40。
堕天の拳…相手の状態に関係なく物理攻撃を行うことが出来る。霊体など実体がない相手にも攻撃が可能。
反逆の狼煙…リーダー、ボスモンスターに対した時自身の能力を50%向上させる。
重拳…パッシブスキル。頭部に攻撃が当たった場合、スタン確率を30%向上させる。
怖い(ガクブル)。
以前の記憶がフラッシュバックして足のガクブルが止まりません。
ボコボコにされた時のちっぱい天使が何レベルだったのか、どんなスキルを覚えていたのかは知らないけど俺は一発で崩れ落ちたよ。かなり重い一撃だった。重拳覚えてたのかな?
「これでわかったでしょ? 『マール』、『ダイゴ』、『スズラン』、そっちのフルプレートの人は魔法スキル無効で視れないけど双壁の戦乙女のメアね」
俺たちの名前を知っている。
相手も天使の目を持っているのだ。ステータスは確認出来る。それにレベル差も。
メアが今どれくらいのレベルにあるのは知らないけど、俺のレベルは1、マールは7。
まともにやり合って勝てる相手じゃない。ここは話し合いで解決しましょう。穏便に行きましょう。
そんな訳でちっぱいスカウターこと看破の神眼を発動。
この子とは何回か会ってるけど、会う度にその瞬間顔面を打ち抜かれるからちっぱいレベルを測れる暇がありませんでした。
でも今はお互い何もしてないし絶好の測定チャンスです。
俺の予想ではこのちっぱい天使もマールクラスまでは行かずとも相当のものをお持ちだ。どれどれ?
ちっぱいレベル‶50″か。
…。
…。
……え?
50?
おかしい。
歳はマールと同じ。
身長も並んでみないとわからないがマールより少し小さいくらい。
体型は武闘家らしくシュッと伸びた四肢が綺麗なスレンダー。
そしてちっぱいもマールと同じかそれ以上、しかし自己主張の激しさはあまりないちっぱい様なのにレベルが50…?
どういう事だ?
今までちっぱいスカウターで測定ミスをした事はない。
天使のマール相手でも魔王のヴィヴィ相手でも誰でもだ。
だから例え堕天してると言ってもこのチハという天使のちっぱいも測れるはずなのにちっぱいレベルは50のまま。
うーん。どういう……待てよ?
この看破の神眼、あらゆる遮蔽物に干渉されずに見透かす事が出来るもの。
発動条件が相手の顔の一部が見えている事なのでメアには使えないが、もしメアがちょっとでも顔を見せてくれれば魔法スキル無効のフルプレートを着ていようがそれに干渉されずにちっぱいレベルを測れるんだ。ちょっとだけお顔見せてくれないかな。
えっと、俺の神眼は本来のちっぱいレベルを測るもの。
つまり。
「盛ってる、か」
「あ?」
ピキッって音がしました。
あれ? 僕なんか踏んじゃいました? 何かいけないの踏んじゃいました?
「今…何つった?」
ちっぱい武闘家がピキピキしてます。
あらー。やっちまった。まさかパッド天使だったなんて。
でも俺は止まりません。
だって嘘は言えない性格だし、ちっぱいを卑下する事は例えちっぱい女子でも許さないから。
「胸パッドで盛るなんていけない。今すぐやめなさい」
「だいご、それは言ってはダメよ。胸パッドをしてるのはあの子だけじゃないの。もう言わないであげて」
「え? まさかスズランちゃんもパッドしてるの?」
「私じゃなくて、その…」
言い淀むとはスズランらしくない。
そのスズランはメアの方をチラチラ見てるし、見られてるメアもプルプルしてるしでどうしたんだろう。
まさかメアちゃんはフルプレートだけがお胸様膨らんでるだけで本当はちっぱい女子だったりするの? でも何でそんな事するの? 何でわざわざ自分を悪く見せようとするの?
「ケイもそうだったけど男って何でこう、人が気にしてる事をズカズカと言ってくるかな」
ニタァと笑いながら手の骨をポキポキ鳴らして近づいてくるちっぱい武闘家怖ぇ。
ちょっとだけおしっこちびった、って。
「やっぱりケイと知り合いだったんだな。っていうか転移者だったんだな。お前も、ケイも」
「え? どういう事ですか?」
「あれマールちゃん、もう苦しくないの?」
「大吾さんがあの方のお胸の事を言い出したら怒りが込み上げて気分が良くなりました」
「マールちゃんそれでその気分が良くなっちゃダメだよ。いつものマールちゃんに戻って。俺の事大好きなマールちゃんに戻って」
「大好きとは」
危うくマールまで堕天使になるところだった。
俺はマールを宥めつつ話を進め…、たいところだけど、お相手がめっちゃピキピキしていつ殴りかかってくるか分からない怖い。でも俺は悪くない(自己暗示)。
「ケイが言ってたんだが、最初はケイも冒険者だったらしいんだ。でもランクが上がるに連れてついていけなくなり、今の店を開いた。『俺にはこっちの方が向いてた』って」
「そうだったんですか」
「それはそうだ。ケイは『自分が想像する物をクリエイトする能力』を授かったのだから」
「え?」
そうだな? と、チハに目で確認する。
怒りで我を忘れて通じないかと思ったけど、ケイの話になると怒りの炎が目から消えて行くのがわかる。
「お察しの通り。アタシが創造神様よりケイに授けた能力は『アイテムクリエイター』の力。効果は自分が想像するものを出す事が出来るというもの」
「ケイとお前がいつこの異世界に来たのかは知らないけど、この世界にやたら現代のものが出回ってるのはケイが出したものだったからだな」
「そうね。最初は冒険者をしていたから聖剣や魔剣などを作ろうとしていたけど、ケイは武器防具を作れてもそれを扱うだけの力が無かった。だから冒険者を辞めてお店を開くようにした」
「お前はやらないのか? ケイはお前が帰ってくるのをずっと待ってるんだぞ」
前に聞いたちぱ子失踪事件とクラン勧誘のお断りでの話。
恐らくはこのチハというちっぱい武闘家がケイがクランを一緒にやろうと話してたちぱ子だろう。
ちぱ子のチハ。完全に一致である。ケイもいいなって言ってたもんね。
「アタシは武神の天使なんだ。戦う以外には能力がない。店にいたって何の役にも立たないんだ」
「じゃあケイと一緒にクランを作ってケイが作った装備で冒険者を続ければいい」
「アンタ、天使と一緒にいるくせに天使の事何も知らないんだね」
「…え?」
ジッと見てくるチハ。
その目は先程の怒りの目でもケイの事を話すちょっと穏やかな目でもなかった。
例えるなら何も感じない無の目。何かを諦めたような目だった。
「天使の力の源ってのは知ってるよね?」
「えっと?」
チラリとマールに確認。
マールはギクッとあからさまに目を逸らした。
あ、あれ? マールちゃんどうしたの? 可愛いお顔見せて。
「て、天使学の授業はいつもお昼前にやっていたので意識が魍魎としていて話が全然入って来ませんでした」
「天界でもフルもっふ族だったんだねマールちゃん」
そして天界にも学校みたいなのがあったんだね、と。
マールちゃんの制服姿…、ふっ。
マールちゃんの体操着姿…、ふっ。
マールちゃんのスク水姿…、……ぶほっ!
「大吾さん? 血液サラサラ健康体レベルで鼻血が出てますけど大丈夫ですか?」
「おっと…」
軽く1500ccくらいは出したかな。
闇の帝王との吸血麻雀では命とりの致死量である。栄養ドリンク飲まなきゃ。事前に輸血で血を増やしておかなきゃ。
でも今はちぱ子の話を聞きましょう。
「天使と神は本質的には同じ神族。その力の源もまた人々の崇拝の力で成り立っている」
「なるほど」
これでまた一個疑問に思ってた事が解決された。
俺も一応はちっぱいの神という括りになり、マールも自称女神の天使であるしレベルを上げるには信者を増やさないといけない。
異世界に来る前のあの謎空間でも最上位の神々以外の力の源は人々の信仰だってマールが言ってたもんね。
つまり普通にクエストを受けてモンスターを倒す、アイテムを収集する、だけではレベルは上がらないという事だ。
前にコーコー鳥の卵の殻納品をやったけど全然レベル上がってなかったもんね。
初級すぎてダメだったのかと思ったけど、バニラ捕まえてもダメだったし、護衛でもダメだった、アーティファクトを手に入れてもダメだったしどういう事なのかと思ってた。
討伐クエストまではいかないにしても収集クエストでも経験値が貰えないと専用で受けるような冒険者がいる程の人気にはならないだろうし。
だから。
「だからアタシは、堕天使になった。堕天使になって、力を付けて、ケイを守りたかった。堕天使の力の源は天使と違って人の『負の感情』。それを吸収する事で力を得る事が出来る。その為なら少しくらい苦しい力にも耐えられた」
そういうチハは悲しそうに、しかし確かに笑っているように見えた。
見えたの、だが。
「そこまでケイが好きならそれこそ一緒にいたらいいのに」
と、俺がそう言った瞬間。
「なっ!? べ、べべべべべべちゅにケイの事なんかしゅきじゃないし! 一緒にいしぇかいに来ただけだし! ケイの事なんか全然何とも想ってないし!」
って仰った。
俺たちは皆一斉に『うわぁ…』と声を漏らす。
典型的も典型的、超王道のツンデレちゃんじゃねーか。今時珍しいくらいだよここまでの王道キャラは。
これも前にマールに聞いた話だけど、天使は異性と仕事以外で話す事は滅多にないらしい。
そんな天使でこんな性格の子がイッケメーンのケイと一緒に異世界に来て一緒に冒険して苦労を分かち合った日にはどうなるのかは火を見るより明らかですわ。
この子完全にケイにほの字ですわ。しかもベタ惚れ。ちっぱい女子に好かれて羨ましいな、ケイ。
「それにアタシはもう堕天使で街の皆からも嫌われてる存在。昼間は翼を隠しているけど、夜になって抑えが利かなくなったらケイに迷惑がかかるから」
今までみたいに陰からケイを守ることにするよ、と。
ケイが出した天使捜索クエストでチハと受けるタイミングが重なったあの時。
あの時も偶然ではなくケイのクエストを受ける為にこの子はあのクエストを探し当てたのだろう。
何という献身。何という一途な心。何というちっぱい。
しかしこうなるとますますケイの元に帰したくなるお節介などうも俺です。
チハがどう思おうとケイはこの子の帰りを待っている。
なら帰してあげなければ。親友として。ちっぱいをこの上なく愛でる会の仲間として。
「ちなみに聞くけどタワワニ・ミノルと一緒にクエスト受けた後に消息を絶ったのって」
「ケイがあの脂肪女たちを変な目で見てたから見返してやろうと思って」
「変な目っちゃねーだろ変な目っちゃ」
「大吾さん? 大吾さんは気付いてないかもしれないですけど、女性は男性の視線には男性が思っている以上に敏感ですよ」
「そうよだいご。だいごなんか特に眼球に血管浮き出るくらい凝視するんだから注意しなさい」
「さーせん」
ちっぱい見てるのバレテーラ☆
でも辞めない。だってそれが俺の力の源だから。
「言っておくがケイに好かれようとその胸パッドをしてるんならそれは愚か以外なにものでもないぞ」
「……えっ」
「ケイはちっぱい好きだ。転移者のお前ならわかるだろ?」
これも俺がケイとこの子が転移者であると思った理由の一つ。
この異世界に『ちっぱい』と言ってすぐに分かったのはケイとチハだけ。
ヴィヴィもスズランもメアもアンナも、ここに住む他の人たちは皆ちっぱいという言葉を知らなかった。
しかしケイは知っていたし、チハも俺が『今日もいいちっぱいだね!』と言った瞬間顔面に拳をぶち込んだ。あれは痛かった。
「その胸パッドをどこで仕入れたのかは知らないが、何でもクリエイト出来るケイの店にはそんなもの無かったはずだ」
ねぇものはねぇケイの店。
しかし胸パッドだけはねぇ。ねぇもんはねぇんだ。
「他にもちっぱい女子が映えるような服をケイの店は揃えていたし、何よりケイは‶無はちっぱいに含まれるのか?″という永遠の議題を出した張本人でもある」
「大吾さん。あとでお話があります。ちなみに正座させます。砂利の上で」
「あ、はい」
ふぇぇ…、マールちゃんに怒られるよぉ…。
でもねマールちゃん。この問題だけはちっぱい好きには避けて通れない道なんだ。
無はちっぱいに含まれるか否か。
無とは言葉の通り0。ゼロ。零である。Aが巨乳に見える程のAA、AAAまであるZERO。
ちっぱいとはちっちゃいおっぱいの略称。
ちっちゃいとは小さい。つまり多少なりともプラスで正であるという事。
しかし無とは0。
0はプラスでもなければマイナスでもない正の整数でもなければ負の整数でもない特殊な数。
これを小さいと指していいのかどうかが我々ちっぱいをこの上なく愛でるの会の永遠の議題になりそうなんです。
「つまりお前は胸パッドで盛ってはいるが本当はAAAクラスの無」
「誰が断崖絶壁のヌリカベだコラーーーッ!!!!!」
ドムッと一撃、顔は*。
なかなかのスピードとパワーだ。
全く反応出来ませんでした。
今のは俺が悪かったけど陥没するまで殴る事ないじゃないか。しかも断崖絶壁なんて言ってないし。
こうなると息するの大変なんだからね。ぷーぷー音鳴って笑われるんだからね。
そんな訳でマールちゃんに代読をお願いします。
「*」
「つまりお前は堕天使から天使に戻れればケイの元に帰るんだな? …と大吾さんは言ってます」
「前々からタフな奴って思ってたけどスキルで耐えてたんだ。これなら本気でボコボコにしても問題ないよね」
「*」
「えっ。今までの本気じゃなかったの? 手加減してあのレベルなの? 本気出されたら俺どうなっちゃうの? と、大吾さんはガタガタしてます」
「一ヶ月くらい顔が戻らないかもね。あとさっきも言ったけど、アタシは武神の天使。商人になったケイの傍にいても力になってあげられない。だから堕天使の力でも陰からケイを守って行こうって決めたんだ。だから戻るつもりはない」
「*」
「えぇ!?」
「*」
「いや、いいからって…」
「…なに?」
「ケ、ケイさんはチハさんが帰って来たらプロポーズをするって言ってるみたいです」
「ぷろっ!」
「*」
「チハさんとそしてこれから産まれてくる子供たちの為に今はお金を貯めているって」
「あわわわわ…」
「*」
「行く行くはシルヴェストリののどかな街で庭付き一戸建てで家族で平和に暮らしたいって」
「あわわわわ…」
「*」
「だから胸パッドなんか捨てて帰って来てくれって」
「それは言ってないでしょ」
バレたか。
もちろんケイからはそんな話を直接聞いた訳ではないけど、多分こんな感じの事を思っているはずだ。
嘘は付かない俺だが嘘をつきました。
だからケイにはこれが嘘にならないように根性を見せてもらわないといけない。
俺と歳も近そうだし、店のオーナーもしているケイ。身を固めてもいい頃だと思うの。嫁を取ってもいいと思うの。
マールちゃんからは大吾さん嘘言っちゃダメじゃないですかって目をされるけど、優しい嘘もあるの。今は許してね。
「で、でもアタシは…武神…」
「武神武神うるせーなさっきから! ケイは力があろうがなかろうがお前に傍にいてほしいと思ってるのに! と、大吾さ」
「うっ、うっさい!」
ドムッと追加の一撃。顔の*が深くなりました。
ちょっと? 追いパンチは無しでお願いしますよ。せっかくマールちゃんがサスサスしてくれて戻りかけれるのにさっきより酷くなっちゃったじゃねーか。
でも代読をお願いしてるマールじゃなくて俺に手を出してくれた事には感謝します。
それと同時に命拾いしたなちぱ子。
もしマールにかすり傷一つ付けようものなら俺は武神も真っ青の破壊神になるところだったよ。
「アンタたちに何が分かるっていうの! ケイだって本当は冒険者として成功したかったんだよ! でも自分には力がないからって諦めたの! そこでアタシまで冒険者を諦めたら本当に終わりじゃない! 挫折して不幸にあったケイが異世界でもまた不幸になるなんて、そんなの…!」
確かに俺は今、とんでもないお節介をしているのだろう。
でも。
それでも。
「俺は全てのちっぱい女子が幸せになる世界を作るのを目標にしているちっぱいの神だ」
半ば強引に*の顔面を引っ張り出し、自分の言葉でチハに伝える。
おー痛ぇ。手加減してもこの威力なんだから相当ですよこの子。武闘家だしヴィヴィやユリさんと戦ったらいい勝負するんじゃないかな。
「俺の創る新世界に悲しむちっぱい女子は一人としていてはいけない。ケイを想うお前の気持ちは凄いと思うし、尊敬するがお前自身が幸せにならない現状を知って見て見ぬフリは出来ない」
だから、と。
「俺がお前を天使に戻してやる。武神のプライドとやらをへし折って。その為に、俺はお前を倒す」
こうはなりたくなかったけど。
出来れば話し合いで解決してケイの元に戻って俺たちは晴れて教会ゲットで皆幸せ! になるのが最高のハッピーエンドだった。
だけどこのちぱ子は言う事聞かないし強情なので強行手段に出ます。
拳で語り合う。
武神の天使が堕天してまで得た力がレベルが圧倒的に低い俺に通じないとなれば諦めもつくはずだ。
そんな訳でこれより『ちっぱいの神vsちっぱい堕天使 ~幸せをかけた神々の戦い~』を始め
バキャッ
ようとしたところで俺は教会の天井に頭から突っ込んだ。
どうやら蹴り上げられたらしい。
今の俺は顎から上が天井を突き破ってプラーンしてる間抜けな神様だった。
ちっぱい女子に対して有効な攻撃手段がない大吾さんは奇跡を起こせるのか!




