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第3章28
「ナト!」
吹き飛ばされたナトリウムの方に一瞬、視線を移したカナだが、その隙にダンはカナの脇腹に蹴りを入れた。
「ぐっ!」
カナは倒れ込む。
「やめてください!ダン様!」
ナトリウムは、ダンの後ろに回り、羽交い絞めにした。ところが、その後ろから、無数の石礫がナトリウムに襲い掛かった。
「痛っ!」
その礫が飛んできた方向に目をやると、1人の女が松葉杖をつきながら、立っていた。
「ケタミンさん!」
ケタミンは、さらに右手をカナに向かって振りかざした。