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第3章25
「王様!ダンがどの方向に行ったのかわかるか!?」
カナが尋ねた。
「市街地に向かったのでないのは、確かじゃ。もしそうであれば、大騒ぎになっておる。もし魔人がいても騒ぎにならない場所があるとすれば、旧ヘルペス村じゃ。」
「ヘルペス村!?」
「ヘルペス村は、ハリケーンの大水害で家屋や畑が流されて、多数の死傷者が出たのじゃ。生存者も避難先の余所の土地にそのまま住み着いて、今は廃村になっておる。」
「確かにそのような場所なら、魔人が潜んでいても、おかしくはありませんね。」
そこまで話が進むと、ナトリウムはカナに向き直った。
「僕はヘルペス村に行こうと思います。カナさんはどうしますか?どうしても怖いなら、ここで待っていて下さい。」
本来、臆病なナトリウムにしてみれば、勇敢な台詞である。
その言葉に、カナの目が潤んだ。本当に怖いのだ。
それでもカナは、こう答えた。
「私も行く!」
そんなカナに、ナトリウムは今までに抱いた事のない感情を抱いていた。
男としての保護欲である。
戦闘能力という意味では、圧倒的に上のカナに対して。
そんな気持ちを抱いたナトリウムとカナは、2人でヘルペス村へと向かっていった。




