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【視聴者さん】転生先はVRMMOのNPC!?転生して最弱の錬金術師になった私はゲームの中からVtuberとして配信します!【助けて】  作者: 猫月九日
王都編

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第18話 ヴァルキリー

 ヴァルキリーは北欧神話における半神の女性のことだ。

 戦乙女とも呼ばれる。

 というのを、視聴者さんが教えてくれた。


 そのことを意識しているかどうかはわからないけれど、3人とも女性のパーティだ。


 まず、私に最初に話しかけてきた全身鎧さんはセシルさんという名前らしい。

 大きな盾で味方を守る、タンクの役割とのこと。

 私のことをアリス殿と呼んできたりするちょっと義理堅そうな印象の人。

 まぁ、顔見えないからどんな人かわからないけど。


 次に魔法使いのジニーさん。

 ジニーさんがこのパーティのリーダーらしい。

 曰く、


「他の二人に任せるとしっちゃかめっちゃかになるから、しょうがなくよ」


 とのこと。

 なんだかとっても苦労人の匂いがする。

 でも、笑顔が素敵な大人の女性だ。


 最後に、剣士のヴェラさん。

 一人称でちょっとびっくりしたけど、女性らしい。

 3人の中で一番背が高い。


「ふぁぁ……」


 あくびしてる。

 正直、かなりちゃらそうな印象。


 この3人でヴァルキリーというパーティを組んでいるらしい。


「それで、採取に行くってお話だけど」


 改めて、私を含めて4人でテーブルについて話し始めた。

 主に話すのはリーダーのジニーさんだ。


「はい、えっとレジーナさんからどのくらいお話聞いてますか?」


「うーん、優秀な錬金術師の護衛をしてほしいってくらい?」


 全然話聞いてないってことね。


「それでよく受けてくれましたね……」


「ギルマスからどうしてもって頼まれてね。それに、優秀な錬金術師さんっていうのも興味があったから」


 なんか期待されてる? 大丈夫かな?


「心配しなくても大丈夫だ。少なくとも今この街で活動してる錬金術師よりは優秀だろう」


「えっ?」


 急にセシルさんが口を挟んできた。


「それはその通りね。あそこの店主は無駄にプライド高いのよね」


 ジニーさんもそれに同意する。

 この街の錬金術師ってどんな人なんだろう……ちょっと不安だよ。


「まぁ、それはともかく、一緒に探索に行くわけだし仲良くしましょう」


 気を取り直して改めて今日行く場所についての話。


「私としては、できるだけ危険がなくて良い錬金術の素材が多く取れるところがいいんですが……」


「ふふ、贅沢な注文ね。でも、大丈夫よ。この街の周囲くらいなら私達で守れるから。あ、そうだ」


 ジニーさんはなにやら紙を取り出した。


「この辺りの地図よ。近くにある採取地とかは書いてあるわ」


 覗き込むと確かにこの辺りの地図だ。

 王都を中心にして、周りに採取地が書かれている。これちょっと欲しいかも。


「好きに選んでいいわよ。ここの地図に載っている範囲ならどこでも大丈夫よ」


 自身満々のジニーさん。セシルさんも頷いている。

 そっか、ちゃんとした冒険者さん達だもんね。

 それなら、一人じゃ取れないような素材を取りに行く方がいいのかも?


 いや、むしろ素材にこだわらずにレベル上げのチャンス?

 私は守ってもらいつつ、遠くからチクチクと撃ってるだけでレベル上げできる?


『なんか悪いこと考えている予感?』

『そんなアリスちゃんに限って……』

『敵のHP分の固定ダメージアイテム用意して封殺しようとした女の子ぞ?』

『草w』


 なんか視聴者さんたちが勝手なこと言ってるけど無視。

 経験値を得るためには、できるだけアイテムを使う必要があるわけだから。

 そう考えると、できるだけ危険なところ?


『なんかいい素材……』

『やっぱり鉄じゃね?』

『そうなると少し戻ってアイアンゴーレムか?』

『一人でも倒せるけど人数いればそれだけ早く周回できるからね』


 なるほど、新しい場所じゃなくて戻るっていうのも手なんだ。


『でも鉄、モーリスさんからもらってなかった?』

『もらってたけど、全然足りてないよ』

『鉄は汎用性高いからなぁ』


 そうなんだ。じゃあ、決まりでいいかな。


「えっと」


「あら? 決まったかしら」


「はい。この山の方に行きたいんですが」


 地図にはしっかりと私が通ってきた山が載っている。


「南の山かしら? 私たちは大丈夫だけど、アリスちゃんは山道を歩くのは大丈夫なの?」


「あ、いえ山を登るわけじゃなくて……」


「あら? 麓の方で手に入る素材は王都の周辺とあまり変わらなかったと思うんだけど?」


「山には行くんですが、洞窟に行きたくて」


「……洞窟なんてあったからしら?」


 ジニーさんが首をかしげる。

 あれ? 洞窟の事知らない感じ?

 やっぱりあの洞窟って一般的に知られているものじゃなかった?


「はい。私そこを通ってここまで来ましたから」


 そういえば、こっち着いたら聞こうと思ってたの忘れてたよ。


「アリスちゃん……それ本当かしら?」


 ジニーさんが真剣な目で私の事を見てくる。目が鋭くてちょっと緊張してしまう。


「は、はい。入り口がかなり小さいので見つけづらいかもしれませんが」


 緊張しつつもしっかりと返す。


「……セシル。どう思う?」


 ジニーさんはなぜかセシルさんに尋ねる。


「洞窟があるなんて話聞いたことがないな」


「だよね。でもアリスちゃんが嘘をついている感じもないし……」


 やっぱり疑われちゃってる感じ?


「しかし……、もしも洞窟があるのだとするとユアンヌへ行くのが相当楽になる」


 本当は山をぐるっと回っていかないと行けないんだよね。


「そうなのよね……」


 ジニーさんが悩み始めた。

 私はそれを黙って見守っていると、


「まぁ、行ってみればいいんじゃね? なかったらなかったで山でも登ればいいっしょ」


 突然、これまで黙っていたヴェラさんが口を開いた。

 口調は適当っぽいけど、私にとっては悪くない。


「……そうね。それじゃあ、行ってみましょうか」

 

 そんなわけで、南の山に向かうことにした。


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