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【視聴者さん】転生先はVRMMOのNPC!?転生して最弱の錬金術師になった私はゲームの中からVtuberとして配信します!【助けて】  作者: 猫月九日
王都編

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第10話 王都のアトリエ

「そんなわけで、リーズ先輩に怒られないためにも何か手助けできることはありますか?」


 あー、何かあるかな……

 考えたらGMさんに王都に行けって言われたからそのままに来ちゃったんだよね。

 この後どうしたらいいんだろう?


 考えたら今日泊まるところもない。

 あ、そうか、宿紹介してもらえばいいのか。


「宿屋の場所とか教えてもらうことはできますか? 王都に着いてからすぐにギルドに来たので」


「そうですか」


 テオンさんは何かを考えるようにした後。


「よろしければ空きのある錬金術師のアトリエに案内いたしましょうか?」


「えっ?」


「実は先日、錬金術師が一人高齢で引退をいたしまして」


「はぁ……」


「王都には他にも錬金術師がいるので商業ギルド的には問題ないのですが、皆さん自分のアトリエを持っているので空いたままになっているのです」


 これはそこを使っていいってことかな?


「アトリエには簡単な居住施設もついていますので、王都で活動する拠点としても使えるかと思います」


 申し出は凄いありがたいことなんだけど。


「そんなところ私が使ってもいいんですか?」


「ええ、持ち主だった錬金術師からもいい人がいたらと言われていますので。一応彼女に一声かけますが」


 つまり私はテオンさんのお眼鏡にかなったってことかな?

 その錬金術師さんが私を受け入れてくれるかはわからないけど。


「それじゃあ、お願いできますか」


「了解しました」



 そんなわけで、件の錬金術師のアトリエまで案内されることになった。

「ナディアです」


「あ、はい。アリスです」


 案内してくれることになったのは、私に最初に話しかけてきた受付嬢さんだ。

 受付嬢さん、あらため、ナディアさんに付いて城下町を行く。


 本当に広すぎる……

 これ、普通に迷うかもしれないなぁ。


『こっちの方に錬金術師の店なんてあったっけ?』

『ギルマスが引退したって言ってたから、店はもうやってないとか?』

『あー、なるほどね』


 どうやら視聴者さんたちも件の錬金術師さんについては知らない様子。

 視聴者さんたちの方にも同じ人がいるのかどうかはわからないけどね。


「こちらになります」


「これがアトリエですか?」


 案内されて着いたのは、私の家よりも立派なアトリエだった。

 ここに住んでいた錬金術師さん、相当優秀だったんじゃないかな?


「おや、開いているみたいですね? もしかして、モーリスさんがいらっしゃってるかも?」


そのモーリスさんっていうのが錬金術師さんかな?


「すみません、モーリスさん。いらっしゃいますか?」


「おや、どちらさまかな? 少々お待ちになって」


 ナディアさんが声をかけると、中から声が聞こえた。

 しゃがれた女の人の声だ。

 アトリエの扉が開くと、そこにいたのはイメージした通りの年老いた女の人だった。


「あら? 商業ギルドの?」


「ナディアです。お世話になっています」


 どうやらナディアさんとは顔見知りの様子。


「そうそう、商業ギルドの受付さんよね。今日はどうかしたのかしら? あら? そちらの方は?」


 モーリスさんが私の方を見た。


「彼女はアリスさんです。王都までやってきた錬金術師さんです」


「あ、アリスです」


 ちょっと緊張してきた。

 優しそうな人ではあるけど、この人にお眼鏡に私が適うかどうかはわからないし。


「アリスさんは一時的な滞在になる予定なんですが、錬金術師ということでこのアトリエを使ってもらおうということになりまして」


 さぁ、どうだろう。


「あらあら、まぁまぁ」


 私の懸念とは裏腹に、モーリスさんは嬉しそうに笑った。


「こんな若い子に使ってもらえるなんて嬉しいわ。どうぞ。お入りなさい」


 早速、私の事を中に招いてくれた。

 これは受け入れてもらえたのかな?


 あれだよね? こんな若い子に使わせるのか? みたいな変な裏があったりしないよね?

 素直に受け取っていいんだよね?


「アトリエは誰かに使ってもらえるのが一番だからね。今日も道具の整備をして誰か来ないかと待っていたのよ」


 受け取っていいみたい。

 モーリスさんに促されて中に入ると、そこは立派なアトリエだった。


 錬金術師に必須の釜、その釜には見たことのないような魔法陣が書いてある。

 しかも、それが一個ではなく複数個ある。大きさも全部違う。

 私の家に置いてあったような使い古しの釜とは明らかにレベルが違うのが見ただけでわかった。


「こんなところ……私が使ってもいいのかな……」


 ちょっと不安になってしまった。


「あらあら。アリスちゃんでしたっけ? あなたなら大丈夫よ」


 そんな私にモーリスさんはニコリと微笑んだ。


「私、人を見る目があるつもりなのよ」


 ウィンクをするモーリスさんはどこか自信ありげだった。

 ともかく、ここに住むことは許されたようだった。


「ここが、寝室で。あっちがキッチンよ」


 モーリスさんは家の中を案内してくれた。

 誰がすぐ来ても大丈夫なようにというのは道具のことだけじゃなかったみたいで、家具やベッドなんかも綺麗だった。


「食料は流石に常備してないんだけど」


「あ、それは流石に大丈夫です」


「そう? 何か困ったことがあったら言ってちょうだいね?」


 今日はもう遅いということで、モーリスさんとナディアさんは帰っていった。

 一人新しいアトリエに残された。


『無事王都にたどり着いてすぐに一国一城の主か……』

『モーリスさんいい人そうだったね』


「はい。とりあえず、明日改めてお礼を言いに行こうかと思います」


 モーリスさんとテオンさんにもかな? テオンさんは会えるかわからないけど。

 それに、明日は冒険者ギルドの方にも行かないとだ。


 やることはいっぱいだね。


「とりあえず、今日のところはこのあたりで」


 そろそろ時間だから配信は終わり。

 また明日から頑張ろう。



今日は2話、掲示板回を17時に更新します。

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