第9話 王都に到着
ゴーレムを倒した後に素材の鉄を手に入れた。
これで爆弾を強化できるようになるんだっけ?
「あれ? でもよく考えたら、これで錬金術一回分?」
沢山作るためにはまた取りに来る必要がある……?
『……そこに気がつくとは』
『1個で5個分くらいは強化できる』
『ゴーレムドロップで鉄は5個くらい?』
『25個強化爆弾あればまぁ、それなりに持つんじゃない?』
確かに拾えた鉄は5個。
25個かぁ、前みたいに物量作戦とか考えなければ十分かも?
ひとまず、今は急ぐことにしようかな。
「あ、出口かな?」
無事にダンジョンを抜けることが出来たみたいだ。
目の前には草原が広がっていて、振り返ると山がそびえ立っていた。
これを抜けてきたんだなぁ。
『おつかれー』
『王都まではもうちょいだよ』
『気を抜かずに行こう』
『そろそろ香水使ったほうが良いかも?』
あ、そっか、ここからも魔物とか出る可能性あるんだ。
香水を使ってっと。それと馬も取り出しておこう。
「ここからってどのくらいですか?」
『そんなかからないはず』
『最初の街から洞窟までとそんなに変わらんかった気がする』
なるほど、それじゃあ馬に乗ってすぐだね。
二度目の馬乗りはちょっとはうまくなった気がする。
馬で進むこと30分くらい。
「あ、あれかな?」
遠くの方に壁みたいなものが見えてきた。
王都に来たのは初めてだけど、結構でっかい。
『初めて見るとデカさにびびるよね』
『防壁しっかりしてるのはいいことよ』
『まぁ、魔物のいる世界だしね』
『それに今は魔王の脅威もあるから警備とかもしっかりしてるんでしょ』
そっか、この世界には魔物っていう現実的な脅威があるもんね。
街の方にも防壁あったし、それよりも重要な王都がしっかりしてるのは当たり前かも。
視聴者さんとお話をしながら進んで、王都の中に入った。
「おー、やっぱり広い」
無事に王都に入ることができた私は大通りをまっすぐに歩いていた。
ちなみに、馬はしまってある。
『王都めちゃくちゃでかいよな』
『最初の街の5倍くらい広い』
『迷うから気をつけて』
『とりあえず、商業ギルドかな?』
そうだね、とりあえず、向かう先は商業ギルドかな。
ギルドに挨拶をするのが基本だってリーズさんも言っていたし。
冒険者ギルドは後回しでも大丈夫でしょ。
『ちなみに、商業ギルドは通り過ぎてる』
あ、そうなんだ。すぐさま踵を返す。
『そこそこ、商業ギルドのマークがあるでしょ』
『左よ左』
『ちなみに隣が冒険者ギルドよ』
あ、これか。
キョロキョロしてたから見逃していたみたい。
お上りさんみたいになっちゃってるね。
とりあえず、入ろう。
中は街のギルドとあんまり変わらないかな?
ちょっと広くなったくらい?
「こんにちは商業ギルドへようこそ」
入ってキョロキョロしていると、受付の女の人に話しかけられた。
「本日はご依頼ですか?」
にこやかな笑顔にミナリアさんを彷彿して、ちょっと安心した。
「あ、いえ、依頼ではなくて……、王都には初めてきましたのでご挨拶をしに来ました」
「ギルド員の方でしたか、それではこちらへどうぞ」
女性に促されて受付のところに着く。
「お名前と職業をここにお願いします」
言われたとおりに、名前と職業を紙に記入する。
「アリスさん、錬金術師ですね。王都は初めてということで正しいですか?」
「はい。あ、これ。街のギルドからいただきました。紹介状? らしいです」
「拝見します」
リーズさんから預かった手紙を渡す。
中身は私も知らないんだけど、どういう内容なんだろう?
手紙を渡した瞬間、受付さんの顔色が変わった。
どこか強張っているように見える。
「アリス様、しょ、少々お待ちいただけますか?」
言い残すと、受付さんは丁寧にお辞儀をして奥に向かった。
どうしたんだろう?
『なんか変な反応だったね』
『手紙渡した瞬間だったけど』
『地味に呼び方も変わってた』
私もわからない、でも待つしかないよね。
しばらく待っていると、受付さんが戻ってきた。
「アリス様、お時間はよろしいでしょうか? ギルドマスターがご挨拶をしたいそうです」
「はい……えっ?」
……えっ?
「どうも初めましてアリス様、王都のギルドマスターをしておりますテオンと申します」
「あ、ご丁寧にどうも、アリスです。錬金術師をしています」
えっと、なんで私ギルドマスターさんに挨拶をしているんだろう?
王都のギルドマスターって偉い人だよね……
なんかやった……わけじゃないよね。
ついたばっかりだし。
「なんで私呼ばれたんでしょうか?」
わからないから、素直に聞いてみることにした。
私の質問に、ギルドマスター、テオンさんはキョトンした表情を浮かべた後、なにやら納得の表情を浮かべた。
そして私が渡した手紙を指差す。
「この紹介状のマークは商業ギルドでも重要人物を紹介するものになります」
確かに紹介状にはなんか金色の商業ギルドのマークがあるけど。
そんな意味があったんだ。
あ、それで受付の人が変な反応したのか。
「加えて、この紹介主のリーズさんは私の大先輩でもありまして」
テオンさんは困ったような表情だ。
「アリスさんには最大限の便宜を図るようにとの内容が書かれていました」
リーズさん!? その手紙そんな内容書かれてたの!?
「そんなわけで、これは直接お会いした方が良いと判断いたしました。……その様子だとアリス様自身はご存知なかったようですが」
全くもって知らなかったよ……
リーズさん、先に言っておいてくれたらよかったのに。




