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守護山娘シリーズ  作者: 白上 しろ
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大和三山は結ぶ㉝

香久はヤッカイを見下しながら言いました。

「木っ端微塵に消してやる!」

耳成と畝傍は味方ながら驚きました。香久は言葉を続けました。

「と、言いたいけれど、それじゃ、人間様が悲しむ気がする……」

耳成と畝傍はホッとしました。畝傍は言いました。

「そうですね。ヤッカイは人間様を苦しめますが、ここまで無抵抗の相手に手を出すのは人間様も良いとは思われないですよね」

耳成も言いました。

「今回だけは見逃してあげるもん」

香久は言いました。

「良かった。みんなもそう思ってくれて。今回は許してあげるわ」

と言いながらも、香久は満身創痍のヤッカイを、更に動けないように肩のあたりをしっかり踏んでいました。

「でも、もう人間様に手をだしたら駄目よ。次にやったら絶対許さないんだからね。大体人間様をここまで苦しめておいて見逃してもらえるなんて特別なんだから。分かってるの? 今回は許してあげるけど……」

そう言いながら香久は更にヤッカイを何度も強く踏みつけて続けました。

「どうして許してもらえるか分かってる? 人間様が悲しむかも知れないからよ。分かる? 本当に分かってる? その人間様に対して今度危害をくわえるような事があったら、今度こそ絶対に……」

と、香久の説教はまだまだクドクドと続きました。畝傍は悲しい気持ちになりました。

「(もう許してあげてください……)」

耳成も思いました。

「(段々ヤッカイがかわいそうに思えてくるもん……)」

畝傍は香久に恐る恐る言いました。

「香久ちゃん、もう、そのくらいに……」

香久はヤッカイから足を離すと、言いました。

「ええ。そのつもりよ」

ビックリするくらい普段の素の表情で香久は言いました。ヤッカイは力を振り絞り、体を起こしながら苦しそうに言いました。

「フフ…… フフフ…… この私をここまで……」

ヤッカイの台詞の途中でしたが、再び香久はヤッカイを力強く踏みつけました。衝撃でヤッカイは再び完全にのびてしまいました。さすがに耳成と畝傍は唖然としました。耳成と畝傍は言いました。

「何か、今しゃべってる途中だったもん」

「何か言ってましたよね?」

香久は言いました。

「きっと大した事じゃないわ」

畝傍は涙目で懇願するように香久に言いました。

「もう許してあげてください…… 香久ちゃん……」


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