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守護山娘シリーズ  作者: 白上 しろ
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大和三山は結ぶ㉙

三人は手を繋いで円の形になりました。円の中から小さな光が生まれ、次第に大きくなっていきました。塵に覆われた暗闇の中で、ぼんやりと光り始めます。

「なんだ、あれ?」

ヤッカイが不思議そうに言うと、光の方に向かって攻撃の姿勢を取りました。

耳成が大きな声で言いました。

「私たちは一人一人小さな山でも、力を合わせれば、どんなヤッカイにも負けないもん!」

香久はヤッカイをどこか見下すように言いました。

「人間様に危害を及ぼすなら、この私が! いえ、私達が許さない!」

畝傍はつむった目を静かに開けて言いました。

「そうです。私達こそ、人間様に選ばれた三つの山、大和三山なのですから」

光は急速に膨張し、ヤッカイをも呑み込んでいきます。

「なんだ!? これ!」

更に光は大和三山を遥かに超えていきます。


光は龍泉寺にも及びました。一瞬で光に包まれた稲村は驚いて、うっかり大事な剣を落としてしまいました。観音はすぐに稲村に伝えました。

「(剣が)落ちましたよ?」

しかし驚いて言葉を失っている稲村は気づいてくれません。大和三山の三人にこれほどまでに大きな力があるとは思いもしなかったのです。下から何かブクブクと音が聞こえました。剣は泉に落ちて沈んでいるようでした。観音は更に慌てて言いました。

「(剣が)しっ! 沈んでますよっ!?」


光は一瞬でしたが、日本全国に波及しました。ヤッカイの分子達は瞬く間に全滅したのです。

たった一人残ったヤッカイの本体もただただ驚いていました。

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