大和三山は結ぶ㉒
倒しても倒しても、次から次へと(順番に)現れる影のヤッカイ達。耳成達は苦戦を強いられて、段々と戦う力が無くなっていきます。ついには一方的に押される展開になってきました。動きが鈍くなった耳成達の体にも、淡々と着実に塵が積もり始めます。
竜泉寺。
観音は心配そうにいいました。
「耳成ちゃん達、かなり疲れきっています」
子角仙人はいいました。
「そうじゃな。影のヤッカイをいくら倒しても無駄のようじゃ。本体であるヤッカイを倒さねば」
稲村はいいました。
「それに気がついていないようですね」
「例え気がついたとしても、耳成達にヤッカイを倒す力が残っているかどうか・・・・・・」
突然、観音はいいました。
「何だか、水が濁り始めました!」
見ると水の表面が黒くなっていました。観音は子角仙人を見ていいました。
「水を入れ替えますか?」
「いや、竜泉寺の水は濁ることはないはずじゃ」
「ちょっと調子が悪いのでしょうか?」
「いや、機械じゃあるまいし」
稲村がいいました。
「それほど人間様の町が塵に覆われているという事なのでは?」
観音は驚きました。
「そ、それは大変です!」
観音は慌てて泉を指さしていいました。
「耳成ちゃん達! このヤッカイです! 本体のこのヤッカイさえ倒せばいいのです!」
しかし三人が覗く泉の表面はもう黒一面になっていました。稲村はいいました。
「そのヤッカイが、もう見えなくなっている」




