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守護山娘シリーズ  作者: 白上 しろ
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大和三山は結ぶ㉑

畝傍山。

 畝傍は火の玉を生み出しますが、すぐに膨れ上がり爆発してしまいました。火の熱がヤッカイの塵の爆発を誘発させてしまうのです。影のヤッカイは愉快そうにいいました。

「私達、相性抜群だね!」

畝傍は困ったようにいいました。

「これでは火の玉が使えません!」

畝傍はふと自分の髪の毛を見ると、髪はチリチリになっていて、涙目になりました。

「うねうねどころでは無くなっています!」

落ち込む畝傍を見て、影のヤッカイはいいました。

「攻撃出来ないのなら、埋もっちゃえば?」

畝傍の周辺に無数の塵が積もり、畝傍はあっさりと塵に呑み込まれてしまいました。影のヤッカイはいいました。

「はーい。おしまい、おしまい」

宙に浮いていた影のヤッカイは、地面に降りました。

「畝傍山、制覇ー。なんでこれまでのヤッカイがこんな山、攻略出来なかったのかな? 不思議」

影のヤッカイが歩くと、面白いように黒い粉塵が巻き上がります。

「うん。この高さまで町も塵を積もらせるか。綺麗な塵の地平になりそうだ」

影のヤッカイは楽し気に言いましたが、気になっている事がありました。

「なんか、暑い? 気のせい?」

ヤッカイは足下に違和感を持ちはじめていました。段々足下が熱くなってきます。段々熱くなります。終いには耐えられなくなる程、灼熱へと変化しました。

「やっぱり! 熱いっ!!」

冷静なヤッカイも思わず飛び上がり、宙に浮きました。見渡せば畝傍山一体が火に包まれるかのように、表面に真っ赤な熱を帯びていました。積もった塵は熱気で浮遊し、さらに燃え尽きていきます。周囲の塵で霞んだ向こう側。誰かいました。影のヤッカイを静かに見つめている人影。髪型と思われる所は怒りで逆立っている訳ではなく、おそらくチリチリになり過ぎたために—――

「お前!」

畝傍でした。

「やり過ぎです! どうしてくれるのですか!」

「髪は後でとけばいいだろ?」

「髪の毛の話をしているのではありません! これ以上、あなたの所業を見過ごす訳にはいきません!」

「ふん。山を熱くしたところで、浮いてしまえば問題ないよ」

「そうでしょうか?」

ふと影のヤッカイが下を見ると、いつの間にか、小さな火山口のような穴が出来上がっていました。

「何、この穴? 埋め尽くしてやる!」

「無駄です!」

影のヤッカイが大量の塵を放った直後、火山口からマグマが吹き出しました。大量の塵を飲み込み、更には影のヤッカイも呑み込んで、大きな火柱が出来上がります。影のヤッカイは熱さに耐えられず、撤退していきました。畝傍は安心して、髪の毛を手でほぐすと、髪はバネのように弾けました。畝傍は微妙な顔つきでいいました。

「と、とにかく、ヤッカイは退けました」

しかし、畝傍はすぐにまたヤッカイの気配を感じました。上空を見ると、別の影のヤッカイが

いたのです。畝傍は驚きました。

「またヤッカイ!」

影のヤッカイは不敵に微笑みながらいいました。

「順番通りに現れてやった! 驚くのもいいが、感謝もしろ!」

畝傍は力を込めていいました。

「そんなお願いはしていません! 」

影のヤッカイは驚きました。

「えっ!」

畝傍はきっぱりといいました。

「むしろ迷惑です! 来る事自体迷惑です!」

影のヤッカイは驚いたまま言いました。

「順番守ってあげたのに?」

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