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守護山娘シリーズ  作者: 白上 しろ
35/78

高取は現る⑧

高取山。

宇宙人はうごめく木の根のような物に絡まり、身動きが封じられました。ヤッカイは言いました。

「逃げるなら今のうちよ。『去る者は追わず』って言うから。猿だけに? プッ!」

ヤッカイは自分の台詞に思わず一瞬吹き出してしまいましたが、宇宙人は何も言いません。

「ふん、無視? 私が見えていない? 聞こえていない? それともただ何も言わない? 『見ざる聞かざる言わざる』って言う訳? 猿だけに?」

ヤッカイは自身ありげな顔をしましたが、宇宙人は何も言いません。

「あなた、宇宙人と言ったわね。宇宙から落ちてきたの?」

反応のない宇宙人に、ヤッカイは頑張って話を続けます。

「『猿も木から落ちる』って言うから?」

宇宙人は黙ったままです。ヤッカイは不愉快そうな顔で体が小刻みに震え始めながらも口元はにやけています。

「ふふ、ずっと無視? 虐めているつもりが、私、虐められている? なんかそれ、ゾクゾクするわ! その態度! ・・・・・・私がずっとスベっているみたいじゃない!」

宇宙人は何か苛立ったのか突然目からレーザーを発してヤッカイに攻撃しました。ヤッカイは身をかわすと言いました。

「無駄よ。見なさい。この山はすべて浸食されていくわ」

ヤッカイの分子である変異した生き物たちは山のあちこちで自然を荒らしていました。ヤッカイは自慢気に言いました。

「あなたがどんなに抵抗しようとしても無駄よ。だって私、この山の守護山娘、高取を葬ったヤッカイなのだから」


竜泉寺の稲村と観音は驚きました。

「あのヤッカイが高取を破ったとは、本当なのですか? 仙人様!」

稲村の問いに子角仙人は頷きました。

「間違いない! あのヤッカイじゃ!」

稲村と観音は悔しそうに泉を見ました。稲村は憎々しげに言いました。

「こいつら!」

観音は真剣に相づちをうちますが、急に慌てて言いました。

「お、お猿さんは違いますよ!」


高取山。

宇宙人はヤッカイに応戦していましたが、ヤッカイの力はこれまで以上に強力です。宇宙人は周囲から襲ってくるヤッカイの猛攻に苦戦していました。

「マズイ・・・・・・(このままではマズイ)」

ヤッカイはポタポタと地面に液を垂らしながら、一人で呟いていました。

「ただ勝つだけでは面白くないわ。なかなか笑わないのなら、私の超面白いジョークであなたを笑わせてやる!」

液が落ちた地面から新種の生き物がたくさん生まれてきます。

「私のかわいいペットたちが生まれてくる! さぁ、この山を食いつぶしなさい!」

ヤッカイの言葉に従うように、生まれたヤッカイの分子達は草木を、別の生物へと変異させながら山頂に向かっていきます。宇宙人は珍しく叫びました。

「キミョーナ!(奇妙なヤツらめ!)」

ヤッカイの分子達による猛攻。宇宙人は防ぎきる事が出来なくなってしました。また宇宙人は叫びました。

「ケッカイ!(結界を張る!)」

宇宙人は一瞬で見えない結界バリアを周囲に張り巡らしました。ヤッカイの分子達をこれ以上進行する事が出来なくなりました。ヤッカイは驚きました。

「(この猿、宇宙から来た者じゃない!)」


竜泉寺。

子角仙人達も同様に驚きました。子角仙人は言いました。

「あの者は宇宙人ではない! あのような結界を張るという事は、この地球で生まれた者じゃ」

観音は尋ねました。

「お猿さん自身、もしかして、それを知らないのですか?」

稲村は残念そうに頷きました。

「だろうな。自分が何者なのか分かっていない。そうか。宇宙人ではなかったのか・・・・・・」

観音は稲村をチラリと見て言いました。

「やっぱり『お猿さん』でした。もう『宇宙人』とは呼べないですね?」

稲村が言いました。

「まさか結界を使うとはな。あの宇宙人もどき」

観音はまたびっくりして思いました。

「(もどき!?)」

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