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守護山娘シリーズ  作者: 白上 しろ
28/78

高取は現る①

夜。

明日香はふと目が覚めて、布団から体を起こしました。何か気配を感じて窓を見ると、遠くで様々な色が光っているように見えます。不思議に思った明日香は窓を開けました。すると確かに高取山の周辺で、何かがたくさん光っています。いくつかの色がぶつかり合っているようにも見えました。明日香は思わず息を呑んで、寝ぼけ眼にある人物の名を呟きました。

「高取姫?」

明日香はグイグイ目をこすると、今度は突然、興奮したように声を上げて眼鏡を探し始めました。

「高取姫だ!」

急いで枕元に置いてあった眼鏡をつけ、窓から身を乗り出すようにしながら、再び高取山を見ました。しかしさっきまで見えていた光は見えません。真っ暗です。

「あっ・・・・・・ れ?」

明日香は眼鏡を外したり、また掛けたりして外を見ましたが、やはり光は見えませんでした。遠くに獣のような鳴き声が聞こえて、怖くなった明日香は窓を閉めました。布団に戻ると明日香はまた窓の方に向きました。いつもと変わらない夜。明日香は気持ちがモヤモヤしながらも、布団を被ってまた眠りにつくのでした。


奈良県、高取町。

木々の生い茂る山道を山頂まで進むと、突如姿を現す巨大な城の石垣。ここは高取の城です。かつて城内の周囲が390m、郭内は周囲30kmという(数字の上では大きさがはっきり分かりかねますが)巨大な規模の城でした。

― 日本一の山城 ―

そう呼ばれてはいますが、今は石垣だけを残す幻の城です。


高取城跡の地中深くにて。

空洞となった暗闇の四角い空間の中に何者かがいました。頭は大きく雪だるまみたいに二等身、大きな左右の丸い目は、真ん中で繋がっており、豚のような鼻を持ち、唇は分厚く、耳も大きく、全体的には『猿』に似ています。ですが動き始めると、猿とは違うようでした。

口は『ヘ』の字を作り、ふてぶてしい顔つき。彼は(はっきりとは本人ですら分かっていませんが)『宇宙人』と名乗っていました。宇宙人は自分の事を『ワレワレ』と呼びます。

「ワレワレハ(私は)」

宇宙人の低い声が響くと、不気味な目が七色に光りました。

「スベテノ テキヲ ホロボス(すべての敵を滅ぼす)」

ここは宇宙人の秘密基地です。宇宙人の目の前には、等身大のお雛様、ではなく、巨大なガラスケースの中に、少女が目をつむったまま座っていました。

「コイツハ ウゴカナイ(コイツはまだ動かない)」

一人呟く宇宙人。ふと宇宙人は危険を察知しました。秘密基地に揺れが生じます。

「ヤツラカ(また、あいつらか)」

宇宙人が外に出ると、ヤッカイの分子達が空中から向かって来ていました。ヤッカイの分子達が高取山を襲ってきたのです。

「ジツニ コッケイダ!(実におかしい!)」

宇宙人はそれらを迎え撃とうと外に出ました。目からレーザー光線のような七色の光を放ち、ヤッカイに立ち向かいます。ヤッカイの分子達はことごとく破壊されていきます。今回、親玉はいないようでした。

高取の町から眺めると、高取山の空に、様々に色を変えて光っては消える光景があったのです。明日香が寝ぼけ眼に見たのは、この戦いの一部でした。


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