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デイブ・レポート ~ 第一回 ~
『霧ヶ島を訪ねて』
~ デイブ・レポート 第一回 ~
古い知人から私は、“其の島”の存在を知らされた。
正直に申し上げて、それほど期待をしていたワケではない。
世間から忘れ去られた寂れた漁村が、だだ広い太平洋の真ん中に、ぽつりと浮かんでいるだけであろうと、その時の私は、たかをくくっていた。
つまりは、偏見に満ちていたのである。
それも仕様がないことなのだ。
私はその仕事柄、様々な観光地を巡っている。
煌びやかな繁華街。
活気ある市場。
美しい景勝地――等々。
それゆえに新鮮な驚きなど、感じようはずがなかったのだ。
日々の日常に疲れていた私は“観光資源の査察”という、実にもっともらしい名目で休暇を取り、世間より一足早い、束の間の夏のバカンスを、其の島で楽しむことに決めた。
――続く
ハムシク・イーストトラベル東京支部 デイヴィット=ランス




