*大魔王、温泉・旅館を堪能する① OO
ここは日本の本州の東南方面 (位置的には神奈川方面) 某所にある温泉町のある温泉宿の旅館《皇如月》である。
現在は、大魔王イザベリュータがメイドたちと一緒に予約制の家族風呂に入浴してる。
ここは予約制の家族風呂なので、当然のことながら、イザベリュータとメイドたちの他には誰も入っていない。 それとイザベリュータは勿論のことだけど、メイドたちも全裸で入浴する。
まったりとして、とても気分がいい感じだ。
「はぁ~、気持ちいいわねぇ~♪」
「はい、そうですね。
イザベリュータ様」
「は~い~、気持ちいいでぇ~すぅ~♪」
「なかなかいい湯ですな」
ここでイザベリュータたちが温泉を堪能しており、すっかり上機嫌になる。
この後で、メイドたちに髪の毛や身体を洗ってもらい、またお風呂に入って、しっかりと身体を温めてから、風呂場を出ていき、脱衣場にて身体をバスタオルで拭いていき、ドライヤーで髪の毛を乾かしてもらい、下着や浴衣を着ていき、脱衣場を出ていって、近場にある売店でコーヒーミルクを購入して、グイッと一飲みするイザベリュータ。
「ふい~、美味しい~」
メイドたちもお供する。
その後で、大魔王イザベリュータ専用の和室に戻る彼女たちに、テーブルの上には豪華な料理が用意されてる。 その料理とは、お刺身やお鍋やカニエビ料理に、ご飯や味噌汁やお惣菜など出されており、とても美味しそうな晩ご飯である。
早速メイドたちに、お刺身やお鍋の具などを小皿によそってもらい、お箸を使って食べるイザベリュータ。 その様子を女将や料理長が見ており、お味の確認をする。
「イザベリュータ様。
お味はいかがですか?」
「うん、美味しいよ♪
これ、なかなかいい味じゃない!
イケるわ!」
「ホッ、そうですか。
それは良かったです」
「うんうん、いいわね。
お刺身もお鍋もご飯も美味しいわ♪」
「ええ、ホントに美味しいね」
「このカニもなかなかイケますよ♪」
「さすがにやりますわね。
今後の参考にさせていただきます。」
「どうもありがとうございます!」
ここで女将も料理長もホッと一安心だ。
思わず胸を撫で下ろす。 大魔王だけでなくメイドたちにも誉めてもらえれば、十分に太鼓判である。 特に料理長の料理は、一度味わうと病みつきになり、思わず大魔王でさえも通いたくなる程である。
晩ご飯も終了して、寝室スペースの部屋に四人分のフカフカの布団が敷かれており、当然のことながら、大魔王イザベリュータは真ん中の布団で眠る。 みんなが寝る準備をしていると、部屋の闇から、突如として "影の者" が出現して、イザベリュータの眼前で跪いた。
「………」
「申し上げます。
勇者が魔族の国に侵入しました。」
「勇者? 勇者アドーレですか?」
「いいえ、無名の勇者で、名前はたしか、"ポグルス" と言います。」
「勇者ポグルス?
確かに聞かないわね。
それで何人で来たの?」
「はっ、勇者ポグルス一人だけです。」
「へぇ~、やるわねぇ~。
でも不思議ね。
勇者アドーレや勇者マイカならまだわかるけど、その無名の勇者ポグルスが一人で、私の魔族の国に侵入したとはねぇ~」
「いかが致しましょうか?」
「判りました。
明日一番で帰ります。
監視は続けてください。
しかし、手を出してはいけません。
おそらく、大魔王城を目指していると思いますけど、放っておきなさい。」
「はっ、判りました。」
すると、その "影の者" がシュッと消えた。
続けてエクリシアがイザベリュータに質問する。
「えっ、迎え撃たなくていいんですか?」
「ええ、もし相手が勇者アドーレや勇者マイカなら、話は別ですけど、勇者ポグルス程度なら、様子見が吉でしょうね。 迂闊にこちらからは手を出さずに、まず相手の出方を見極めます。」
「な、なるほど、確かに…」
「………」
「そんなことよりも、早く寝ましょう。
夜更かしは美容の敵です。」
「「「はい、判りました。」」」
そこでイザベリュータやメイドたち三人が、それぞれフカフカの布団の中に入って、そのままぐっすり眠る。
こうして、今夜も無事に終了した。
ここでようやく大魔王イザベリュータが温泉を堪能したり、美味しい料理に舌鼓を打つ。




