*大円満 OM
これで男女四人組の若者にも大魔王イザベリュータにもお互いに用がなくなった。
最後に女性Cが大魔王イザベリュータに質問した。
「あのぉ、最後にお聞きしたいのですが…?」
「あら、なにかしら?」
「今回の出来事を他の誰かに話していいのでしょうか?」
「勿論いいわよ。
話しても……信じない者は信じない。 信じる者は信じる。
信じる者はここに来て、私に願いを叶える。 私はその者から『魂』を頂く。
私に敵対する愚か者は、そこのメイドたちが、即刻対処する。
私に困る要素はない。
日本は平和な国だから、拳銃すらまともに所持できない。 いい国よね、まったく」
「「「「………」」」」
「そういうことだから、どんどん宣伝して頂戴。 CMの必要もないし、うふふ♪」
「な、なるほど…そうですか」
「そ、そうですか、判りました。」
「まぁ、気が向いたらまた遊びに来て頂戴。 それじゃあね、みんな」
「はい、どうもです」
「失礼しました」
「さようなら」
「ありがとうございました」
それぞれ男女四人組が、この大魔王イザベリュータに対して、自分なりの挨拶をし終える頃には、もう既に姿が消えていた。
そして男女四人組の若者が、天下の大魔王イザベリュータの力で地下屋敷から、それぞれの自宅に無事に戻る。 結局は男性二人だけ願いを叶えたけど、女性二人の方は願いを叶えていなかった。
この大魔王イザベリュータは神出鬼没だ。 出会えて幸運なのか、それとも不幸なのか、それは人それぞれなのだ。
その後で男女四人組は、それぞれ連絡を取り合って、お互いの無事を確認する。
しばらくして、この大魔王イザベリュータの都市伝説が、ネット・SNSなどで拡散することになる。
そんなある日のこと。 とある病院では、現在名医による『白井雪穂』の腎臓移植手術が開始されてる。 今までさんざんドナーや移植可能な腎臓を捜したけど見つからなかった。 だけどここに来て、急にドナーが見つかって、なんと腎臓適合率88%をマーク! すぐに緊急手術が開始された。 ちなみにそのドナーとは、あの男女四人組とは、全く関係ない赤の他人である。
オペ室の外の廊下で、夫の『白井一雪』が、まるで神に祈るように心配そうに待っている。
その手術時間は、約3時間33分。
現在オペ室を使用している、扉の上にあるあの赤いランプが消えてしまい、続けて臓器移植担当の外科医の先生が出てきた。 どうやら手術は終了したようだ。
そこで夫が先生に話しかける。
「先生、妻は…?」
「手術は成功です」
「あ、ありがとうございます!」
夫が先生に一礼しながら、先生の後ろ姿を見送る。
こうして、妻の『白井雪穂』は術後もとても安定しており、特に後遺症もなさそうだ。 しばらく入院して、術後の検査も問題なく、それと体調も順調に回復していく。 またリハビリも順調で歩けるようになり、食事もできるまでに回復した。 この妻の順調な回復ぶりに、夫の『白井一雪』もホッと一安心だ。
「良かった雪穂」
「はい、あなた」
そして『白井雪穂』は無事に退院した。
しかし、一時はもうダメかと思った腎臓移植のドナー捜しだが、まるで神か大魔王に導かれるようにして、すぐに "腎臓適合率88%のドナー" が見つかり、名医による手術も無事に成功して、退院するまでに順調に回復して、夫婦仲良く帰宅できた。 このまるで何者かによって運命を操作されたみたいな感じ。
白井夫妻は男女四人組のことを全く知らない。 また男女四人組も雪穂が手術に成功したことを全く知らない。 そもそもこの男性Aは、雪穂が一体どこの病院に入院していたのか、すらも知らない。
これは一体どういうことなのか?
その後で白井夫妻が大魔王イザベリュータの都市伝説を知ることになる。




