散歩の千二百五十二話 冊子はなくしちゃ駄目ですよ
「ここからは、私スーが説明をします。皆さん、宜しくお願いします」
スーがペコリと頭を下げると、再び初心者冒険者から拍手が起こりました。
ここで、スーがある事を質問しました。
「最初に確認をします。冒険者登録した時に配布された冊子を、無くしたり置いてきたりした人は、素直に手をあげて下さい。冊子を再配布しますが、別に罰するとかではありませんのでご安心下さい」
スーがニコリと話したので、冊子を持っていない冒険者はバツが悪そうに素直に手をあげました。
ヒャッハーなモヒカン頭も、おずおずと手をあげました。
すると、ちびっ子達が手分けして手をあげた初心者冒険者に冊子を配り始めました。
「はい。無くさないでね」
「あ、ああ......」
ヒャッハーなモヒカン頭も、ケントちゃんにニコリとしながら冊子を渡されたらただ頷くしかないですね。
これで準備完了です。
「では、さっそく講習を始めます。冒険者は、ある意味一つの職業だと言えましょう。他の仕事と同じく、活動することにより何かしらの対価を得ます。ですので、他の仕事と同様に礼節や時間を守る事、また他人に迷惑をかける事はしてはいけません。どれも、人として大切なことですね」
スーが説明を始めると、新人冒険者は真剣な表情で話を聞き始めました。
僕も新人冒険者への講習の際に言っているけど、自分勝手な行動はしては駄目です。
周りの人だけでなく、本人が思っている以上に多くの人に迷惑をかけることになります。
「そして、私が皆さんに伝えたいのは焦らない事、そしてお金の魔力にとらわれない事です。最初のうちは成果が出なくて焦る事もあるでしょう。自分の思った仕事ができないという焦りもあります。しかし、経験を積んでいくと段々とできる依頼も増えていきます」
最初から大きな依頼を受けられることはほぼなく、実績をコツコツと積み上げていくことが必要です。
「大きな報酬を得た時、また一攫千金を狙う時に、無理な依頼を受ける人がいます。しかし、自分の実力に合った依頼を受けないと大失敗をしてしまいます。そして、そういう場合は必ず多くの人を巻き込むことになります。冒険者である以上大きな報酬を目指すのは当然と言えますが、自分の実力を正しく把握する事もとても大切です」
よく考えると、スーと最初に会った時にこんな状況だったよなあと思い出しました。
だけど、自分が痛い目に合わないと分からないという人がいるのも確かです。
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