散歩の千百四十七話 急いで国境の町の教会に向かいます
馬車は順調に進み、予定通り聖教皇国との国境に到着しました。
大きな門と防壁が、王国と聖教皇国を隔てています。
昨今の人神教の暴走の影響で、これでもかってくらい警備が厳重になっていますね。
僕たちを乗せた馬車は、警備担当者の近くに進みました。
すると、とんでもない情報がもたらされたのです。
「王妃様、どうやら国境を接している聖教皇国の教会に人神教のものが押しかけているという情報がもたらされました」
「なんということじゃ! 直ぐに向かうぞ」
聖教皇国側の警備兵もこの話を聞いていて、かなり心配そうにしていました。
聖教皇国の国境の町は直ぐ近くだそうで、ここからは数名の聖教皇国の兵がついてくれることになりました。
そして、馬を走らせて僅か数分で目的地である国境の町の教会に到着しました。
ガシャン、ドタン!
なんと、教会の中から破壊音が聞こえて来たのです。
僕たちは、思わず顔を見合わせてしまいました。
「あー! 悪い反応が十個あるよ!」
「「「「「まてまてー!」」」」」
すると、幌馬車に乗っていたちびっ子たちが、凄い勢いで破壊音が聞こえる教会の中に入っていきました。
僕たちも、慌てて教会の中に入っていきます。
「「「「「とりゃー!」」」」」
バキッ、ドカッ!
「「「「「ウギャー!」」」」」
シロたちは、既に人神教の関係者を蹴り飛ばしていました。
僕たちも、人神教の関係者を投げ飛ばして拘束していきました。
シャキッ。
「く、くそ。お前たちはなんだ! ゲス枢機卿様の崇高なる計画をぶち壊しにする気か!」
「ひぃ!」
なんと、人神教の関係者はシスターさんを後ろから羽交い締めにしてナイフを喉元に突きつけたのです。
人神教の関係者の狼藉に、王妃様も大激怒です。
チャキン。
「何がゲス枢機卿じゃ、人神教じゃ! 貴様らのやっているのは、ただの犯罪じゃ!」
「う、うるせー!」
王妃様は、剣を抜いてビシッと人神教の関係者に突きつけたのです。
しかし、人神教の関係者は王妃様の圧に押されながらもシスターさんを解放しません。
パカパカパカ。
「「ブルル……」」
「な、なんだ?」
すると、馬車の装備を外したうちの馬がゆっくりと人神教の関係者に近づいて行きました。
うん、馬の目が殺気立っていますね。
ブオン、ぐちゃ。
「ほぐわー!」
バタン。
うわあ、うちの馬が人神教の関係者の股間をダブルで前脚で思いっきり蹴り上げたよ。
しかも、キーンじゃない音が聞こえてきたような……
人神教の関係者は、蹴り上げられた股間を押さえることなく白目をむいて崩れ落ちました。
「ふん、狼藉者にはいい罰じゃ」
「そうですな。まさに、神の一撃ですな」
王妃様、ザンギエフ様は、口から泡を吹いて崩れ落ちている人神教の関係者を見下ろしていました。
その、人神教の関係者は男性として終わった気がするのですが……




