散歩の千百八話 朝の訓練がハードモードに……
その日の夜のうちに、西の辺境伯領で悪さをしていたゲス枢機卿一派の関係者が捕縛されました。
あまりにも弱かったそうで、辺境伯様は全然ストレス発散にならなかったとぼやいていました。
明日朝からエミリア様だけでなく先代様も捕縛した関係者の聴取を行うそうで、早く自白しないと大変なことになるのではと思っていました。
ブオン、ブオン。
「ははは、シュンとの手合わせはやりがいがあるな!」
「二人の攻撃を防御し、尚且つ反撃するとは」
翌朝、僕は庭で辺境伯様と先代様の二人を相手に組み手をしていた。
辺境伯様は、何故か溜まった鬱憤を僕にぶつけていた。
辺境伯様の攻撃は一撃が重い分、モーションが読みやすかった。
でも、上手い具合に先代様が隙を作らないように攻撃をするため、まるで暴風のような攻撃を受けることになった。
防御すると体が持っていかれそうなので、できるだけ避けつつ反撃をするようにしていた。
攻撃は最大の防御というのを、改めて知ったのだった。
「はあはあ、し、死ぬかと思いました……」
「ははは、シュンはよく言う。こっちは攻撃を避けられて、どうやって当てようかと悩んでいたんだぞ」
「うむ、確かにシュンの回避能力は素晴らしいし、キチンと反撃もしている。一週間もあれば、更に腕をあげることができるだろう」
何とか手合わせを終え、僕はタオルで大量の汗を拭いていた。
辺境伯様も先代様もとても上機嫌で、明日以降の手合わせが凄いことになりそうで怖かった。
ところが、ここでエミリア様がとんでもない提案をしてきたのです。
「そうそう、お義母様もたまには体を動かしたいと言っていたわ。明日、シュンの手合わせに加えるわ」
えっ、あの鞭の達人であるマリア様も加わるの?
僕は、ある意味絶望でしかなかった。
「よーし、他の連中も手合わせするぞ!」
「なんせ、短時間で腕をあげなければならないのだからな」
そして、辺境伯様と先代様はスーやシロたちとも手合わせを行ったのだ。
エミリア様も時間の短縮になると言っていたが、スーたちは聞いていないよという表情だった。
こうして、強制的に毎朝の訓練は更にハードモードになることが決定した。
確かに効果はありそうだけど、この後の活動に支障が出ないようにして下さいね。




