3-6 精霊の民の最後
「お気をつけて!いってらっしゃいませ!」
翌日。
再びカルタスさんのお店にやってきた。
店番を任されたと言うカント君は、元気な少年だった。15、6歳ぐらいだろうか。
荷造りもしっかりしていて、頼もしい。
「……で、これに乗るのね。」
「そう。下から持ち上げられるのと、上から引っ張り上げられるの、どっちがいい?」
「………踏み台と上からを組み合わせて頂いてもいいかしら…」
想像以上にラクダは大きかった。
ふわりと飛び乗るリューの意味がわからない。
ビックリしてカント君を振り返ると、カント君もビックリしていた。
普通はラクダを座らせて乗るらしい。
それなら私もできるじゃん!!と思ったのに、私もふわりと宙に浮くと、リューに引っ張られてラクダに乗せられた。
風の魔術らしい。ずるい。
カント君に手を振りラクダで歩き出す。
2頭のラクダで、片方に荷物がついている。
もう片方に私達が乗っていて、前が私、後ろがリューだ。
「すごい、思ったより早いかも。」
「大きいからね。でも、マティがいる離宮までちょっと遠いから、そのうち遅く感じるかもね。」
ポクポクと赤茶の道を進む。
まだ砂漠というより裸の土が続く…という感じだ。
ここから少し進むと、本格的な砂の砂漠に入る。
『キュ!!』
「わっ!びっくりした。久し振りだねキュー。」
暫く進んで街が小さくなってきた頃、キューが現れた。
どこに隠れてたのかな。
『キュッ……』
「……??」
『………ふぁー!!できた!!』
ポンっと荷物の上に、人になったキューが乗っかった。
……耳が残っている。
『クソ、まだまだだな……まぁいいや。姉ちゃん久し振り!』
「う、うん、久し振り、ラナト……?」
ペットじゃないなら本名かなと思って呼んだら、凄く嬉しそうな少年の顔になった。
『ついに!姉ちゃんに本当の名前呼んでもらったぜ!!』
うん。かわいい。
これはかわいい。
弟?いいのかしら。最高だわ。
『あ、リューカスもついでに久し振り。』
「……久し振り」
『お前にはホント色々物申したいことがあんだけどさ、今日はもっと別の話があるんだ。まだ短い時間しか人型になれないから、とにかくベラベラ話させてもらってもいいかな。』
ラナトがラクダを撫でると、並走するように歩き出す。
会話かなにかができるんだろうか。
『セフィナロスがさ、精霊の民の最後を……あの時一体何が起こったかを、早く姉ちゃんとリューカスに伝えないとだめだって。』
「精霊の民の最後に、何が起こったか……?」
ラナトは少し悲しそうな顔で頷いた。
『実際には、俺と姉ちゃんは生きてるし、他にも生き残りはいる。だから、正確には「俺と姉ちゃんが暮らしていた精霊の民の集落の最後」になると思う。』
ラクダは変わらずテクテクと歩く。
ラナトは段々と見えてきた遠くの赤い砂漠の丘に目やると、思い出すように語り始めた。
*****
エルナカス山脈の山深い森の中に、その集落はあった。
元々精霊の民は好き勝手にあちこちの場所で暮らしていたんだけど、人の数が増え、国がしっかりしてきた頃から、だんだんそうやって好きに暮らせる場所は少なくなっていた。
だから、なかなか人が分け入らないエルナカス山脈の森の中に集まって住むようになったのは、自然な流れだった。
本当に小さな村、というレベルの民しかいなかったけど。
精霊達と戯れながら、人から離れて穏やかに暮らしていた。
俺達は、人に関わらないで暮らすことで平穏な日々が暮らせると信じて、昔ながらの暮らしをずっと守っていた。
自分たちの力は、人ならざるものの力。
半分人間、半分精霊の俺達は、人との関わり方が難しかった。
すべての人に恩恵を与えることなどできないのだから。
不平等は争いを生む。
だから、俺達、精霊と精霊の民は、気まぐれに生きる。
何かに属してはならない。
それが昔から伝わる、精霊の民の教えだった。
20年近く前のこと。
オルネリア王国の一人の青年が村を訪ねてきた。
どうやってこの場所を突き止めたのか。
ただ、問い詰めようにも、青年は衰弱していて、それどころではなかった。
オルネリアを助けて欲しい。
そう言うと、青年はその場に倒れ込んだ。
疫病だった。
放っておけば、このまますぐに死ぬだろう。
気まぐれな精霊の民は、その青年を助けた。
『助けた精霊の民はラテル、俺達の母親だ。
それで、青年はマルク。俺達の父親。』
「お父さんとお母さん……!!?」
ラナトはニヤリと笑ってみせた。
『母ちゃん、気持ち悪いぐらい父ちゃんに惚れてたからな。グイグイに押しに押して結婚したらしい。あっという間に俺たちは母ちゃんの腹の中だ。』
「言い方……」
もう少しロマンチックに言ってほしい。
残念な感じだったけど、ラナトは気にせず続けた。
助かった青年マルクは、医者で、研究者だった。
突然王都で広まり始めた疫病。
これまで知られていたどの疫病とも違う。
知らない病だった。
マルクは研究室で絶望した。
治療や予防法の確率には時間がかかる。
それなのに、どんどん王都で広まり、近隣の街や村にも広がっていく。
治療院は戦場のようになった。
人がどんどん倒れていった。
時間がない。
オルネリア王国が滅びる前に、なんとかしないと。
「オルネリアの大疫か……」
リューがボソリと呟く。
それは教科書にも載る歴史的な悲しい出来事だ。
『そう、それ。あの致死率が高く感染力も強い最悪の疫病の話だ。』
あれは、精霊の民が関わる話だったということなのか。
ラナトは話を続ける。
マルクは治療法や予防法、ありとあらゆる対策をを夜通し考えた。
時間がない。何か、何か方法は無いか。
このままではオルネリアは疫病で全滅しかねない。
その時、ふと目に入ったのは、窓越しに見えるエルナカス山脈。
気まぐれな精霊の民。
気まぐれでもいいから、助けてくれないだろうか。
半分精霊、半分人間。
だから、人が滅びる前に、力を貸してくれるかもしれない。
マルクはすぐに出発した。
そして、途中で気付く。
自分も疫病にかかっている。
時間がない。
マルクは魔術も得意だった。
精霊の民が住みそうな位置を地形から予測し、疫病に侵される身体に鞭打って魔術を駆使して山を駆け抜け、ついに精霊の民が暮らす集落までやってきた。
どうか、オルネリアを助けてほしい。
未来ある若者たちがどんどん死んでいく。
未来をつくる人々が道半ばで倒れていく。
自分は助からなくてもいいから。
オルネリアという国の未来を助けてほしい。
そのまま崩れ落ちて意識を失うマルクに、ラテルは精霊術を使った。
とても綺麗な心の人だな、と思ったそうだ。
『……ちなみにこの話は母ちゃんからのろけ話として100回は聞いた。姉ちゃんは覚えてないだろうけど。』
「ラナトはなんで覚えてるの?」
『俺はほとんど精霊だから、最初から大体わかるの。』
「へぇ……?」
そういうものなのか。
少年のような見た目なのになんだか負けた気分だ。
その後、精霊の民とマルクは話し合った。
マルクの予想通り、精霊の民は半分が人間だ。
深い山奥といえど、エルナカス山脈の片方が属す国の、滅亡の危機。
基本は善良な民なのだ。
役に立てるなら立ちたい。
ただ、国民のすべてを救うことなどできない。
そこで、マルクは斬新な提案をした。
「精霊術で自分の体の中で起こしてくれた、疫病を滅ぼした何かを取り出す……?」
『そう。精霊術は自然の法則に無いことをこの世のものに対して行使することは出来ない。大げさに強化はできるんだけどね。だから、小さくても何か、普通の状態でも身体の中で起こることがあったんじゃないかとマルクは考えたんだ。』
「凄いわね……」
知らぬ父の背中に、感服する。
医者で研究者…どんな人だったんだろう。
その目論見は正解だった。ラテルの精霊術で、マルクの身体の中で起こした現象。それを更に精霊術で身体の中から取り出し、マルクが解読し、オルネリアの多くの人が使えるような魔術式へと変換した。
「凄い……詳細が知りたい……」
『まじかよ。俺喋ってて自分でも何言ってんのかよく分かんないのに。』
ラナトはうへぇと言う顔をして、更に続ける。
すぐさまその魔術式は国中に配られた。
それまでにかなりの人が犠牲となったが、国力が衰退するほどには至らなかった。
これが歴史に刻まれた、オルネリアの大疫と医療魔術の奇跡だ。
『……表向きはこの話でめでたしめでたし、となっている。でも、実際は違うんだ。』
ラナトは一度言葉を切った。
少し重たい雰囲気になる。
『そのオルネリアの大疫に似た疫病は、実は過去にもサラディーニの辺境の地でも起こっていた。エルナカス山脈の麓の町だ。サラディーニの国土ではあるが、サラディーニ国民ではなく、原始的な民族が暮らす地域だ。その街は僻地のため、運良く他の地域には疫病は広がらず、その小さな街の閉鎖だけで終息した…ただ、その民族の街は殆どの人が死に、街の全てが焼却処分された。』
「焼却処分……」
生き残った街の人々は、焼け落ちた街を見て、どんな気持ちになったんだろう。
『その後オルネリアの疫病研究者達と協力して、その民族の街周辺が探索された。サラディーニにしては湿潤な地域で、かなり動植物も多い地域だった。ただ、その地域の人々は特殊な習慣を持つ民族で……衛生的に問題のある宗教的な習慣が多い地域だった。疫病は恐らくその地域の動物から広まったんだろうと考察されていた。両国共同で対策は取ったが、宗教的な習慣を変えるのには時間がかかった。』
「…………あの地域の話か……」
ぐっと空気が重くなる。
ラナトはリューに頷くと、そのまま話を進めた。
その後、疫病を持つと思われる動物が生息している洞窟とその周辺の封鎖が決まった。
奥地に光が差し込む泉を持つ洞窟。
辿り着いたことがある者は神秘的な光景に見えただろう。
封鎖されたその場所は、焼け落ちた街が信仰していた宗教の、祈りの地だった。
封鎖は上手く行かなかった。
だたでさえ、生き残った街の者たちは疫病で亡くなった者への祈りを捧げたいのに、信仰まで取り上げるなどできない。
封鎖を管理する者も厳しくはし切れなかった。
近くに行き祈りを捧げるだけなら良い。
段々と運用は緩くなっていく。
他の宗教的な習慣も、結局影では行われ、なくすことは出来なかった。
そして数年後……約15年前。またその民族の街で疫病が発生した。
オルネリアの大疫での経験からすぐに対策は取られ、大事にはならず沈静化した。
ただ、生き残ったものは、更にその数を減らしてしまった。
祈り地は今度こそ厳重に封鎖された。
タイミングの悪い事に、その年のサラディーニは干ばつ被害が強い年で、二重苦にさらされた数少ない街の者は、深く悲観した。
聖地は封鎖され、祈りも満足に捧げられない。
習慣も変えろと言われる。
仲間は病で死んでしまった。
さらに、我々には雨さえ与えられず、干からびていくばかり。
それはなぜだ。
隣国オルネリアでは、あんなに雨が降っている。
美しい教会で祈りを捧げている。
疫病も精霊の民が治したと言うではないか。
なぜ、自分たちだけが、こんなふうに苦しまなければならない?
精霊の民は、なぜ自分たちを助けない?
不思議な力を持つのであれば、我々にも雨を恵み、疫病を無くし、祈りを捧げる手助けをしてくれれば良いのではないか。
精霊の民は、オルネリアのものなのか。
オルネリアだけがその恩恵を受けているのか。
だからオルネリアだけが豊かで、サラディーニに暮らす我々は干からびていくのか。
誰かが言った。
オルネリアは、精霊の民の力を使って、サラディーニの、我々民族の街の雨を吸い取っているのではないか。
オルネリアで発生するはずの疫病を、この土地へ代わりに送り込んでいるのではないか。
精霊の民は我々を助けてくれるつもりはない。
祈りの場も奪われたままだ。
まさか、精霊の民は、我々の神を亡き者にしようとしているのか?
これは、我々への攻撃なのではないか?
根拠のない盲信だった。
ただ、その盲信に取り込まれないほどの教養もなければ、余裕も無かった。
オルネリアに、精霊の民さえいなければ。
夫は死ななかったかもしれない。
娘の笑顔がまだ見れたかもしれない。
今晩も友人と酒が飲めたかもしれない。
お腹いっぱいご飯が食べられたかもしれない。
住み慣れた街は焼かれなかったかもしれない。
その石を、誰が持ち出したのかは分からない。
だが、気がつけば悲しみに暮れる数少ない生き残りの者たちは、青い宝石を核にして叶わない思いを増幅させ、呪いの人形へと変わっていった。
精霊の民さえいなければ。
それは死の呪いだった。
エルナカス山脈の村へ押し寄せる、飢えた呪いの人々。
解呪の精霊術はあった。
だが、解呪には時間がかかる。
この大規模な呪いを無傷で解呪することなど、その時の精霊の民にはできなかった。
呪われたその瞬間、呪った者と共に命を落とすしかないのだから。
マルクは精霊の民の集落に結界を張ったが、囲まれるのは時間の問題だった。
呪いはじわじわと結界の中へ入り込む。
応援を呼んだが、間に合わないだろう。
呼んだところで、簡単に解呪などできないのだから、待つだけ無駄だった。
母ラテルは俺達兄弟を抱きしめた。
ラナト、マテルを連れて逃げなさい。
まだ幼く疫病に関わらなかったあなた達なら、呪いからは逃れられるはず。
もうここへは戻ってきてはだめよ。
できるだけ、遠くへ。
そしてできれば、マテルを育ててくれる人のところへ。
二人とも、大好きよ。
それが母ちゃんとの最後の会話だった。
俺はマテル……姉ちゃんを連れて、結界の外へ、そして何度も遠くへ転移した。
あの頃転移ができるのは、俺しかいなかったから。
まだ小さい俺は、姉ちゃんを連れて行くのが限界だった。
他のみんなはそのまま結界の中に残るしかなかった。
「それで、他の小さな精霊たちに進められるがまま転移して、あの雨ノ森に着いた。ヘトヘトだったところに狼の魔獣の群れが来たのは最悪だったけど、その後あのばあちゃんが来てくれたからな。あとは、姉ちゃんの知っての通りだ。」
砂漠の砂が混じった風が、バサバサと緩い服を鳴らす。
辺りはいつの間にか、サラサラとした砂ばかりになっていた。
「……その話は、サラディーニはどこまで知っている」
リューが静かにラナトに問いかけた。
『……知らないだろうな。俺は他の精霊から話を聞けたけど、それを伝えるすべはない無かったし。』
私も会話できる精霊なんて呼び寄せたことはなかったから…ずっと話ができなかった、ということなんだろう。
ラナトは話を続ける。
『当時は世間的には大疫を救った精霊の民に難病を治してほしいとか、大怪我を治してほしいとかいう要望が噴出している時だった。
一方で、オルネリアの事情を知る研究者たちは精霊の民の保護活動を盛んにさせていた。精霊の民の集落に押しかけようとする者をどう規制するか、権力を使って突破しようとする者をどう防ぐか。
殆どの人は大疫を救った精霊の民に恩義を感じていたから、精霊の民を権力と欲から保護するための整備は順調に進んではいた。
ただ、整備がされきる前に、願いが叶わなかった誰かに殺されたんだろう。世間的にはそう言われている。……呪いを仕掛けた側の亡骸は全て、黒く朽ち落ちていたらしい。検死もなにもできなかったそうだ。
分かったのは、何らかの呪いで精霊の民が全滅していたことだけだったはずだ。』
「………」
背後で、リューの重苦しい雰囲気が、伝わってくる。
『リューカス、終わったことはいいんだ。その後あの地域はサラディーニの努力で衛生的になり、周辺にいた他の少数民族も問題なく暮らせるようになってきている。
だから、サラディーニの国へは感謝はしているし、責める気持ちはない。サラディーニは、国民じゃない民族のためにも、やるだけのことはやってくれたよ。
だから、お前は姉ちゃんと、あの青い石のことを頼む。……多分、同じ石だ。』
「………あの、青い石か……」
『セフィナロスも気になっていた。あれは、普通の人間たちが扱って良いものじゃないって。セフィナロスは本当に気まぐれだけど……ラテルたちを殺した物だから、許せないって。青い石については、姉ちゃんの血がもう少し戻ってきたら、またセフィナロスから話をしたいってさ。』
「………」
確かに、あの青い石はどこから来たんだろう。
その話は出てこなかった。
『とりあえず、この話はこんなとこだ。そんで、姉ちゃん。』
ラナトが暗い雰囲気をバッサリ切るように、明るく言った。
『精霊の民はな、気まぐれでいいんだよ。むしろそうあるべきだ。だから、あんまり悩まないで好きにしたらいいんだよ。』
「え?何の話??」
『まぁそれは自分で考えて。姉ちゃんは父ちゃんに似て頭でっかちだから、ちょっとは母ちゃん見習ってね。』
「頭でっかち……」
残念な例えだ……
『じゃあリューカス、サポートはしたから、とりあえず後はよろしく。もう限界』
ポンっとまたキューに戻ってしまった。
そして大あくびしてモゾモゾと柔らかそうな荷物に埋まってスヤスヤ寝てしまった。
人型化は疲れるんだろうか。
「……何か……そんな頭でっかちだったかな私…」
「…………」
ポクポクとラクダが進む。
あんな壮大な話の後で、こんな話題で申し訳ない。
「……ルディ、泣いてない?」
「泣かないわよ!!頭でっかち、そんなに気にしてないから!」
「そっちじゃなくて……」
「…………」
自分の両親の最後の話だ。
悲しくないかと言われると、悲しい話だとは思う。
でも。
「………あんまり、実感が無いかな……。顔も覚えてないし。むしろ、ラナトは覚えてるのに、私は何も覚えてないなってことのほうが寂しいかな。」
「…………」
ゆらゆら動くラクダの背中を見る。
思ったより柔らかな毛がふさふさしている。
「……ルディ、この砂漠の景色どう?ぐるっと見渡してみて。」
「え?ぐるっと?」
話に夢中で気が付かなかったけど、いつのまにか、本当に砂漠のど真ん中にいた。
太陽に照らされて、赤くどこまでも続くサラサラの砂。
風の模様と、ラクダの足跡だけが続いている。
「凄い、本当に砂漠のど真ん中だね。」
「はぐれたらそのまま砂に埋もれて死ぬ運命になるから気をつけてね」
「ひぃ!!」
カラカラに砂に埋もれていく自分を想像する。
そんな最後絶対に嫌だ。
「ぜっっったいに置いてかないで!!絶対だよ!!!」
「ふふ、大丈夫。」
リューの顔が頭の後ろに寄った感じがした。
「絶対連れてくから。」
「ひゃっ!?」
耳元で柔らかい低音で囁かれてビックリする。
「あはは、ルディ、俺の声ほんと好きだよね」
「やめてよ!!」
「やだ。絶対止めない。」
ポクポクとラクダが進む。
永遠に続いているような砂漠には、今、リューと二人っきりだ。
気まぐれでいい。
好きにしたらいいよというラナトの気楽な声に、心が軽くされたような気がした。
読んで頂いてありがとうございます。
いいねいつもありがとうございます!!
誤字脱字報告もありがとうございました!!
とても嬉しいです!
段々物語の全容が明らかになってきました……!
「面白い!」「続きが読みたい!」と思ってくれた方、
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