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ープロローグー

街道沿いの小さな村だった。

名を覚えるほどの場所じゃない。


畑の一部が踏み荒らされ、

用水路の脇に、倒れた荷車がある。


魔物が出る、という話も珍しくない。

この辺りでは、それは災害に近い。


村人たちはすでに外に出ていた。

逃げ遅れたのではない。

逃げきれなかっただけだ。


誰も騒がない。

叫び声もない。

ただ、視線だけが揃っている。


畑の向こうで、地面が沈んだ。


重たい音が、一度だけ響く。


俺が前に出ると、

誰も止めなかった。


止める理由が、なかったからだ。

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