魔道具開発部の日常。3
遊びに来たレオさんは、会社で仕事を始めるまで二週間くらい時間があるらしい。
しばらくゆっくりしてるんだって。いいなぁ・・。
「また遊びにきまーす!」
そう言って、颯爽と帰っていった。
美人は去り際も美しい・・。
仕事を終えて、ミスクさんは今日からモーリスさんと暮らすので、夕食は私と、レイト君、アル君と一緒だ。
「・・メンバーが一人減ると、寂しいもんだね・・」
私がポツリとこぼすと・・、アル君が申し訳なさそうに私を見る。
「・・実は、僕もそろそろ家に帰る事に・・」
「えええーー!!!そうなの?!あ、でも、そうだよね・・あの事件で家を出たけど、本来は実家から通ってたしね・・」
思わずうな垂れたしまった・・。
アル君は、「お昼は一緒に食べましょうね!」って言ってくれて、嬉しくて笑って頷いた!そうだね、お昼は一緒だ!
レイト君?横でちょっとぶすくれてたけど、放っておいた。
夜になると、談話室でレイト君が話をしたいというので、一緒にカウンター席に行く。
「・・・・はぁ、アル君まで出ていってしまう・・」
カウンターに顔をペタッと付けて、ちょっとこぼすと・・
レイト君は私をじっと見て、
「・・俺がいるだろ」
「・・・・うん」
・・うう、ちょっと照れるな、これ。
顔を上げて、部屋から以前レイト君が貰ってきてくれた地図を出してみた。
「あのさ・・、明後日のお出かけで行ってみたい所があったんだけど・・」
「あ、ああ・・」
レイト君まで、少し照れくさそうにするんで、ちょっと地図しか見られない・・。
「ここ博物館ってあるけど、どんなものが展示してあるのかなって、気になって」
「ああ、そこはこの国の歴史と、生活で使われていた物とか・・、あ、昔から使われてた魔道具の展示もあるぞ」
「魔道具!!!」
思わず目が輝いてしまう。
そんな私を見て、レイト君は小さく笑う。
「仕事・・好きだな・・」
「仕事が好きっていうか、魔道具が好きというか・・あ、やっぱり仕事が好きって事か・・」
そういうと、レイト君は可笑しそうに笑って私を見る。
・・うん、こういう雰囲気は好きなんだけどな。距離を急に縮められちゃうと、照れちゃうんだよな・・。
「・・俺は?」
「・・・・そういうの聞くのは、どうかと・・」
この間、ジルさんから上手く誘導されて、魔道具作ってるの素敵って聞いたくせに・・。あえて聞いてくるとは・・。
プイッと横を向くと、小さく笑う気配がした。
年下のくせになんでそう、余裕なんだろ。
誰かと付き合ってとか・・?
ハッとしてレイト君をまじまじと見る。そりゃそうだよな〜・・、こんなに格好いいのに、今まで誰とも付き合わないとかないよな・・。前に女の子に声とか掛けられてたし。
「・・・なんだよ・・」
まじまじと見ている私に、照れ臭そうに話すレイト君。
「・・いや、ちょっと色々納得してたけです」
「何をだよ」
いや、そこはあえて言いませんよ。
ちょっと想像しただけで、事実は確認してないけど・・、胸がちょっとチクチクしますし。
そうして、翌日。
アル君と、レインコートを着ながら中庭で水浸しになりながら実験をした。
昨日の轍は踏まないぜ?
紙コップの水の量をなんとか調節して、ようやく納得いったのに、モーリスさんに
「水温はどれくらいに設定するんだ?」
って、言われて私とアル君は倒れた。・・・そこまで考えてなかった・・。
え?そうなると・・また魔力計算やり直し?
爆笑するミスクさんが、ヒーヒー言いながら起こしてくれたけど。
我々は涙目です・・。
あとでレイト君にちょっと相談しよう・・、そう思いつつ紙コップを開くと、適温の水があさりのように水を顔にかけてきた。んがぁーーー!!!




