凡人、初作品!
アル君が紐を結び終えると、私を見て紐を指差す。
「この赤い紐に、明かりを点け・・と、念じて、この青い紐に、明かりよ消えろ・・と、念じるんです」
「う、うん・・」
「魔力があるから、できると思います・・。やってみます?」
「うん!やってみたい」
そういうと、アル君はにっこり笑って、赤い紐を渡してくれる。
えーと、赤い紐は「明かり・・点け」と、紐をそっと指差して念じ、青い紐も同じように指差して「明かりよ、消えろ・・」と、それぞれ念じてみた。
顔を上げると、アル君は頷いて・・その紐全体に手を包むようにして、
「回線、完成!」
そういうと、紐は急に縮んで小さなICチップのような形になった!!え?!これ・・、こんな形になるの?驚いて、チップみたいな物を、アル君を交互に見るとちょっと誇らしげだった。
「ふふ〜、それでですね・・、このりつさんの作った四角い箱に・・」
チップを持って、アル君の指が淡く光ったかと思うと、紙風船の中に溶けていくように入っていった。
「え、ええええ・・・入ったの?」
「いえ、全体にシステムを溶け込ませていった・・と、いう感じですね」
「へぇえええ・・・・」
感心したように、紙風船を見るけど・・チップの影も形もない。
不思議だなぁ〜〜〜。
そうして、アル君はドキドキと緊張した顔で、紙風船をそっと転がすと・・
中から淡い光が出てきた!!!
「光った!!!」
「はい、ここは完成ですね」
そうして、アル君がそっと面を変える・・と、明かりがパッと消えた。
「・・消えた・・・」
「やった!成功です!」
「えええーーーー!!すごい!」
私は、自分でもやってみたくてコロコロと面を変えては、点いたり、消えたりするのに感動してしまう。ハッとして、レイト君をみると、目が合って・・
「・・何だよ」
「点きました!レイト君、ありがとうございます!!」
「・・・・真横で、そんだけ騒いでたらわかる・・」
「あ、ですね・・、すみません、実験中に」
慌てて小声で話すと、「今更か・・」と呟かれた。すみません。
でも、ともかく明かりが点いた!それが嬉しくて、アル君とニコニコ笑い合ってしまう。
「これで、完成?」
「そうですね・・、後は大量に作って、どれくらいの期間明かりが点くか・・とか実験ですね。あと安全性と〜・・」
「・・まだまだ先は長いのね・・」
うんざりそうに言うと、そばにいたレイト君に鼻で笑われた・・。
細い実験は、理科でも苦手だったんだよ・・。
二段階くらいの明かりに出来たらいいな・・って、言ったら、アル君がまた戸惑っていた。ごめん・・、間接照明に一つ欲しいなって思ったんだけど、これだと明るすぎるかな・・って思ったの。
「明かりを二段階・・」
「私が使ってたのは、色も変えられたんだよね〜」
「い、色も!!?」
「うん、6色くらいかなぁ〜」
アル君の目が白黒する。そうだよね、回線難しいよね、私もレイト君の本を読んでいて・・、なんか頭こんがらがったもん・・・。
「あとついでに言えば、いい匂いも出せた」
「えええええ、それは絶対無理です!!」
アル君の訴えに、思わず笑ってしまった。
「私も絶対作れる気がしない〜。今は、二段階の明かりで留めて作ってみようよ。大きさでも、明かりがどんな変化があるか私も知りたいから、色々なサイズを作るね」
「はい!お願いします」
そういって、せっせと大きさや、紙の色の違う紙風船を大量に作ったのだった。
あっという間にお昼になって・・ミスクさんに、お昼に行きましょ〜と誘われる。お腹減った〜〜!今日は何かな・・。
「アル君と、レイト君も行きましょうよ〜」
なんの気なしに私が二人を誘うと、アル君とミスクさんがレイト君をこそっと見ている。ん?なに??何かあった?レイト君を見上げると、片付けしていた・・レイト君は、ちょっと固まっている。
「・・?ご飯、食べようよ」
「・・・・あ、え・・?」
「ご飯、一緒に行こうよ」
「・・・はぁ」
なんか、はっきりしない返事だな〜と思いつつ、レイト君が戸惑った顔をしつつ、こちらへ来たので行くって事かな?そう思って、アル君とミスクさんを見ると、二人ともポカーンとしてた。何かあった?また私は周囲を見渡した。




