凡人、迎え撃つ。
色々な話をモーリスさんから聞いて、頭が真っ白になった。
二つ大事なことを教えられた。
一つはもう少しで過激な団体・・ドルツ?だっけを追い詰められそうという事。
そしてもう一つは、もしかしたら、私達かレイト君達がいるどちらかを襲いに来るかもしれないって事。
そんな訳で、自衛できるようにしておいてねって、
ジルさんに言われたらしい。軽い!!
最後のどっちかに来るって・・、怖いんですけど!?
ミスクさんは、最初は緊張した顔をしていたけど、「迎え撃つ!!!」っていうどこか聞き覚えある言葉を言って、また炎をしょっていた。
しかし、仮にもあまり使っていないとはいえ、王族の保養地を狙うのかな・・?
今までは静かだった離れの周りも、それとなく騎士さん達が増えて物々しい雰囲気だ。またこの光景を見る事になるとは・・。
折り紙や、作ったブレスレットを腕につけて常にカバンを持っていると、流石に緊張でクタクタになりそうになる。モーリスさんやミスクさんはいつも通りでさすがだなって思った。私は聞いただけでドキドキしっぱなしだ・・。
夜、ベッドに寝転がって作った物をバッグに詰め直していると、レイト君に作った携帯が出てくる。っていっても、紙だけどね・・。
元気にしてるかな・・。
ご飯食べてるかな・・。
会いたいな・・。
思わず、「おーい、元気?」って折り紙で作った携帯に声をかける。
と、ガサガサと音がした。
え?音・・?!!
ガバッと起き上がり、紙の携帯を見つめる。
「れ、レイト君・・?!」
『逃げろ!!!!そっちに行った!!』
ギョッとして携帯を見る。
今のレイト君の声・・?!そっちって・・、例の団体か?!
そう思った時、一階の方から轟音がして、建物が揺れた。こっちに来たーーー!!!!反射的にそう思って、靴を履いていると、ミスクさんが部屋へ駆け込んできた。
「りつ!!こっち!!」
「はい!!!」
紙の携帯をバッグに突っ込んで、急いでミスクさんの方へ走って行く。
部屋の外にはモーリスさんが待っていて、騎士さんとあらかじめ決めていた場所へ走って逃げていこうとすると、目の前の廊下から黒ずくめの人が突然現れた!
「魔法か・・!」
モーリスさんが、手の中に持っていた小さなビー玉を投げつけた途端、バチバチと弾くように音を立てて大きくなって道を塞ぐように広がった。
ミスクさんが、私の腕を引っ張って横にあった部屋へ入るとモーリスさんも入ってきて、急いで扉を閉める。
「早い〜〜!!!なんでこっち〜〜!?」
そう言いつつ、ミスクさんはバッグから一枚の紙を出してドアに貼り付ける。
「封印!!!」
そういうと、ドアがバンバンと叩かれるが、ビクともしない。
魔道具・・??!いつの間に・・???
ミスクさんはニヤっと笑う。
「・・・こっちだって、散々ストレス掛けられたからね・・。やられっ放しではいないわ!」
ミスクさんは、もう一枚紙を出して、ドアの下の隙間に差し込み・・
「爆発!!」
そういうと、ドアの向こうで轟音がした。
・・・ミスクさん、王族の保養所ですけど・・いいんですか?
モーリスさんは、「それ、いいなぁ〜!」って感心してるけど、いいの?!!
外の窓を見ると、黒ずくめの人がたくさんいるぅううう!!!
騎士さん達も応戦しているようだけれど、魔法も使われているようで苦戦している。ここへもまた敵がきたら困るし・・。
軽量化しておいたバッグも持っていて良かった・・。
詰め込んでおいた蝶の折り紙を、窓を開けて思いっきり飛ばす。
『魔法の無効化!!!』
そういった途端、蝶が黒ずくめの人達の周りを舞い飛び、淡い光を放つとさっきまで魔法を使っていた人達の力が抜けるかのように倒れこむ。
よっしゃー!いい感じだ!!
騎士さん達が、また黒ずくめの人達を押し返すように抑え込んでいる。
ミスクさんと顔を見合わせて笑うと、モーリスさんが、
「あれ、魔物が出た際に使えるように、アレンジしておきたいなぁ」
いや・・、今はそういう場合じゃないですよね?




