凡人、のんびり実験。
私達の過ごす部屋もそれぞれ広くて、大変快適でした・・。
王様、いいんですかね・・こんなVIP扱いで・・。
メイドさんに案内された部屋を見て、口を開けたまま入ったよ。
ふかふかの絨毯に、白い壁にはお花の絵がいくつも描かれた額縁が飾られている・・ちょっと乙女チックな部屋だ。
「・・一生泊まらないような部屋だな・・」
部屋をぐるっと見回してから、大きなベッドに寝転びつつバッグに入っている携帯の折り紙を出してみる。
通じるかな・・・、結構距離ありそうだしな・・。
「・・れ、レイト君・・?聞こえる・・?」
折り紙の携帯は、うんともすんとも言わない・・。
・・・・うん、静かだ。
やっぱり距離があると通じないんだなぁ・・。
ま、折り紙だし、仕方ないか。
仕方ないんだけど・・、あー・・・・やっぱりちょっと残念だなぁ。仰向けになって折り紙を見る。どうしてるかなぁ・・。まぁ、遅かれ早かれ、電話を作りたい!!って言ってたし、レイト君なら作っちゃいそうだし、その時に話そう。
そう思って、寝支度してベッドに潜り込んだ。
明日の実験も頑張るぞ!!そう思いつつ・・。
外界との接触を一切遮断された生活は、思いの外穏やかで・・、ミスクさんやモーリスさんに色々教えてもらって、実験は結構うまくいっていた。
ブレスレットも、鶴も、完璧な仕上がりだ!
ミスクさんは冷凍箱のアイスレシピを開発して、
「・・・これで、商売しようかしら・・」
と、割と真面目なトーンで話してたけど・・、その横の何やら設計図は何でございましょう?
モーリスさんを見ると、「あいつも仕事中毒だから無理だ」って言ってた・・。ね、やっぱりお似合いのお二人だと思うんですけど・・。
他に何か作れないかな・・なんて思いながら、あっという間に1ヶ月経った。
3人で朝、いつものように実験をしていると、部屋のドアを叩く音がして、返事をすると笑顔のジルさんが入ってきた!驚いて駆け寄ると、少し疲れた感じだった・・。
「ジルさん!!!良かった・・お元気でしたか?」
「うんうん、元気だよ〜!りつも元気そうで良かった!」
「ジル君・・、大丈夫?顔が疲れてるわよ」
ミスクさんは、すぐにジルさんを気にして声をかけると、ちょっと首をすくめる。
「なかなか団体さんが、面倒な事をするもんで・・苦戦してます。ま、モーリスさんが作ってくれた魔道具活躍してますよ〜!あれ、騎士団絶対欲しい!!」
ジルさんが、モーリスさんを見てそう話すと「だろ?」って言ってたけど・・何だろう。
不思議そうに私がジルさんを見ると、ちょっと笑って・・
「レイト達も元気だよ」
「・・・あ、ありがとうございます・・」
いや・・、其処は聞いてないけど・・、でも久しぶりに名前を聞くとドキッとするし・・、元気だと聞けて嬉しかった。
ジルさんは、現況をモーリスさんに伝えにきたらしく、別室へ移っていった。
ミスクさんは二人の後ろ姿を見送りつつ・・
「早く終わって欲しいわね〜!」
といって、私の肩に手を置いて笑いかけてくれた。
なんかちょっと寂しくなっちゃったの分かったのかな?ミスクさんを見ると、ニマッと笑う。
「乙女の顔になってる!」
「・・み、ミスクさん!!!」
そういう不意打ちはやめて頂きたい・・。
顔が赤くなるでないか。
どこかで元気にしているなら、何よりだ・・、ちょっと両頬を抑えて赤みを引かせるべく深呼吸する私だった。
夕方になって、ジルさんと話終えたモーリスさんに現況を伝えてもらう。
団体達の動きを大分把握できた事。
展示会は絶対開催する事。
レイト君たちは元気な事。
そして、最後の一つを聞いた途端、ミスクさんと目を合わせた。
・・・ええ、マジですか・・。




