凡人、お互いをリサーチ。
結局、中庭でちょっと機嫌の良さそうなレイト君に手を繋がれたまま休憩する事になったけど・・、これは心の安寧に繋がるのだろうか・・・。
ちょっと遠い目をしながら、青々とした芝生を見つめていると、
「・・俺、りつが何を好きか知らねーんだけど・・」
「へ・・?」
思わずレイト君を見上げると、少し目元の赤いレイト君がこちらを見ていた。あ、やっぱりレイト君も照れ臭いのか・・。
そして、今更だけど・・本当だ・・!
私達、お互いの事をほとんど知らなかったな!
「確かに・・、そう言われるとそうだね。食べ物なら何が好き?」
「肉」
「大変男子らしい回答ありがとうございます」
男子だなぁ・・なんか可愛いなって笑ってしまった。レイト君は、ちょっと拗ねたようにこちらを見る。
「・・・りつは?」
「うーん・・、甘いお菓子は何でも好きかなぁ、辛い物は苦手!」
「他には好きなものは?」
「えーと・・、こっちに来てから可愛い物とか結構好きだったって分かりましたねぇ」
ふむふむ・・と、頷いて聞いているレイト君になんというかほっこりする・・。そういえば、お互いを知る話をあんまりしてなかったね。そこ、基本的な所なのに。
「・・・なんか、お互いあんまり知らなかったのに、よく好きになったね」
ちょっと照れくさいけど、そう言うと・・レイト君は、うっと言葉が詰まったように私を見る。
「・・・最初は、男かと思ってたのに・・、なんか色々作るし、平気で声を掛けてくるから・・なんだこいつって思ってた」
「あ、すみませんね・・、グイグイいってたね・・私」
たはー・・・、若人を困らせていたの私・・。
反省しときます。
レイト君は、面白そうに笑って・・
「なんか・・、面白いな」
「・・・ちょっと照れますけどね」
お互い、顔が見れない状況ですけどね。真っ赤な顔してるんで。
レイト君の手も、私の手もお互い熱い。
休憩の終わる鐘の音がして、仕事に行かないとな・・そう思って、レイト君に声をかけようとするとギュっと引っ張られて、頬にさっとキスされた。
「・・・!!!!な、なぁああ!!!!」
「隙だらけだな・・・」
はぁ〜ってため息をつきながら、私を立たせると仕事場まで手を繋いで行こうとするけど、ちょっと待って欲しい。なんだ、その流れるような・・き、キスは!??
あとめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど、誰も見ていませんように〜〜〜。
「・・・・なんか、手慣れてませんか?」
私は恥ずかしいので、手をどうにかして離して欲しくて・・、ちょっと引っ張って取ろうとするんだけど、離れりゃしない・・。くっそ〜!!年下のくせに!
レイト君は、ふふんと面白そうに笑って、「そうか?」って言うだけだ。悔しい・・。お前生意気だぞ!って、どっかの誰かみたいなセリフを思い浮かべてしまう。
結局、仕事場の前で手を離してくれてホッとした・・。
もう無理・・、本当恥ずかしすぎて無理。
仕事場に、ちょっと赤いであろう顔で入るとミスクさんが私達を見て、嬉しそうな顔をして手招きする。あ!成功したのかな??!急いで駆け寄ると、
「見て!!りつ、出来た!!やっと出来た!!!」
ギュッとミスクさんに抱きしめられた。
「お、おめでとうございます!!」
「長かった〜〜!!もう本当、回線助かった!レイト君もありがとう!!」
「いえ・・、良かったです」
モーリスさんと、パルクさん、アル君も嬉しそうに喜ぶミスクさんを見て微笑んでいた。その光景を見るだけで嬉しくて・・、泣きそうになった。
ミスクさんは、私の体から離れて冷凍箱を見ながら・・
「ま、あとは冷凍箱で何ができるか、これからまた実験の日々だけど・・」
「あ、じゃあアイス作りたいです!!」
「「「「アイス????」」」」
あ、あれ・・、こっちの世界にはなかった???
ちょっとまずったかな・・?と、思いつつ皆の目が一斉にこちらへ向いて・・、思わず後ずさってしまった・・。




