凡人、騎士団へ持ち込み。
坂を登った所に、騎士団はあって・・
黒い鉄の柵が、大きな濃い茶色のレンガの建物を取り囲むようにしている。
鉄の柵の前に、門番らしき人達が四人も立っている。
お、おお・・・すごいな。
ちょっとたじろぐと、レイト君は澄ました顔で門番の一人に声をかけると、笑って通してくれた。
「レイト君は、何度か来てるの?」
「まぁ、仕事で・・」
「へぇ〜・・、すごいなぁ・・」
「別に」って、言いつつ・・ちょっと照れ臭そうににする姿は若人だな・・。中庭を通って建物の中に入っていくと、二階に隊長さんの部屋があるらしい。ドアをノックすると、「入れ」と言われて、二人で入った。
中には、ジルさんがデスクで仕事をしていた。
「元気?わざわざ、お二人さん悪いね」
「・・本当だ」
「ちょっとレイト君・・!ジルさん、こんにちは」
焦って、思わずレイト君を突いたよ・・。ダメでしょ、仕事相手なんだから・・。
ジルさんは、いつもの事なのか特に気にするわけでもなく、デスクの側にあるソファーを勧めてくれたので、そこへ一緒に座る。
レイト君が大きいから、重みの反動で一緒に座ったら思わず体が傾いて、レイト君側に倒れてしまい慌てて体を起こす。
「ご、ごめん・・」
「お前、もっと食えよ・・。男のなのに小さすぎる・・」
「うるさいなー!ちょっと大きいくせに・・」
ジルさんが笑って私達を見る。あ、すみません・・。
「隊長も後で来る予定なんだけど、遠征の確認に行っちゃったから・・、僕だけでごめんね。先にりつの作ったの受け取っていい?」
「あ、はい・・、これが料理が入っているんですけど、表に内容が書いてあります。できればデータも欲しいので、こちらの表に食べた時・・、記入してもらえると助かります」
ジルさんは、目をキラキラさせて料理の入った袋を見る。
「これ全部、りつが作ったの?」
「調理さんにも、大分手伝ってもらいましたけどね・・。味は保証しますよ?あ、こっちはシンプルに真空袋だけです」
料理の入った袋と、真空袋を恭しく受け取って、ジルさんは笑顔で私を見る。
「食べるの、すげー楽しみ!!」
「あ、ありがとうございます・・」
そんないい笑顔だと、照れてしまうではないか・・。
ちょっと照れくさくて俯くと、レイト君がチッと舌打ちする。なんだよ〜と思わず、じとっとレイト君を見るけど、レイト君は気にせず、自分のカバンからボードを二枚出す。
「ったく・・、おら、ジルこっち渡しておくぞ」
「お、これこれ・・!形、改良したんだ?」
そう言われて見てみると、二枚ともシンプルなノート型の板になっている。
「どちらからも、手紙を送れるようにした」
「あ、それは良かった・・。一方だけだと、壊れた時困るし」
「つーか壊すな・・」
「あはー!そうだな」
ちらっとレイト君が私を見る。
「お前、緩衝材の入った真空袋は持ってるか?」
「あ、うん・・」
カバンから出すと、レイト君はそれを受け取って・・、
「使い終わったら、これにしまって持って帰って来い」
「はいはい」
え・・、私達が作ったの・・使ってくれるの?天才が・・?思わずポカーンとレイト君を見ると、面白そうに私を見る。
「アルと作ってて、ちょうどいいなって思ったんだ。光栄に思え」
「あ、はい、光栄です!!」
私がそう言うと、ジルさんが爆笑した。
あれ?そっちが笑うの??思わず、ジルさんとレイト君を交互に見たら、レイト君もちょっと笑ってる。
「あれ?ここって笑う所なんですか??」
そう言うと、レイト君は頭を撫でてきた。
おい、子供じゃないぞ!?
その後、隊長さんが入ってきて・・、私の作った物をレイト君の作った物を説明すると喜んでくれた。どっちも使える物になったらいいな!!
まぁ、私の料理真空袋は、魔道具ていうより・・、生活便利グッズだけど。




