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Blue Ridge Saga —クリスタニアの過去  作者: おーがすてぃーぬ


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28/31

花見酒ー甘やかすのは君だけだ

富士崎社長には甘い日向キャプテンです。

満月の明るい光が、庭の白薔薇を照らしていた。


それを眺めながら、藍色の着流しを着た日向キャプテンは、縁台で盃を傾けていた。



「あなた、風が冷たくなってきたわ。そろそろ中に入ってはどう?」


富士崎社長は、螺鈿の盆に乗せた白磁の徳利を縁台に置きながら言った。

普段の品のある着物姿とは違い、白地に向日葵が描かれたシンプルな浴衣に、髪は軽く簪で纏めただけの楽な格好だ。


「私もいただくわ。」


「注いでやろう。」


徳利から静かに酒が注がれる。

盃が満ちる音が、夜の中に小さく溶けた。


「クリスタニア、大丈夫かしら。」


盃を持ったまま、富士崎社長は月を見た。


「心配するな。それよりも、クリスタニアが戻ったら、やりたいことがある。」


そう言って、日向キャプテンは盃に口をつけた。


「何ですの?」


富士崎社長も、優雅に盃に口をつける。


「式を挙げよう。二人きりで。」


日向キャプテンは、静かに富士崎社長の髪に手をやった。


「忘れてたわ。あんまり忙しいから。」


「俺が見たいんだ。君の白無垢姿を。」


「あなたはいつでも喜ばせてくれるのね。」


「君が喜ぶ顔が好きだからな。」



簪が縁台に落ちた。


その先は、満月と白薔薇しか知らない。





とても甘やかな大人時間ですが、この後、日向キャプテンが再び商船たちに鉄槌を下します。


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