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異世界戦争 デス・ファンタジー・サガ  作者: 斉藤一


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アラン4

「―――というわけで、俺たちは少数精鋭で敵の拠点を潰す」

「・・・本気ですか?」


 ロイドが正気を疑うような目でそう質問してきたが、俺は無言で頷いて肯定する。


「今回は前みたいな倉庫じゃなくて、拠点ですよね? 何百人居るかも分からない場所に、1パーティで何ができるって言うんですか?」

「敵の司令官を殺す。そして、できる限り暴れて拠点の機能を失わせることが出来れば大成功だ。司令官を殺す事に成功した時点で詰めている味方に合図を出す」

「リ、リーダー・・・。それは馬鹿な俺でも分かります。そんなことをしたら、敵が集まってきて殺されますよ!?」


 当たり前だ。敵がひしめく拠点で味方に合図を送るなんて目立つことをしたら、敵が集まってくることなんて馬鹿でもわかる。だが、それをやらなければ人類が負ける。このまま今の状況が長引けば長引くほど、こちらの戦力が減る。どこかで一発、でかい勝利をしなければならない。その犠牲が、俺だ。


「合図は俺が出す。お前たちはその前に逃げろ」

「そんな! 死ぬ気ですか!」

「俺一人なら、逃げることくらい出来る」


 口ではそう言ったが、恐らく逃げることは出来ない。向こうの英雄も何人か居るだろうし、何より目立つ目標が居なくなれば部下の方を危険にさらす。

 それに、俺はむしろこういう状況を望んでいた。敵を一人でも多く殺す。そのためだけに、俺は戦争に参加しているのだから。俺にはもう、家族も友人も居ない。一人でも多くの敵を殺し、人類を勝利に導く。それが俺の役目だ。


「時間が無い。敵の新兵器が無くなった今、追撃する事が必要なのだ。明日の朝、各リーダーには大まかな作戦だけを伝える。俺たちはそれまで詳細に作戦を詰める」

「せめて、敵の拠点を調査してからにしてはどうですか?」

「そんな隙があるなら、それこそ敵の司令官を狙うべきだろう。敵が揺れている今しか出来ないことだ」

「・・・・・・分かりました」

「・・・別に今回はストーンブラストの出番は無い。お前は残るか?」

「いえ、最後までリーダーに付いていきます」

「別に、命令違反や敵前逃亡はならんぞ? たまたまお前は当日、病気で出撃できない事にすればいいだけだ」

「俺だけ逃げるわけにはいきません。その代わり、俺の家族には手厚い保障をお願いします」

「分かった。約束しよう。ダニエル、ブライアン、マシュー、エミリー。お前たちはどうだ?」

「私の命で敵に打撃を与えられるなら、喜んで参加しますよ」

「俺も工兵として、最大限の嫌がらせをして見せます」

「私も行きます。みんなを見捨てる事なんて出来ませんよ」


 ダニエル、ブライアン、エミリーがそう答える中、マシューは黙っている。


「マシューは残るか?」

「いえ、行きます。エミリーが行くのに、俺だけが残る意味なんてありません」

「私は大丈夫よ。マシューは残ってた方がいいんじゃない?」

「いや、俺がエミリーを守る。そして、無事に作戦をやり遂げて、生き残って見せる!」


 エミリーが心配そうにマシューにそう言うが、その言葉で逆にマシューの表情が変わったな。まあ、男としてそう言われたら、逆らいたくなるものだ。

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